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労働契約の更新がされなかった場合の対処方法

更新日:

監修者:みんなのユニオン 執行委員
岡野武志

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一定期間経過後に更新する期限のある労働契約(有期労働契約)を結んでいる場合に、繰り返し更新をされていたのに突然更新されなくなったような場合には何も主張できないのでしょうか。

労働契約の更新には会社は守るべきルールがありますので、きちんとルールにそった更新が行われているかの確認が必要です。

また、契約更新されないのはやむを得ないと思っていても、実は更新できる場合があるのをご存知でしょうか。

この記事では、有期労働契約の更新についてのルールと、雇止めが不可能なケース、雇止めに対する対応方法についてお伝えします。

期限のある労働契約の更新について会社が守るべきルール

まず、労働契約を更新しないことが法律の規定として違法といえないのか、期限のある労働契約の更新に関するルールについて確認しましょう。

有期労働契約締結時に更新の有無を明示する義務

会社には有期労働契約締結時に更新があるのかどうかを明示しなければならない義務が課されています。

これに応じて雇用条件通知書には、

  • 自動的に更新する
  • 更新する場合がある
  • 更新しない

といった記載がされています。

更新しないとされている場合には、更新を主張することもできませんので注意が必要です。

「有期労働契約を更新する場合がある」と明示したならば判断基準を明示する義務

有期労働契約を更新する場合があると明示している場合には、どのような基準で更新するのかを明示しなければなりません。

労働者としてもその仕事を続けるべきか、続ける場合にはどうがんばって評価されれば良いかがわからないということになります。

また、業務が減ってきており契約が打ち切られる可能性がある場合には事前に次の仕事を探す準備をする必要があります。

そのため、更新をすることが会社の判断に委ねられているような場合には、その判断基準を明示していなくてはならないとされています。

判断基準が変わった場合には速やかにその内容を明示する

どのような場合に有期雇用契約の更新の有無や、更新をするかどうかの判断基準は変化する可能性があります。

その場合には、従来の条件で雇用している労働者に対してきちんと明示する義務があります。

雇止めをする場合には契約期間満了30日前に予告をする

契約更新をしないことを「雇止め」と言います。

有期労働契約を結んでいる人のうち、次に掲げる人の雇止めをする場合には、契約期間満了少なくとも30日前に予告をする義務があります。

  • 労働契約を3回以上更新をしている場合
  • 1年以下の労働契約が更新されていて、最初の雇用から1年を経過している場合
  • 1年以上の期間を定めて労働契約を締結している場合

1年を超える長期間の雇用となっている場合には、雇止めによる影響が大きいため、話し合いの期間を設ける・次の仕事への準備を始めるなどの趣旨から、このような期間を定めています。

雇止めの予告をするときには理由を明示する義務

雇止めの予告をする場合に、労働者から雇止めの理由についての証明書の交付を要求された場合には、遅滞なく交付しなければなりません

雇止めをする原因を明らかにして、トラブルになることを回避しようとしたものです。

通算5年を超えた場合には期限の定めのない労働契約に転換

有期労働契約が更新され通算5年を超えた場合に、労働者が使用者に申し込みをすれば、期間の定めのない労働契約に転換するというルールが、平成25年4月1日以降に開始した有期労働契約について適用されます。

一定の場合には雇止めをしようとしても同一の労働条件で承諾したものとみなされる

次の2つのケースに該当し、雇止めをする際に合理的な理由を欠いて社会通念上相当であると認められないような場合には、同一の労働条件で申し込みを承諾したものとみなされることになります。

  • 有期労働契約が反復して更新しているため、期限の定めのない労働契約と実質的に異ならない状態になっている場合
  • 有期労働契約の期間満了後に雇用継続がされることについて、合理的期待があると認められる場合

言い回しが難しいのですが、雇用契約の更新を反復するのが当たり前になっており、期間の定めのない労働契約と同様になっているような場合には、雇止めが認められず、従来どおりの契約が続くという判断がされることになります。

これは、今では労働契約法19条に規定されている内容なのですが、かつては判例によって認められていたため「雇止め法理」とも呼ばれていたものです。

期限の定めのない労働契約を結んでいる人について解雇をするにあたっての厳しい規制があるのと同様に、有期の労働契約を結んでいる人についても形式的に雇止めをできるようになっていても、実質的に期限の定めのない労働契約と同様の状態になっている場合には保護をしようとしたものです。

労働者としては合理的な理由がなければ雇止めをされないことを主張できるのですが、合理的な理由があるかどうかは、業務の性質や、更新回数・契約更新の態様などの総合的な判断に委ねられます。

会社が雇止めを行った場合の対応方法

以上のように、有期の労働契約についての雇止めについてのルールがあるのですが、会社がこのルールを無視して雇止めを行ってきた場合にはどのような対応方法があるのでしょうか。

雇止めは認められないと主張して労働者の地位を確認する

まず雇止めが認められる状況ではないと主張して、労働者であることを認めてもらうように会社に交渉をします。

交渉で解決しない場合には、労働審判・裁判を利用することあります。

労働者と認められる期間についての給与の請求をする

会社としては雇止めを主張して、労働契約が終わったとする部分については、給与の支払いをしません。

しかし、雇止めが認められない場合は、客観的には労働契約が更新されていたと評価されます。したがって、給与の支払い義務もあることになります。

そのため、労働者としての地位を確認するのと併せて、給与の支払いを請求することが可能です。

争っている期間については実際には労働をしているわけではありませんが、これは会社の責めに帰せられるものですので、給与の支払いには問題ありません。

交渉の結果示談金を受け取ることも検討

以上は形式的な結論ですが、交渉や労働審判・裁判をしてまで会社に戻るというのは気が引けるということもあるのではないでしょうか。

労働者としての地位を確認したりその間の給与の受け取りを交渉材料として、会社と示談をして損害賠償金を受け取って解決をする方法も検討すべきことになります。

まとめ

このページでは、有期労働契約の更新についてのルールや、更新されない場合についての対応方法についてお伝えしてきました。

有期労働契約の更新についてはルールがあり、きちんと守らない場合には更新の拒絶である雇止めの効力がなくなる場合があります。

その判断はケースバイケースになりますので、自分の場合にはどうなるのか?ということについては、弁護士に相談をすることをお勧めします。

監修者


みんなのユニオン

執行委員岡野武志

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みんなのユニオンの執行委員を務める岡野武志です。当ユニオンのミッションは、法令遵守の観点から、①労働者の権利の擁護、②企業の社会的責任の履行、③日本経済の生産性の向上の三方良しを実現することです。国内企業の職場環境を良くして、日本経済に元気を吹き込むために、執行部一丸となって日々業務に取り組んでいます。