解雇予告手当の計算&請求方法のすべて|不当解雇で知るべきポイント

03 0918

2020年10月1日以降の自己都合退職者は、失業手当の給付制限期間が短縮される変更があります。

会社から解雇予告されたのは、解雇される日の何日前でしたか?
解雇するには、何日前に予告をするという日数が決まっています。

きちんと法律に則った解雇予告や、解雇予告手当を受け取るために、解雇予告手当について確認しておきましょう。

解雇予告手当についての解説や雇用形態、解雇理由ごとの対応についてまとめています。解雇予告手当の計算方法を知っておけば、金額を不当に支払われる恐れもなくなりますね。会社が払ってくれないときは、ご案内している相談窓口をご検討ください。

突然の解雇のときもらえる解雇予告手当とは?

まずは、解雇予告手当についてきちんと認識しておきましょう。

正社員だけでなく、アルバイトやパートでももらえるのか?
懲戒解雇や退職勧奨、当日解雇を受けたけれど手当の対象なのか?

それらについてもまとめていますので、自身の雇用形態等と照らし合わせてみてください。

解雇予告手当とは?

会社は、従業員を解雇する場合については、少なくとも30日前に予告する義務があります(労働基準法20条1項)。この予告を行わない会社は、解雇しようとする従業員に対して、その者の30日分以上の平均賃金を支払わなければいけません。この金銭を、いわゆる「解雇予告手当」といいます。
即日解雇も可能?

解雇の予告日数は、解雇予告手当を支払った日数分だけ短縮することができます。言い換えれば、解雇予告手当として平均賃金30日分を支払えば、解雇の要件が満たされている限り、即日解雇することも可能です。もっとも、即日解雇が「社会通念上相当であると認められない場合」は、解雇が無効となります。

バイトでも解雇予告手当はもらえる?

正社員でなくても、原則として、解雇予告手当をもらう権利があります。アルバイトやパートでも大丈夫です。例外的に、①日々雇い入れられている、②2か月以内の期間を定めて使用されている、③試用期間中である、のいずれかに該当する人は、解雇予告手当をもらうことができません(労働基準法21条)。
労働基準法21条とは?

[参照:労働基準法21条]  
前条の規定は、左の各号の一に該当する労働者については適用しない。但し、第1号に該当する者が1箇月を超えて引き続き使用されるに至つた場合、第2号若しくは第3号に該当する者が所定の期間を超えて引き続き使用されるに至った場合又は第4号に該当する者が14日を超えて引き続き使用されるに至つた場合においては、この限りでない。
①日日雇い入れられる者
②2箇月以内の期間を定めて使用される者
③季節的業務に4箇月以内の期間を定めて使用される者
④試の使用期間中の者

懲戒解雇でも解雇予告手当はもらえる?

円満な退社でなくても、予告なく解雇された従業員は、解雇予告手当をもらうことができます。会社と喧嘩をして解雇された場合でも、会社は30日前に解雇予告をする義務を負っています。仮に解雇予告をせず即日解雇をするのであれば、会社は従業員に対して解雇予告手当を支払わなければなりません。

解雇予告手当の計算方法

解雇予告手当を受け取れるとなったときに、その計算方法が気になります。

社会保険や通勤手当などが含まれるのか、疾病等による療養期間がある場合はどうなるのか、など。会社からきちんと支払われているか確認するためにも、計算式を知っておきたいですね。

源泉徴収が必要かどうかも解説していますので、今後の手続きを把握しておくためにぜひご覧ください。

計算は平均賃金×(30日ー解雇予告期間)

解雇予告手当の計算方法は、平均賃金30日分から、解雇予告日から解雇日までの日数分の平均賃金を差し引く方法で計算します。例えば、30日分の平均賃金が60万円で、解雇日の10日前に解雇予告を受けたとしたら、解雇予告手当の金額は、60万円から10日分の平均賃金20万円を差し引いた40万円になります。

平均賃金に含まれるものは?

平均賃金の計算方法は、労働基準法12条に定められています。解雇予告手当の平均賃金も、この労働基準法12条に基づいて計算されることになります。基本的には、平均賃金は、その計算が必要になった時点から遡って3か月間における賃金の総額をその期間の総日数で除して算出されることになります。
療養期間がある場合は?

もっとも、その3か月間の間に業務上の負傷・疾病による療養期間や、産休産後の休業期間があった場合は、別途、法律上の調整が入ります。そのままの状態で賃金を参入すると、療養期間や休業期間といった従業員には制御できない特別の事情によって、賃金の総額が異常に少なくなりすぎるためです。

解雇予告手当に所得税の源泉徴収は必要?

解雇予告手当は、①退職所得(解雇予告手当・退職金など)が退職所得控除額以下で、②「退職所得の受給に関する申告書」を提出していれば、所得税はかかりません。よって、確定申告も必要ありません。②が無い場合は20.42%の所得税が源泉徴収され、確定申告により清算する必要があります。

解雇予告手当がもらえないときの請求方法

解雇予告手当をもらえるはずなのに、会社が払ってくれない!
それは困りますし、違法です。

違法な会社に、解雇予告手当を請求しましょう。
請求方法や頼れる相談窓口をご案内しますので、泣き寝入りしないためにご確認ください。

請求の期限もありますので、期限を迎える前に早急な手続きをおすすめしますよ。

解雇予告手当の請求書の書式

解雇予告手当の請求方法に特に決まりはありません。書面で請求しても、口頭で請求しても、どちらでも大丈夫です。解雇予告を受けずに解雇された場合は、なるべく早くに会社に請求した方がよいです。請求した事実を証拠として残す意味では、内容証明郵便による書面での請求がベストかもしれません。
自分で交渉できる?

解雇予告手当は、法律上の要件が明確で、違反すれば一目瞭然で分かるルールです。そのため、従業員本人が未払いの手当を請求した場合でも、会社としてはスムーズに応じてくれるケースがあります。交渉が難航した場合は、労働基準監督署などに相談し、当局の方から一報入れてもらうとよいでしょう。

解雇予告手当の請求期限・時効はいつ?

解雇予告手当の時効については、解釈に争いがありますが、労働基準法115条の適用により、「2年」という説が有力です。そのため、解雇予告手当を請求したい場合は、解雇された後、なるべく早くに会社に請求をした方がよいです。2年放置すれば、時効により消滅したと判断される可能性が高いです。
解雇が結構前の場合は?

もし解雇からある程度の時間が経っている場合は、早めに専門家に相談するのがよいです。時効の進行を中断させるためには、「裁判上の請求」「支払督促」などの一定の法的手続きを取る必要があります。専門家に相談して、今後の解雇予告手当の回収可能性について、よく検討してみましょう。

解雇予告手当を支払ってもらえない場合は

解雇予告手当を支払ってもらえない場合は、会社は労働基準法20条に違反していることになります。この違反は、裁判になれば裁判所から「付加金」と合わせて2倍の金額を支払えと認定される場合があります(労働基準法114条)。まずは、この付加金の事実を会社に伝え、手当の支払いを交渉してみましょう。
なお支払いがない場合は?

それでも支払ってもらえない場合は、外部の相談窓口に相談してみるのがよいでしょう。会社としても、労働基準法の理解が弱くて解雇予告手当の支払いを拒んでいるような場合も多く、外部の法律専門家から指摘が入れば、その後、スムーズに解雇予告手当を満額支払ってくれるケースも多いです。

解雇予告手当の相談窓口は?

解雇予告手当は、労働基準法に関する事項なので、労働基準監督署に相談することができます。また、労基署以外の相談窓口としては、弁護士事務所や労働組合があります。私たち「みんなのユニオン」の相談窓口においても、解雇予告手当の問題を無料で取り扱っているので、お気軽にご相談ください。
弁護士に依頼すべき?

解雇予告手当の回収については、金額がそれほど高くないため、自分で行うのがベストです。もし会社との交渉が行き詰まった場合は、労基署や労働組合・ユニオンから連絡を入れてもらい、会社に圧力をかけましょう。法律上、支払いの要件が明確な手当なので、会社も納得してくれるケースが多いです。

スマホで入れる「無料オンライン労働組合」

職場改善をはじめよう

専門家が作る職場改善の通知を無料で送ることができます

不当解雇・失業の無料電話相談