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セクハラは会社も訴えることが可能?セクハラ訴訟の法的根拠と争点

更新日:

監修者:みんなのユニオン 執行委員
岡野武志

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会社の上司から、セクハラを受けていて辛くて仕事を辞めるハメになってしまった。
辞めるまではいかなくても、辛くて仕事に支障をきたしている。

このような悪質なセクハラは、セクハラ加害者を裁判で訴えることが可能です。
また、会社も訴えることができます。

この記事では、セクハラの定義や裁判でセクハラ加害者や会社を訴える事ができる法的根拠、裁判で争点になるポイントについて解説していきます。

セクハラとはなにか

セクハラ行為がどういったものかなんとなくはわかる。しかし、具体的にはどのような行為がセクハラに該当するのかわからない…。

そういう方もいると思いますので、まずはセクハラの定義を確認しましょう。

セクハラとは

セクハラとは、「セクシャルハラスメント」の略で「相手の意に反する性的言動によって、個人または会社全体に不利益や不快感を与えること」を意味しています。

ここでいう「意に反する」とは、明確な拒否をした場合だけでなく、何かしらの振る舞いで拒否を示そうとしていたり、内心は不快と思いながらも拒否できなかった場合も含まれているとされます(最高裁平成27年2月26日)。

セクハラは、一般的に環境型のセクハラと対価型のセクハラに分類されます。
それぞれ、どういった定義なのか具体例を交えて確認しましょう。

環境型のセクハラ

環境型セクハラとは、職場での性的な言動によって労働者を不快にさせ、仕事をする環境に悪影響を及ぼすことをいいます。

環境型セクハラは、セクハラの加害者が「セクハラをしているという意識がない」こともあります。

対価型のセクハラ

対価型セクハラとは、労働者の意に反する性的言動に対して労働者が拒否したり抵抗したときに、その労働者に対して不利益な取り扱いをすることをいいます。

不利益な取り扱いとは、解雇、減給、降格、懲戒、客観的にみて不利益な配置変更などが挙げられます。

環境型セクハラと異なるのは、職場の地位や権力を利用して「意図的」に行われる点です。

セクハラを訴えることができる法的根拠はなにか

セクハラには環境型セクハラと対価型セクハラがあることがわかりました。では、セクハラは何を法的根拠として訴訟できるのでしょうか。

もし、法的根拠がなければ訴訟をしても不当訴訟になってしまいます。セクハラを訴える際の法的根拠を確認しましょう。

セクハラ加害者本人を訴えることができる法的根拠

セクハラの加害者本人を訴えることができる法的根拠は、セクハラ加害者は不法行為責任を負うからです。
不法行為とは?

不法行為とは、法に反する行為によって他人の権利を侵害することをいいます(民法709条)。
また、不法行為によって損じた損害は、損害賠償請求が可能です(同条)。

セクハラは、被害者の意に反する性的言動によって被害者の人格権を侵害する行為ですので、セクハラ加害者の不法行為に基づく損害賠償請求ができます。

また、行為態様によっては強制わいせつ罪など刑事責任を問われる可能性もあります。

会社を訴えることができる法的根拠

会社を訴えることができる法的根拠は、会社は使用者責任(民法第715条)を負うからです。
使用者責任とは?

使用者責任とは、従業員が勤務中に第三者に対して損害を加えた場合は、会社はその損害を賠償しなくてはならないという会社の責任のことをいいます。

そのため、会社へは使用者責任に基づく損害賠償請求が可能です。

さらに、会社には労働者に対するセクハラによって就業環境が害されないよう、セクハラ被害者の相談に応じて適切な措置を行う義務もあります(男女雇用機会均等法第11条1項)。

これによって、セクハラの防止策や事後の対応を適切にとっていなかった場合は職場環境配慮義務違反として、債務不履行(民法第415条)による損害賠償請求もできます。

会社には、この使用者責任と職場環境配慮義務違反を法的根拠として訴えることが可能です。

セクハラの訴訟で争点になる3つのポイント

セクハラ加害者には不法行為責任、会社には使用者責任と職場環境配慮義務違反を法的根拠として訴訟できることがわかりました。

では、実際裁判になったときに、どのような点が争われるのかを確認しましょう。

セクハラの証拠はあるか

セクハラは、証拠の有無が非常に重要になります。

スマホやボイスレコーダーなどでセクハラを受けている会話の録音をしたり、LINEやメールなどでのやりとりがあればスクリーンショットを撮ったりするなどして保管しておくと良いでしょう。

また、日記やブログなども内容に信用性があると認められれば証拠として使えます。
証拠となるものとは?

具体的に、どういった日記やブログが信用性が高いかというと下記の点が記載されているものです。

  • いつ
  • だれから
  • どこで
  • どのようなセクハラをされたか
  • 周りには誰がいたか
  • その時のあなたの気持ち

上記の点を踏まえたブログや日記は、歴とした証拠になり得ます。詳細に記されたブログや日記は、簡単に捏造できないと考えられているからです。ブログの場合は、更新日が記載されるのでその点も良いかと思います。

また、セクハラによる精神的なストレスで医療機関で受診をしている場合は、カルテや診断書をもらいましょう。

第三者がセクハラの事実を証言してくれれば、それも証拠になります。

セクハラが業務に関連して行われたか

会社を相手に使用者責任に基づいて訴訟をする場合は、セクハラが業務に関連して行われたかが重要になります。

たとえば、会社の飲み会は業務の時間外ですが、参加が強制か任意か、また任意であっても出席することが当然といえる状態でしたら業務に関連するといえます。
上司との個人的な飲みは?

また、上司と個人的に飲みに行くような場合でも、上司という立場を利用してセクハラを行ったとみられる場合は業務に関連するといえる可能性があります。

このように、業務とは直接関係ない場合でも、職務関連性・加害者と被害者の立場を考慮して業務に関連するかどうか判断されます。

業務に関連すると判断されれば、会社は使用者責任(民法第715条)を負います。

会社側に職場環境配慮義務違反はあったか

セクハラが業務に関連すると判断されれば、職場環境配慮義務違反による債務不履行責任として損害賠償請求が可能になります。
職場環境配慮義務とは?

会社が行うべき職場環境配慮義務は、「事業主が職場における性的な言動に起因する問題に関して雇用管理上構ずべき措置についての指針」(平成18年厚生労働省告示第615号)にて、以下のとおり規定されています。

・就業規則等に職場におけるセクシャルハラスメントがあってはならない旨の指針の規定

・同様の指針が記載された社内報、パンフレット等の配布

・セクシャルハラスメント防止のための研修、講習等の実施

・相談窓口の設置

・事実関係の迅速かつ正確な確認体制の整備

・被害者と行為者との間の関係改善に向けての援助

・適切な配置転換

・被害者のメンタルヘルス不調への相談対応

・相談者、行為者等のプライバシーの保護等

上記の措置を会社がきちんと取れているか確認することが、会社を職場環境配慮義務違反で訴訟する際には重要です。

セクハラ訴訟で弁護士にかかる費用は?

セクハラで訴える際は本人訴訟も可能です。しかし、手続きの複雑さや相手方も弁護士を立てることがほとんどだということを考慮すると、現実的にはこちらも弁護士に依頼することになるでしょう。

また、セクハラに対しての損害賠償(慰謝料)請求の額もケースバイケースになるので、やはり弁護士に相談して決めるのがベターです。

「弁護士の費用は一体いくらかかるのだろうか」と不安になる方もいると思います。
そこで、セクハラ訴訟の際、弁護士にかかる費用についてここで確認しましょう。

最初の相談は無料のところが多い

まず、弁護士の法律相談は、初回は無料で行っているところも多いです。

そこで、初回相談ではセクハラが成立するかの判断や今後どうするかの方向性を最初に相談して、今後の見通しを立てるのが良いと思います。
相談のポイントは?

初回相談時間は1回30分程度のところが多いので、弁護士がセクハラかどうかスムーズに判断できるよう、セクハラの事実をあらかじめ紙に書くなどして時系列順に整理しておくと良いです。

このとき、日記などでセクハラについて記載してあればそれを見てもらうのが良いでしょう。

また、LINEやメール、ボイスメモなどの証拠があればそちらも持参しましょう。

完全成功報酬型のところもある

セクハラ訴訟の弁護士費用は、弁護士事務所によって異なりますが着手金が10万〜30万円、成功報酬が回収した解決金から2〜3割と決められていることが多いです。

また、訴訟費用以外にも裁判所や会社までの交通費、内容証明などの書面作成を弁護士に依頼した場合は別途で料金が発生します。
そのため、予め弁護士に予算を伝えておくことをおすすめします。
完全成功報酬型は?

また、完全成功報酬型を採用している弁護士事務所もあります。
そのような弁護士事務所は、着手金を一切とらないで和解や裁判で勝訴して得られた慰謝料などの解決金から成功報酬をとるため、実質的な負担はかかりません。

ただし、通常の完全成功報酬型ではない弁護士事務所に比べて、解決したときの成果報酬は高めになっている場合が多いので注意が必要です。

監修者


みんなのユニオン

執行委員岡野武志

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みんなのユニオンの執行委員を務める岡野武志です。当ユニオンのミッションは、法令遵守の観点から、①労働者の権利の擁護、②企業の社会的責任の履行、③日本経済の生産性の向上の三方良しを実現することです。国内企業の職場環境を良くして、日本経済に元気を吹き込むために、執行部一丸となって日々業務に取り組んでいます。