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事業外みなし労働時間制を5分で解説!残業代など詳しく解説

更新日:

監修者:みんなのユニオン 執行委員
岡野武志

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みなさんは事業外みなし労働時間制についてご存知ですか?

外勤の営業社員などによく適用されており、残業代がでないとか、定額働かせ放題制度などと言われますが、それは正しいのでしょうか?

今回は事業外みなし労働時間制について、制度の内容、よく似た制度や残業代の有無、メリットとデメリットについてまとめています。

事業外みなし労働時間制をわかりやすく解説

事業外みなし労働時間制とはどんな制度なのか?

 また、よく似た制度として裁量労働制、フレックスタイム制、テレワークなどもあり、制度が混乱しがちです。

この記事では事業外みなし労働時間制について、内容や要件、間違えやすい制度についてわかりやすく記載しています。

事業外みなし労働時間制とは?

事業外みなし労働時間制とは、労働者が事業場外(会社の外)で働き、労働時間の算定が困難な場合「特定の時間」を労働したとみなす制度のことで、労働基準法第38条の2に規定されています。
導入されている職種は?

1988年(昭和63年)の改正法施行により新設され、当初は使用者の指揮監督下におけない外回りの営業職や海外旅行の添乗員等への適用を想定していた制度です。

2020年現在、厚生労働省の調査によると、事業外みなし労働時間制を導入している企業の割合は以下のようになります。
平成30年調査計 14.3%
平成31年調査計 14.2%
(アンケート結果が得られた4127社についての結果)

導入されている職種は、外回りの営業社員、旅行会社の添乗員、新聞社や出版社などの記者、出張の機会が多い商社の社員、在宅勤務の社員などが多いです。

指揮管理下におけない事業外での業務で適用となるので、特定の職種に偏りがちになる部分がありますが、職種の縛りがあるわけではないです。

事業外みなし労働時間制を満たす要件は?

事業場外労働みなし労働時間制は、事業外勤務ならどんな業務でも適用できるわけではありません
適用外となるのは?

以下のような場合は、事業外みなし労働時間制の対象外となりますので、もしご自身が適用されている場合は、要件を満たしているか? の確認が必要です。

  • 何人かのグループで事業場外労働に従事する場合で、そのメンバーの中に労働時間の管理をする者がいる場合
  • 無線やスマートフォン等によって、随時使用者の指示を受けながら事業場外で労働している場合
  • 事業場において、訪問先、帰社時刻等当日の業務の具体的指示を受けた後、事業場外で指示どおりに業務に従事し、その後、事業場に戻る場合

上記の場合は、事業場外で業務に従事する場合であっても、指揮監督下での労働時間算定が可能であるので、みなし労働時間制の適用はできません。  

事業外みなし労働時間制の適用外であれば、残業代なども通常通り支給されますので、ご自身が違法に適用にされていないか確認する必要があります。

事業外みなし労働時間制とよく似た制度は?

事業外みなし労働時間制と混同されがちな制度には以下の制度があります。

  • 裁量労働制
  • フレックスタイム制
  • テレワーク

裁量労働制とは、自分の労働時間を自分で自由に裁量できる制度です。

労働時間の自由度が高いという点で、事業外みなし労働時間制と共通点の多い制度ですが、裁量労働制は適用できる職種が限られている点や、事業内でも適用できる点が事業外みなし労働時間制とは異なります。

フレックスタイム制とは、月間の総労働時間の範囲内で、出勤、退社、休憩などを自分で調整できる制度のことです。

出退勤時間を自由に設定できる点が、事業外みなし労働時間制との共通点になりますが、フレックスタイム制はコアタイムが設定されていたり、事業内で適用できる点で事業外みなし労働時間制とは異なります。

テレワークとは、労働者が従来は事業内において行っていた業務を在宅で行う業態のことです。

テレワークは、在宅勤務なので事業外という点では共通点がありますが、多くの場合は労働時間は指揮管理下で把握されますので事業外みなし労働時間制とは異なります

事業外みなし労働時間制の残業代を詳しく解説

事業外みなし労働時間制で最も話題に上がりやすいのは残業代の有無についてです。

サービス残業は誰でも避けたいところですし、事業外みなし労働時間制は働かせ放題の制度でもありません。

この記事では、事業外みなし労働時間制での残業代の出る場合、出ない場合について詳しくまとめています。

事業外みなし労働時間制で残業代は出る?

事業外みなし労働時間制では、残業代が出ないと思われがちですが、規定の範囲内で残業代は支払われます。
具体的には?

具体的に残業代が出る場合を以下に記載します。

深夜や休日に労働した場合
②労使協定で決めたみなし労働時間を超えて、事業場の業務を行った場合
③労使協定で決めたみなし労働時間が法定労働時間(1日8時間)を超えて設定されている場合

①に関しては、深夜労働(22時~5時)、休日労働に関しては、事業外みなし労働時間制でも通常勤務と変わらず労働基準法で規定されている通りに残業代は支払われます。

②に関しては、例えば、1日8時間のみなし労働(外勤)を終えて帰社し、事業場内で1時間の内勤業務を行った場合などには1時間の残業代が支払われます。

③に関しては、例えば、みなし労働で通常行う業務が法定労働時間(1日8時間)では終了できない場合に、労使協定でのみなし労働時間を1日8時間以上(法的には通常必要時間といいます)で締結できます。

この場合、通常必要時間(1日8時間以上)が法定労働時間(1日8時間)を超えていますので、超えた分の残業代が支払われます。

上記のように条件を満たせば、事業外みなし労働時間制でも残業代は支給されます。

事業外みなし労働時間制で残業代が出ない場合は?

事業外みなし労働時間制で残業代が出ない場合は多く、労使互いの理解不足から労使関係の悪化につながる場合もあるので注意が必要です。
具体的には?

具体的に以下に残業代が出ない場合を記載します。

  • 労使協定で締結されたみなし労働時間を超えて事業外での業務を行った場合

例えば、1日8時間のみなし労働時間設定で、実労働10時間を行ったとしても、2時間分の残業代は支払われません

もし、2時間分の残業代支給をしてもらいたい場合は、通常で1日10時間かかる業務であるとして労使協定の時点で1日10時間でみなし労働時間を設定(通常必要時間)する必要があります。

つまり、企業側はみなし労働時間を短めに設定できれば多くの残業代を支払わなくて済むということになるので、労働者側はみなし労働時間に関しては不利にならないようにしっかり理解しておく必要があります

事業外みなし労働時間制のメリットとデメリット

事業外みなし労働時間制はメリットもありますが、労働者側にはデメリットが大きい制度設計になっています。

制度の理解がないままに適用されてしまうと、労働者に大きな負荷がかかる可能性もありますので、メリットとデメリットはしっかりと理解しておきたいところですね。

この記事では事業外みなし労働時間制のメリットとデメリットについて記載しています。

事業外みなし労働時間制のメリット

事業外みなし労働時間制は、上手に活用できればいくつかのメリットがあります。
メリットは?

以下に具体的なメリットを記載します。

  • 短い時間で仕事を終えても、1日労働した分の給与をもらえる
  • 短時間で仕事を終えることで、ライフワークバランスが向上する可能性がある
  • 直行直帰ができる場合も多く、通勤などの無駄な時間が省ける
  • 短時間での業務効率化を図ることで能力が向上する可能性がある

事業外みなし労働時間制は、能力が高く短時間で仕事ができる人にとっては上記のようなメリットがあります。

上手に活用できる人にとっては働きやすい制度になります。

事業外みなし労働時間制のデメリット

事業外みなし労働時間制はデメリットも多く、特に業務内容が過多になっている人にとっては、非常に負担の大きな制度です。
デメリットは?

以下にデメリットについて記載します。

  • 長時間労働をしてもみなし労働時間の範囲内の業務には残業代はでない
  • 実労働時間に見合わないみなし労働時間を不当に設定される場合がある
  • 上司や企業の理解不足から、残業代未払い案件が発生しやすい
  • 事業外みなし労働時間制を適用されているのに、携帯やPCで業務管理されている違法ケースがある
  • 上司から働かせ放題だと勘違いされている場合がある
  • 働きすぎによるライフワークバランスの乱れや過労死の懸念がある

事業外みなし労働時間制を適用される場合は、労働者側が正しい知識をもっていないと非常に不利になります。

深夜労働、休日労働、みなし労働時間を超える事業内労働などは、通常は残業代がでますが、企業側や上司の理解不足から残業代未払いになることもあります。

また、通常、1日8時間では終わらない業務に対して、1日8時間のみなし労働時間を設定されてしまう場合もあり、労働者側は残業代なしの長時間労働が常態化するケースもあります。

事業外みなし労働時間制を悪用されてしまうと、企業側は法を守ったうえで労働者に長時間労働を強いることができる制度になりますので、労働者側は過大なストレスや過労死などの深刻な問題へ発展する可能性があります。

事業外みなし労働時間制のまとめ

今回は事業外みなし労働時間制についてまとめました。

一見働きやすい制度に見えますが、深く理解していないと労働者側が不利になる可能性が高い制度です。

もしあなたのまわりで事業外みなし労働時間制が導入される機会がありましたら、労使協定の必要事項を視認し、労働者側のデメリットになっていないかをしっかりと確認することをおすすめします。

監修者


みんなのユニオン

執行委員岡野武志

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みんなのユニオンの執行委員を務める岡野武志です。当ユニオンのミッションは、法令遵守の観点から、①労働者の権利の擁護、②企業の社会的責任の履行、③日本経済の生産性の向上の三方良しを実現することです。国内企業の職場環境を良くして、日本経済に元気を吹き込むために、執行部一丸となって日々業務に取り組んでいます。