労働問題を弁護士に依頼する場合の注意点

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監修者:みんなのユニオン 執行委員
岡野武志

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会社との間でトラブルを抱えている方の中には、弁護士に依頼して問題を解決してほしいと考えている方も多いと思います。

しかし、ご自身が抱えている問題を弁護士が取り合ってくれなかったらどうしようとか、依頼することで不利益はないのだろうかとか、そもそも弁護士の探し方が分からないと悩まれている方も多いのではないのでしょうか。

そこでこの記事では、弁護士に依頼すべき労働問題や弁護士に依頼することのメリット・デメリット、そして労働問題に精通している弁護士の具体的な探し方を解説していきます。

弁護士に相談するべき労働問題とは何か

「労働問題」とひとくくりに表現されますが、どこかに定義が書いているわけではありません。広く労働者が抱えている労働環境にまつわるトラブル一般を労働問題と表現しています。労働者が抱えている全ての問題を弁護士が法律を使って解決できるわけではありません。

弁護士に依頼すべき労働問題とは

ここでは、弁護士が労働者の代理人として介入し、法令や契約を適切に適用することで解決が図れることが期待できるような労働問題の典型例を紹介したいと思います。

  • 不当な解雇・不当な退職勧奨により退職した又は退職を迫られているような場合
  • 時間外労働や休日労働、深夜労働について割増賃金が支払われていないような場合
  • パワハラやセクハラなど職場環境に対して労働者がトラブルを抱えているような場合
  • 業務中や通勤中に労働災害にあった際に会社の対応が不十分でないかと思われるような場合
  • 職場内の内部告発やコンプライアンスについての取り扱いの適法性が疑わしいような場合
  • 賃金の引き下げや配転・出向等の労働条件の適法性が疑わしいような場合
  • 在職の強制や賃金の支払い方等の労使間の契約関係の適法性が疑わしいような場合

もちろんこれらの労働問題は一例です。これら以外に労働者が抱えている問題についても弁護士が適切に解決に導いてくれる場合はあります。

まずは無料相談等を利用して弁護士に依頼できるトラブルか確認

ご自身が抱えている問題が弁護士が介入することで解決できるものかどうか分からない場合もあると思います。そのような場合にはまずは事務所の無料相談等を利用して一度弁護士に相談してみるべきでしょう。

労働問題を弁護士に依頼する場合のメリットとデメリット

ご自身が抱えているトラブルが弁護士に解決可能な労働問題だったとしましょう。その場合、弁護士への依頼を即断してよいでしょうか。依頼した場合に労働者が被る不利益はないでしょうか。

ここでは、労働問題を弁護士に依頼すると決めた場合に労働者側に考えられるメリットとデメリットを解説したいと思います。

弁護士に依頼する場合のメリット

(1)常に適切な法的助言を得ることができる

弁護士に依頼した場合に労働者が享受することができる最大のメリットは、弁護士から法的アドバイスを得ることができることだと言えます。

毎日出勤する会社との間でトラブルを抱えてしまった場合には、常にストレスの原因の中に自身の身を置くことになります。

中には会社に所属する上司や同僚が助言をしてくれる場合もあるかもしれません。しかし、彼らは会社に所属し給料を貰っているという立場上手放しで助言に従うことは躊躇される関係にあります。会社組織の中で孤独を感じることも精神的に大きな負担です。

そのような場合、労働者は弁護士に法的な観点から助言を貰えることので自身で判断しなければならない局面は減ります。どうしてよいか分からないような判断は弁護士に尋ねればいいわけですからかなりのストレスを軽減することができるでしょう。

(2)会社との交渉ごとは弁護士に一任できる

会社との交渉は精神的に激しいストレスになると思います。弁護士に依頼した場合には会社との連絡や交渉は基本的に弁護士に一任することができますので、依頼者の負担の軽さが違います。

法律の専門家である弁護士が戦略を立て、解決のための順序に従って必要な資料や書類の収集を指示してくれますから、依頼した労働者が手続のために割かなければならない時間も格段に短くなるでしょう。

(3)話し合いで解決しない場合には労働審判・訴訟も弁護士が行ってくれる

会社との任意での話し合いがまとまらない場合には、裁判手続に移行することが通常です。

労働審判や訴訟を提起することで、労働者は自身の権利の実現を目指します。
裁判手続きの場合には、任意での話し合いとは異なり、証拠に基づき法的に権利を主張・立証していかなければなりません。法的に専門的な知識が必要になりますので、弁護士に依頼していれば会社の主張に反論してくれ依頼者に有利な主張と証拠の提出してくれるはずです。

このような点で手続の早い段階で弁護士を代理人にしておくことで裁判手続きでのコミュニケーションが円滑に行えるでしょう。

弁護士に依頼する場合のデメリット

それでは、弁護士に依頼する場合のデメリットは何でしょうか。それは、弁護士に依頼したことで発生する費用です。弁護士に対して支払う費用にはさまざまな費目がありえますのでここでご紹介します。

相談料

相談料とは、弁護士に相談するのに要する費用のことです。〇〇時間あたり〇〇円という決められ方をしていることが多いですが、最近では、事務所によって初回相談料無料であるとか、労働問題については相談料は何回でも無料という事務所もあるようです。事前に相談料について調べていくことをおすすめします。

着手金

着手金は弁護士に労働問題を依頼する際に要する費用のことです。弁護士が事件に取り掛かるために必要なもので、着手金についても、事務所によっては無料としているところも増えてきています。着手金が無料である代わりに次に見る報酬金でバランスを取っている場合もあります。

報酬金

労働事件が終了した後に、回収できた成果に応じて支払うことが必要になる費用です。一般的には、依頼者が得た経済的利益の〇〇%という形で決定されます。

依頼者に利益が発生しなければ一切の費用が発生しない費用体系を完全成功報酬型といいます。相談料や着手金を請求しない代わりにそれらが設定されている事務所より成功報酬が高くなっているという事務所もあると思います。

労働問題に精通した弁護士を探す方法

では最後に、弁護士はどのようにして探せばいいのでしょうか。ここでは労働問題に精通した弁護士に依頼するために弁護士にアクセスする手段を解説していきます。

(1)知人や親族に知り合いの弁護士を紹介してもらう

身近な人に弁護士がいないかを考えてください。いない場合には身近な人に知り合いの弁護士がいないかを聞いてみましょう。

このようなアクセスの仕方は人脈が重要になりますから、丁寧に対応してもらえるというメリットがあり得る反面、弁護士が合わない場合解任しづらかったり、必ずしも労働問題を専門的に取り扱っている弁護士だとは限らないというデメリットも考えられます。しかし、そのようにアクセスした弁護士から労働問題に強い弁護士を紹介してもらえる可能性もあります。

(2)事務所のホームページから弁護士を探す

労働問題に力を入れて取り組んでいる弁護士は事務所のホームページにその旨や労働問題への対応の仕方、解決事例等を掲載している可能性が高いです。

「残業代未払 弁護士」「不当解雇 弁護士」等いくつかの検索キーワードでインターネット上を検索してみることをおすすめします。

ただ事務所のホームページというものは弁護士が自己申告で記載しているものになりますのでできるだけ取り扱い案件数や解決案件数、手掛けた事件数等客観的な情報をもとに判断するようにしましょう。

(3)検索サイトを利用して探す

弁護士会のサイトや法律ポータルサイトには弁護士を検索することができるものがいくつもあります。そこでは登録のある各弁護士が得意分野を紹介していますので労働問題を多く手掛けて精通している弁護士を検索して探すこともできます。

ご自身がお住まいの弁護士会のサイトを利用することでアクセスのよい弁護士を探すこともできるでしょう。

監修者


みんなのユニオン

執行委員岡野武志

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みんなのユニオンの執行委員を務める岡野武志です。当ユニオンのミッションは、法令遵守の観点から、①労働者の権利の擁護、②企業の社会的責任の履行、③日本経済の生産性の向上の三方良しを実現することです。国内企業の職場環境を良くして、日本経済に元気を吹き込むために、執行部一丸となって日々業務に取り組んでいます。

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