会社を解雇されたら何をする必要がある? まずは本当に解雇かを確認

20190308162325 5aa1d2491e711b9fa8701ba17a5f1786ede4f0a5

長年勤めていた会社から「会社を辞めてもらったから」と言われたら、力が抜けてしまって、次にどうすればいいかわからなくなってしまうのも無理はありません。

しかし、解雇されたと思った場合は、そのまま受け入れるのではなく、まずは本当に解雇されたかどうかを確認することが重要です。

解雇されたと判明したら、新しい生活をスムーズに進めるために失業給付金の申請や、保険や年金の手続きを早めに済ませることも大切。

そこで今回は、会社を解雇された場合に重要な確認や手続きについて解説します。

まずは本当に解雇かを確認

会社に解雇されたと思ったら、まずは本当に解雇されたかどうかを確認しましょう。

「どうせクビになったのに、今さら解雇されたことを確認しても仕方ない」と思われるかもしれません。

しかし、解雇だと思っても実は解雇ではない場合があるので、要確認です。

解雇ではなく退職の場合がある

自分では解雇されたと思っていても、実は解雇ではなく、退職として扱われている場合があります。

会社を辞めたのだから、解雇でも退職でも同じだと思われるかもしれませんが、解雇と退職には大きな違いがあるのです。

解雇とは会社に強制的に辞めさせられることですが、退職は自分の意思で会社を辞めることです。

解雇の場合は、自分の意思とは関係なく会社を辞めさせられたので、不当に会社を辞めさせられた場合に不当解雇であるとして、解雇の有効性を裁判などで争うことができます。

一方、辞職の場合は会社に辞めさせられたのではなく、あくまで自分の意思で会社を退職したという扱いになってしまいます。

そのため、会社を辞めた理由が本当に解雇かどうか、退職扱いになっていないかどうかは、確認すべき重要な事項です。

解雇ではなく退職扱いになるケース

会社から「仕事を辞めてくれ」と言われた場合に、解雇されたものと勘違いして、退職する旨が記載された書類に署名捺印してしまうケースがあります。

ところが、仕事を辞めてくれと言われたとしても、それが解雇の意思を伝えるものではなく、退職勧奨の可能性があるのです。

退職勧奨とは、会社が社員に退職するようにお願いすることです。

退職するかどうかは社員の意思次第であり、退職勧奨に同意しなければ会社を辞める必要はありません。

ところが、退職勧奨に同意して退職届を作成してしまうと、客観的には解雇ではなく、自分の意思で退職した状態が成立してしまいます。

退職届に同意して退職した場合、会社が強迫や欺罔などの行為をしていない限り、退職は無効であるとして裁判などで争うのは非常に難しくなるので、注意しましょう。

解雇かどうかを確認する方法

会社を辞めた理由が解雇かどうかを確認するには、会社に退職証明書を請求する方法があります。

退職証明書とは、労働者の退職に関する情報が記載された書面です。

労働者が退職証明書を請求した場合、会社は退職証明書を遅滞なく発行しなければならない義務があるので、会社が発行を拒否することはできません(労働基準法22条1項)。

ただし、会社の側から率先して発行しなければならない義務はないので、会社が退職証明書を発行しない場合は、労働者の側から請求する必要があります。

退職証明書には使用期間、業務の種類、事業における地位、賃金、退職の理由などが記載されています。

退職証明書の記載事項のうち「退職の理由」を参照すれば、自分が会社から解雇されたのか、自分の意思で退職したことになっているのかの確認が可能です。

解雇の種類を明らかにしよう

自分の意思で退職した扱いになっているのではなく、解雇であることが確認できたら、次はなぜ解雇されたのかを明らかにしましょう。

解雇には様々な種類があるので、解雇の種類を確定することが重要です。

解雇の種類によって、不当解雇として裁判などで争う場合に主張する要素や、集めるべき証拠などが変わってくる場合があります。

解雇には様々な種類がある

解雇とは会社が強制的に社員を辞めさせることですが、一口に解雇と言っても、様々な種類があります。

普通解雇、懲戒解雇、整理解雇などがあるので確認していきましょう。

普通解雇とは

普通解雇とは、雇用契約として定めた事項に労働者が違反した場合に、債務不履行としてその労働者を解雇することです。

普通解雇に該当する事由は、一般に就業規則などに定められています。

代表的な普通解雇の事由として、以下のものがあります。

  • 労働能力の低下:傷病などによって労働能力が低下し、業務に耐えられない場合
  • 成績不良:業務の遂行に要求される能力や成績が不足していること
  • 勤怠不良:無断欠勤や遅刻・早退が多い、勤務態度が悪いなど
  • 規律違反:業務の指示・命令に従わない、配転や出向の命令に背くなど

普通解雇について争う場合は、そのような事由が存在しないことを主張するために、自分がどのような事由で会社に解雇されたのかを把握することが重要です。

普通解雇の場合、解雇の1ヶ月前までに解雇する旨を労働者に通知する解雇予告通知や、予告せずに解雇する場合の解雇予告手当の支払いなどが必要になります(労働基準法20条1項)。

また、普通解雇の場合は退職金が通常通りに支払われるのが一般的です。

懲戒解雇とは

懲戒解雇とは、労働者が会社に多大な損害を与えたり、会社の秩序を著しく乱したりしたような場合に、労働者に対する制裁として行われる解雇です。

会社が懲戒解雇をするには、就業規則に懲戒事由が記載されている必要があります。また、懲戒事由が記載されていても、懲戒解雇が認められるかどうかは裁判において慎重に判断されます。

一般に懲戒事由になりうるものとしては、重大な刑事事件を引き起こした場合や、悪質なハラスメント行為があった場合などです。

懲戒解雇の場合、普通解雇とは異なり、解雇予告手当が支払われない可能性があります。また、懲戒解雇は就業規則などの規定によって、退職金が減額や不支給になる場合もあります。

整理解雇とは

整理解雇とは、会社の都合で労働者を解雇することで、一般にリストラと呼ばれます。

普通解雇と懲戒解雇は社員の何らかの行為を理由に解雇するのに対し、整理解雇は社員が通常通りに勤務している場合でも、会社の都合で解雇する点で異なります。

一般に整理解雇が行われる理由は、会社の倒産、業績悪化により人件費を削減する必要が発生したため、事業所を閉鎖したため、などです。

整理解雇は社員がどのような行為をしたかに関係なく、会社側の都合で行われます。そのため、整理解雇が認められるかどうかは厳格に判断されます。

解雇の必要性があるか,解雇を回避する努力があったか、解雇の選抜方法は適切か、解雇を行うにあたって適切な手続きが行われたかなどが主な判断要素です。

失業給付金の手続きをする

会社を解雇されたら、次の就職までの収入を確保するために、失業給付金の申請をしましょう。

失業給付金(失業手当)とは、解雇などによって会社を辞めてから、次の就職が決まるまでの状態を支援するために、国から給付金が支給される制度です。

失業給付金には条件がある

失業給付金は、会社を辞めれば誰でももらえるわけではありません。

失業給付金を受給するには会社を辞めるだけではなく、以下の2つの条件を満たすことが必要です。

  • 離職日から遡って2年の間に、通算で12ヶ月以上雇用保険に加入していること(原則として)
  • ハローワークで求職の申し込みをし、求人に応募したり面接を受けたりするなど、積極的に再就職の活動をしていること

たとえば、会社を解雇されたとしても、ハローワークに求職の申し込みをして就職活動をしなければ、失業給付金は受給できません。

失業給付金はあくまで再就職を支援するための制度であり、単に解雇されただけでは給付の対象にならないからです。

失業給付金の申請には離職票が必要

失業給付金の申請をするには、会社を辞めたことを証明するための書面である、離職票をハローワークに提出する必要があります。

離職票とは略称であり、正式名称は「雇用保険被保険者離職票」です。

離職票は以下の2種類があり、失業給付金を受けるには両方とも必要です。

  • 離職票-1:氏名、生年月日、離職した日付などが記載されている
  • 離職票-2:辞めた会社の名称、所在地、離職した理由、賃金の支払い状況などが記載されている

離職票は会社を辞めたあとに送付されるのが一般的ですが、会社が発行してくれない場合は、管轄のハローワークに相談すれば会社に対して発行を促してくれます。

健康保険と年金の手続きをする

会社を解雇されたら、健康保険と年金の手続きを忘れずに済ませておきましょう。

健康保険の手続きをする

会社を解雇された場合、健康保険をどうするかは以下の3種類の方法があります。

1:社会保険をそのまま任意継続する

退職日から20日以内であり、かつ退職する前に2ヶ月以上継続して社会保険に加入していた場合は、会社を解雇された後も、原則として社会保険を継続することができます。

20日を経過すると継続できなくなるので、加入し続けたい場合は早めに手続きを済ませておきましょう。

2:家族の健康保険の扶養に入る

一定の場合には、配偶者などの家族が加入している健康保険の被扶養者になることができます。

詳細は家族が加入している健康保険の条件を確認しましょう。

3:国保に切り替える

社会保険を継続せず、かつ家族の健康保険の扶養にも入らない場合は、居住地を管轄する市区町村で手続きをして、国保(国民健康保険)に加入することになります。

年金の手続きをする

会社を会社を解雇された場合は、それまでの厚生年金から以下のいずれかに変更する手続きが必要です。

1:家族の年金の被扶養者になる

一定の場合は、自分で年金に加入しなくても家族の年金の被扶養者になることができます。詳細は家族の年金を確認しておきましょう。

2:国民年金に加入する

家族の年金の扶養に入らない場合は、居住地を管轄する市区町村で手続きをして、自分で国民年金に加入することになります。

まとめ

会社を解雇された場合は、会社に退職証明書を請求して、本当に解雇されたのか、自己都合の退職扱いになっていないかを確認しましょう。

解雇だと判明したら、次は解雇の種類を確認しましょう。解雇の種類は普通解雇、懲戒解雇、整理解雇があり、それぞれ解雇の理由が異なります。

解雇された後の手続きとしては、失業給付金の申請や、保険や年金の手続きなどが重要です。期間制限がある場合があるので、早めに手続きを済ませておきましょう。

監修者


みんなのユニオン

執行委員岡野武志

詳しくはこちら

みんなのユニオンの執行委員を務める岡野武志です。当ユニオンのミッションは、法令遵守の観点から、①労働者の権利の擁護、②企業の社会的責任の履行、③日本経済の生産性の向上の三方良しを実現することです。国内企業の職場環境を良くして、日本経済に元気を吹き込むために、執行部一丸となって日々業務に取り組んでいます。

不当解雇お悩み解決!
全国24時間無料相談
0120-482-911