不当解雇について弁護士に相談するために知っておくべきことを解説

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監修者:みんなのユニオン 執行委員
岡野武志

不当解雇に強い弁護士の探し方

本来は解雇が認められるような事案ではないのに、不当に解雇されてしまった場合は、会社に解雇を撤回してもらいたくなるのが当然です。

ところが、不当解雇を撤回してほしいと会社に要求しても、1人の労働者が言うことだからと相手にされない可能性があります。

本当は解雇されるはずがないのに、それを認めてもらえなければ、自分には誰も味方がいないように感じてしまうかもしれません。

そんなときは、労働裁判を得意とする弁護士に相談すれば、会社が危機を感じて不当解雇を撤回してくれる可能性があります。

そこで今回は、不当解雇について弁護士に相談するために知っておくべきことを解説します。

不当解雇について弁護士に相談する費用の目安は?

不当解雇について弁護士に相談する場合に、どのくらいの費用がかかるかは気になるところです。

そこで、弁護士に相談した場合の費用の一般的な目安を解説していきます。

相談料とは

相談料とは、弁護士に法律相談をした場合にかかる費用です。

相談料は一般的にタイムチャージ制になっていて、費用の目安としては1時間あたり1万円前後です。

時間ごとに料金が発生するので、長時間の相談や複数回の相談の場合は、それだけ相談料も高くなりがちです。

相談料を節約したい場合は、実際に法律相談をする前に、どのような相談をしたいかを文章などにまとめておきましょう。

また、弁護士事務所によっては初回相談を1時間無料などに設定している場合があるので、相談料を節約したい場合は無料相談のサービスを活用する方法もあります。

着手金とは

着手金とは、弁護士が実際に仕事に着手した場合に発生する費用です。

着手金は仕事を引き受けるだけで発生するので、弁護士の仕事によってどのような結果が得られたかに関係なく、費用として支払う必要があります。

たとえば、不当解雇について会社と交渉してほしくて弁護士に依頼した場合に、仮に会社との交渉が決裂したとしても、着手金は弁護士に支払います。

着手金の費用の目安としては、30万〜50万円といったところです。

事務所によっては請求金額(会社に支払いを請求したい金額)の数%を着手金として設定している場合もあります。

着手金を支払うには、基本的にまとまった費用が必要になります。

不当解雇されてしまった場合は、再就職などをするまでは経済的に着手金を支払う余裕がないかもしれません。

着手金を支払うことが難しい場合は、着手金を無料としている弁護士事務所に依頼する方法もあります。

着手金が無料の事務所であれば、業務を依頼する初期費用を節約しつつ、法律の専門家である弁護士の力を活用できます。

着手金が無料になる仕組みは、本来は着手金に相当する金額を、後の成功報酬などに含めているからです。

そのため、着手金が無料の場合は初期費用の負担が軽くなりますが、成功報酬などが相場よりも高くなる可能性がある点は把握しておきましょう。

成功報酬とは

成功報酬とは、弁護士が仕事をした結果、依頼人が経済的な利益や納得のいく結果を得られた場合に、弁護士に報酬として支払う費用です。

報酬金や弁護士報酬と呼ばれることもあります。

成功報酬は仕事の結果が満足いく場合に支払う費用なので、仕事の結果が納得いかない場合は発生しないのが特徴です。

仕事の結果に関わらず発生する着手金とは異なります。

たとえば、不当解雇を撤回するように弁護士に依頼したところ、弁護士の活動によって会社が解雇を撤回した場合は成功報酬が発生します。

獲得できた経済的利益(未払い賃金など)の一定割合を、成功報酬として設定するのが一般的です。

たとえば、弁護士の活動によって不当解雇が撤回されて復職できた場合には、月給の2〜3ヶ月分を成功報酬とするなどです。

一方、弁護士が尽力したものの、会社が解雇を撤回せず、何らかの経済的利益も得られなかった場合は、依頼人にとって満足できる結果ではないので、成功報酬は発生しません。

その他費用とは

着手金や成功報酬以外にも、以下のような費用が発生する場合があります。

  • 会社との交渉、労働審判、訴訟などの日当:1〜3万円前後
  • 会社と交渉するための書面(内容証明など)を作成する費用:5万円前後
  • 裁判所までの交通費や印紙代などの実費

弁護士に依頼する場合は、どのタイミングでどのような費用が発生するのかを、依頼する前に確認しておくことをおすすめします。

不当解雇の弁護士相談を成功させるためのコツ

不当解雇について弁護士に相談するにはいくつかコツがあるので、ご紹介します。

労働問題に強い弁護士を選ぶ

専門家にはそれぞれ得意分野があるように弁護士にも得意分野があるので、労働問題に強い弁護士を選びましょう。

たとえば、海外の企業を相手にする渉外分野が得意な弁護士に、不当解雇について相談しても、その分野の相談や解決についてあまり実績がない場合があります。

不当解雇について相談する場合、最初から労働問題に強い弁護士を選んで相談するのがおすすめです。

労働問題を得意とする弁護士であれば、事務所のホームページで労働問題の過去の解決実績を掲載したり、労働問題に関するコラムを掲載したりしているので、弁護士を探す際の手がかりにしましょう。

労働者側の実績が豊富な弁護士を選ぶ

労働問題は企業側と労働者側があります。

労働問題に強い弁護士を選ぶ際の注意点として、労働者側の実績が豊富な弁護士を選びましょう。

たとえば、不当解雇について争う場合は、企業側の弁護士は、企業が実施した解雇は法的に問題がなく、正当なものであることを主張するのが仕事です。

一方、労働者側の弁護士は、企業が実施した解雇は法的に問題があり、不当解雇であることを主張します。

このように、同じ労働問題であっても、企業側に立つか労働者側に立つかによって、弁護士の業務は大きく異なるのが特徴です。

企業の側での実績が豊富な弁護士であっても、労働者側としての実績は必ずしも豊富ではありません。

また、弁護士によっては労働者側としての労働問題の依頼は受けない場合があります。

そのため、労働問題について相談する場合は、労働者の側での実績が豊富な弁護士を選ぶことが重要です。

無料法律相談を活用する

不当解雇かどうか確証がないので、相談すること自体が不安という場合は、無料法律相談を活用する方法があります。

自分としては不当解雇されたように感じるものの、本当に不当な解雇かどうかは確証がない、という場合があるでしょう。

不当解雇かどうか確証がない場合、弁護士に相談すると費用がかかったうえに、結局不当な解雇ではないと言われてしまうか心配になるのも無理からぬことです。

そんなときは、無料法律相談を利用するのがおすすめ。

弁護士事務所によっては、「労働問題に関する初回相談は60分無料」などの無料法律相談のサービスを実施していることがあるからです。

無料相談を利用すれば、不当解雇の可能性があるかどうかを無料で弁護士に判断してもらえます。

仮に不当解雇の可能性は低いと言われたとしても、無料なので費用はかかりませんし、次の仕事や生活に向けてスッキリした気分になれる可能性も。

相談した結果、不当解雇の可能性があると言われれば、弁護士に解決を依頼するかどうかを検討する機会を得られます。

また、どの弁護士に相談すればいいかよくわからない場合には、無料相談を利用して複数の弁護士事務所に相談すれば、自分と相性が良さそうな弁護士を見つける手がかりにすることも可能です。

不当解雇を弁護士に相談するメリット

不当解雇について自分だけで会社と争うよりも、弁護士に相談したほうが良いメリットについて解説します。

不当解雇を撤回してもらいやすくなる

弁護士に依頼すると、自分だけで会社と交渉するよりも不当解雇を撤回してもらいやすくなることが期待できます。

一般に労働者は会社に比べると弱い立場なので、自分だけで不当解雇だと主張しても相手にしてもらえない場合が少なくありません。

この点、弁護士であれば適切な法的主張に基づいて会社と交渉できるので、相手が危機を感じて解雇の撤回に応じる可能性を期待できます。

また、弁護士に交渉を依頼することで、自分で会社と交渉しなければならない時間的・精神的負担を軽減するメリットも。

不当解雇を争うための手続きを任せられる

交渉をしても会社が不当解雇の撤回に応じない場合は、労働審判や裁判などの法的な手続きを検討する必要がありますが、弁護士はこれらの手続きに一貫して対応することができます。

自分で「不当解雇を撤回しないなら裁判を起こす」と会社に主張しても本気にしない可能性がありますが、弁護士が法的な手続きの可能性を主張すれば説得力があります。

実際に裁判の手続きになった場合、適切な法的主張や証拠集めなどが必要になってきますが、弁護士はこれらを迅速かつ適切に処理することが可能です。

不当解雇以外も請求できる可能性がある

弁護士に依頼すると不当解雇について争うだけでなく、未払いの賃金などについても請求できる可能性があります。

たとえば、不当解雇される前に残業代の未払いがあった場合は、弁護士に相談すると未払いの残業代についてあわせて請求することが可能です。

また、パワハラやセクハラなど、不当解雇に至る原因として各種ハラスメントがあった場合は、慰謝料請求も検討できます。

まとめ

不当解雇について自力で争っても会社が相手にしない可能性がありますが、弁護士に依頼すると不当解雇の撤回を期待しやすくなります。

弁護士に依頼する場合、相談料や着手金などの費用が一般に発生しますが、弁護士によっては初期費用をかけずに成功報酬に含めるサービスを実施している場合があるのがポイントです。

特に、初回の法律相談が無料になるサービスを利用すれば、不当解雇について相談費用を気にせずに気軽に相談できます。

不当解雇についてお悩みの場合は、まずは弁護士に相談してみましょう。

監修者


みんなのユニオン

執行委員岡野武志

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みんなのユニオンの執行委員を務める岡野武志です。当ユニオンのミッションは、法令遵守の観点から、①労働者の権利の擁護、②企業の社会的責任の履行、③日本経済の生産性の向上の三方良しを実現することです。国内企業の職場環境を良くして、日本経済に元気を吹き込むために、執行部一丸となって日々業務に取り組んでいます。