自己都合退職と会社都合退職の違い|退職理由の変更は可能?

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会社の退職にあたり自己都合退職あつかいとなるのか、会社都合退職あつかいとなるのかは非常に大きな違いとなります。

「自己都合と会社都合ではどちらが労働者にとってメリットとなるのか」
「懲戒解雇や退職勧奨に合意した退職はどのようなあつかいになるのか」
など、自己都合退職と会社都合退職でよく寄せられる疑問について、徹底解説していきます。

自己都合退職と会社都合退職の違い|失業保険(手当)を中心に

会社都合退職と自己都合退職は、主に失業保険の受給や退職金といった面で大きな違いになります。

失業保険(正しくは雇用保険といいます)は、労働者が失業したとき等に労働者の生活や雇用の安定を図り、再就職を促すために必要な給付を行う制度となります。
退職前6か月の賃金合計を180で割り、一日当たりの平均日額を算定。
平均日額の50~80%程度の金額について、決められた給付日数分もらうことができます。

自己都合退職と会社都合退職とを比較したとき、需給の資格や給付日数に違いが出てきます。
また退職金についても違いが生じるケースが多いので、ここで確認していきましょう。

退職金・雇用保険で有利なのはどっち?

一般的に、自己都合退職よりも会社都合退職の方が退職金や雇用保険の面では有利となります。

会社都合退職となった人は「特定受給資格者」としてあつかわれ、自己都合退職となった人よりも手厚い保護が受けられます。

自己都合退職と会社都合退職の違いは以下の通りです。

自己都合退職

  • 原則退職後3か月が経過しないと失業保険を受給できない(令和2年10月1日以降は2か月)
  • 給付日数の上限は被保険者期間に応じて150日まで
  • 被保険者期間が離職日以前2年間に通算12か月以上でないと受給できない

会社都合退職

  • 給付期間に制限はなく、最短退職後7日で失業保険を受給できる
  • 給付日数の上限は年齢や被保険者期間に応じて330日まで
  • 受給の要件となる被保険者期間は離職日以前1年間に通算6か月以上

また、退職金についても違いが生じるケースが多いです。

自己都合退職では、多くのケースで退職金が満額支給されません。

会社の退職金規程などをチェックすると、勤続年数などに応じて「自己都合退職時の減額率」の表が記載されている場合が多いです。
自己都合退職の際には、この表に従って退職金が減額されてしまうのです。
通常、勤続年数が短ければ短いほど減額率は高めに設定されています。

一般的に、会社都合退職と自己都合退職を比較したとき、会社都合退職の方が労働者にとってメリットとなるケースが多いわけです。

正当な理由のある自己都合退職とは?

自己都合退職は会社都合退職よりも失業手当などの面で不利益があると先述しました。
しかし「正当な理由のある自己都合退職」であった場合には、一般の自己都合退職における受給資格者よりも手厚い保護が行われます。

正当な理由のある自己都合退職とは、例えば自身の健康問題の悪化や家庭の事情の急変、事業所の移転などのせいで通勤が困難になった場合などを理由として離職したときの離職理由です。

一般的な自己都合退職の場合、失業保険の受給資格は「離職以前2年間で被保険者期間12か月以上」となるのが通常です。
しかし、正当な理由のある自己都合退職であった場合には、この条件に加えて「離職以前1年間で被保険者期間6か月以上」でも受給資格を得ることができます。

3か月の給付制限もなく、失業等給付の所定給付日数が手厚くなる場合もあります。

退職理由は変更できる?

自己都合退職から会社都合退職に退職理由を変更したいときには、ハローワークに相談することで変更が叶う場合があります。

ハローワークに提出する雇用保険被保険者離職票には、離職理由が記載されています。
ここには会社側と労働者側の双方がそれぞれ理由を記入できるようになっています。事業主の記載した離職理由について、労働者側が納得できないケースもあるのです。

退職理由に争いがあるときは、雇用保険被保険者離職票の提出前にハローワークの職員に相談するべきです。
自己都合ではなく会社都合であったという事実の裏付けが取れたときには、理由の変更が行われます。

自己都合と会社都合|退職理由はどう見極める?

自己都合退職と会社都合退職の失業保険や退職金における違いを見てきました。

労働者にとって退職理由の違いは大きな違いであるとお分かりいただけたかと思いますが、一方で会社を退職する際にそもそも退職理由が食い違ったりトラブル化してしまうケースもあります。

どのようなときに自己都合・会社都合になるのか確認しておきましょう。

懲戒解雇は自己都合?会社都合?

会社が労働者に対して行う解雇には、「整理解雇(リストラ)」、「普通解雇」、「懲戒解雇」の3つがあります。

懲戒解雇とは、企業秩序違反行為に対する制裁罰である懲戒処分として行われる解雇をいいます。つまり労働者が横領等の犯罪をしたり、業務上必要な資格や学歴を詐称していたり、理由なく長期間無断欠勤をしたりしたときに行われる処分としての解雇です。

懲戒解雇は普通解雇とは異なり、自己都合退職と同じように扱われます。

失業保険の待期期間は3か月間であり、受給期間も会社都合の解雇より短くなります。

退職勧奨は自己都合?会社都合?

退職勧奨とは、会社から労働者に対して、自主退職を促す行為のことです。
会社からの働きかけによる退職ですが、一方的に通告が行われる解雇と違い、きちんと労働者の了解を得た上で、退職してもらうという方法になります。

退職勧奨を受けて退職した場合には原則として会社都合退職となります。

しかし会社によっては、退職勧奨で退職した場合に自己都合退職として処理を行ってしまうところもあります。
退職勧奨を受けて退職する場合には、自己都合退職として処理されるのか会社都合退職として処理されるのかよく確認した方がいいでしょう。

派遣切りは自己都合?会社都合?

派遣切りとは、派遣先の会社が派遣元の会社との契約を終わらせることを言います。
労働者はその後、派遣元の会社から再度別の会社を紹介されるのを待たされることになります。

派遣切りというのはあくまで派遣先の会社と派遣元の会社の契約の話となります。
退職とはまた別の話になってしまうのです。

なお派遣切りにあったあと、結果的に派遣元の会社を退職するという流れになることもしばしばあります。

派遣社員側が更新を希望していたのに派遣先の紹介などがなく更新されなかったような場合は会社都合退職となります。
一方、更新を提案されていたものの派遣社員側が更新を断ったような場合には自己都合退職となります。

不当解雇かもしれない自己都合退職・会社都合退職のパターン

すべての会社が労働法などをしっかり把握しているというわけではありません。
そのため会社都合の解雇が行われた際に、その解雇の方法が法的に不当であるケースもあります。
また、会社から不当な退職勧奨が行われ、退職を強いられてしまう労働者の方もいるようです。

ここでは自己都合退職・会社都合退職で不当となるケースを紹介する他、退職理由について会社とトラブル化したときの対処法なども伝授します。

違法かも…退職勧告は何日前にされた?

従業員を解雇することは法的にハードルが高いです。
法的に細かい要素まで把握しているかはともかく、会社としても解雇に対して忌避感を持っているケースは数多くあり、解雇の前にまずは退職勧奨を検討する企業も多いです。

退職勧奨・退職勧告は、会社から従業員に退職を促すことを指します。
従業員が退職に合意しなければ、離職にはなりません。

一方で、従業員の同意を得ずに、一方的に雇用を終了させることを解雇と言います。

解雇については、少なくとも30日前に通知をしなければならないとされています。

30日前に予告をしなかった場合、解雇予告手当として30日に満たなかったその不足の日数分の平均賃金を支払う必要があります。

解雇予告手当の支払いの案内などもなく即日解雇を言い渡されてしまった方は、早急に弁護士や公的機関などに相談するべきと言えます。

会社側の退職勧奨は適切だったか?

行き過ぎた退職勧奨は「退職強要」となる可能性がある他、パワーハラスメントの問題にもなりえます。

退職強要の一例

  • 「仕事に向いていない」「やる気がないなら辞めろ!」などの叱責を執拗に繰り返す
  • わざと仕事を与えない。能力に比べて不当に軽微な仕事や不適切な仕事を強要する
  • ほとんど達成不可能な厳しいノルマを与え、達成できなければクビだと脅す
  • 自ら退職届を出さなければ懲戒解雇になるとほのめかす
  • 退職勧奨を1度断っているのに、勧奨を続ける

退職勧奨のやり方が「退職強要」にあたる場合は、仮に退職に応じてしまっても合意の取消しが認められることもあります。

今まさにこのような状況で悩んでいる方は、早急に弁護士や公的機関などに相談されるのがよいでしょう。

会社都合退職なのに自己都合にされたら?

退職勧奨に応じる形での離職は、会社都合での退職という扱いになります。

ただ会社によっては自己都合退職という扱いで手続きを進める可能性もあります。

自己都合退職よりも会社都合退職の方が失業保険の受給などの面で有利なのは先述のとおりです。

会社都合退職を自己都合退職にされたときには、まず会社に離職理由を訂正してもらうよう要請するのがよいでしょう。
会社がその要請に応じてくれなかったときには、ハローワークに異議を申し立てる方法を検討してください。

ハローワークは異議を申し立てたられたとき、離職理由を裏付ける資料などをもとに調査等を行い、受給資格を決定します。
つまり会社が離職理由の訂正に応じなかった場合でも、会社都合退職として失業保険を受給できる可能性があるのです。

まとめ

労働者にとって、自己都合退職と会社都合退職では、会社都合退職の方が失業手当等の面でメリットとなります。
また退職勧奨に従う形での退職は原則として会社都合退職あつかいとなり、健康問題や通勤の困難化など正当な理由のある自己都合退職についても、通常の自己都合退職と比べ手厚い保護が受けられます。

場合によっては、本来会社都合になるべきところ、使用者の判断で自己都合退職あつかいとされてしまうケースがあります。
またパワハラにあたるような退職強要が行われたり、解雇の事前告知のルールを守らずに解雇日を通知されることもあります。
そのような場合には早急に弁護士や公的な機関に相談するべきと言えます。

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執行委員岡野武志

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みんなのユニオンの執行委員を務める岡野武志です。当ユニオンのミッションは、法令遵守の観点から、①労働者の権利の擁護、②企業の社会的責任の履行、③日本経済の生産性の向上の三方良しを実現することです。国内企業の職場環境を良くして、日本経済に元気を吹き込むために、執行部一丸となって日々業務に取り組んでいます。

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