拒否できる違法な雇い止めとは?契約社員必見の対策と相談窓口3選

02 0918

2020年10月1日以降の自己都合退職者は、失業手当の給付制限期間が短縮される変更があります。

毎日一生懸命働いていたのに、雇い止めを宣告されたら、どうしますか?
できれば働きたい。もっと言うと、正社員登用されたい。

そのために、雇い止めを拒否したいですよね。
拒否する方法を2つご紹介します。

雇い止めを拒否するには、勤続年数が①5年以上の場合、②5年未満の場合で対応方法が異なります。この記事では、雇い止め対策、相談窓口、勤続年数に応じた対応方法を解説しています。ご自分の状況を確認し、適切な対応をしていきましょう。

契約社員が拒否できる違法・不当な雇い止めとは?

契約社員が雇い止めを拒否できる方法は、労働契約法16条から19条に定められています。
その内容は
①勤続年数が5年以上
②勤続年数が5年未満
それぞれの場合で、対応方法が記されています。
詳しく解説していきます。

雇い止めの意味とは?解雇との違いは?

雇い止めとは、有期雇用社員の雇用期間の満了をもって、会社が契約を更新せず終了させることをいいます。これに対して、解雇とは、雇用期間の途中で、会社が一方的に契約を終了させることをいいます。両者は、契約期間の途中での終了か(解雇)、満了での終了か(雇い止め)という点で異なります。
適用される法律は?

法律的には、雇い止めの場合は、労働契約法18条(無期雇用転換権)や19条(雇い止めの制限、契約期間の自動更新)が適用されることになります。これに対して、解雇の場合は、労働契約法16条(解雇権が濫用された場合)や17条(契約期間途中での解雇の場合)が適用されることになります。

無期転換する5年ルール違反の雇い止め

契約社員を無期転換する5年ルールとは、有期雇用契約を1回以上更新された契約社員は、入社からの勤続年数が5年を超えた場合、自分の雇用契約を有期雇用契約から無期雇用契約に会社に通知するだけで変更することができる、というルールのことです。労働契約法18条によって定められています。
ルール違反されたら?

5年ルール違反の雇い止めは、拒否することができます。労働契約法18条に定められた無期雇用転換権は、労働者側で一方的に行使することができる権利です。同条18条に定められた条件を満たす以上、無期雇用転換権の行使によって、雇用契約は有期から無期へと自動的に変更されることになります。

契約5年未満での正当な理由なき雇い止め

契約5年未満でも、雇い止めを拒否できるケースが2パターンあります。一つは、有期雇用契約が過去に反復して更新されている場合です。もう一つは、有期雇用契約が更新されると合理的な理由にもとづいて期待できる場合です。有期雇用契約の雇い止め拒否については、労働契約法19条に定められています。
パターンの詳細は?

[パターン1]
当該有期労働契約が過去に反復して更新されたことがあるものであって、その契約期間の満了時に当該有期労働契約を更新しないことにより当該有期労働契約を終了させることが、期間の定めのない労働契約を締結している労働者に解雇の意思表示をすることにより当該期間の定めのない労働契約を終了させることと社会通念上同視できると認められること。

[パターン2]
当該労働者において当該有期労働契約の契約期間の満了時に当該有期労働契約が更新されるものと期待することについて合理的な理由があるものであると認められること。

この場合、雇い止めを受けそうな契約社員は、「有期労働契約の更新の申込み」を行うことで、また雇い止めを受けた契約社員は、「契約期間の満了後遅滞なく有期労働契約の締結の申込み」を行うことで、会社との間に当該有期雇用契約の更新・成立が擬制されるため、雇い止めを拒否することができます。

泣き寝入り前に必見の契約社員の雇い止め対策3選

違法な雇い止めが分かりましたが、会社から無理やり雇い止めをされることもあります。
その場合、泣き寝入りするのではなく、きちんと対策しましょう。

その対策方法を、
①失業保険
②和解金
③復職
この3点から解説していきます。

会社都合退職の証明書で失業保険を受け取る

雇い止めで失業保険を多く受け取るには、離職票に書かれた離職理由が重要です。会社の倒産等によって雇い止めにされた場合は「特定受給資格者」として、契約期間満了時の更新を希望したが拒否された場合は「特定理由離職者」として給付金(基本手当)の給付日数が多めに設定されています。
離職理由に納得いかない!

なお、離職票に書かれた離職理由に納得がいかない場合は、みんなのユニオンまでご相談ください。ユニオンから団体交渉を行うことで、離職票に書かれた離職理由を訂正してもらえるケースも少なくありません。離職理由は、失業保険の金額に影響してくるため、正しく記載してもらう必要があります。

損害賠償・慰謝料請求をして和解金を得る

違法な雇い止めは、労働契約法18条・19条に違反し、無効です。その場合、会社と従業員との間には、有効な雇用契約が継続していることになります。明らかに法令に違反する悪質な雇い止めが行われた場合は、慰謝料を含む解決金として、当該従業員の年収程度の金額が認められることもあります。
解決金の計算方法は?

雇い止めの損害賠償・慰謝料・解決金の金額は、月額の基本給を基準に、入社日からの在籍期間や雇い止めの悪質性などを総合的に検討して決められます。雇い止めが無効な場合でも、職場復帰が気まずくて実質的に困難な場合は、早期退職手当を解決金に含めて、金銭的に解決されるケースもあります。

違法・不当な雇い止めの無効を認めさせる

違法な雇い止めが行われた場合は、雇い止めの無効を主張して、復職を求めることができます。復職の方法としては、①労働契約法18条違反を主張して無期雇用転換を前提とした復職を求めること、②同法19条違反を主張して引き続きの有期雇用契約継続を前提とした復職を求めること、が可能です。
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契約期間が1回以上更新され、通算5年を超えて会社に在職しており、労働契約法18条の無期雇用転換権を行使した場合は、雇用期間が文字どおり「無期」に変更されます。無期雇用転換権は、形成権(けいせいけん)といって、従業員側が会社に対して一方的に行使することができる強力な権利です。

労働契約法19条によって雇い止めの無効を主張したい場合は、契約期間満了の前に会社に対して更新の意思を伝えるか、契約期間満了の直後に遅滞なく会社に対して新雇用契約の申し込みを行う必要があります。いずれも、後日の水掛け論を防止する観点から、内容証明郵便で書面で通知するのが好ましいです。

雇い止めにあったら行くべき無料相談窓口3選

雇い止めを拒否しても聞き入れてもらえなかった場合は、労働問題の無料相談窓口へ行くといいでしょう。

おすすめするのがこちらの3つの相談窓口です。
①労働基準監督署
②弁護士
③労働組合

不当な雇い止め回避のため、それぞれのメリットをご紹介します。

完全無料の労働基準監督署

その前に、総合労働相談コーナーをおすすめします。こちらは、労働基準監督署や各都道府県の労働局に設置されていて、全国に380か所あります。①対面のみならず電話相談もできる②雇い止めだけでなく全労働問題の無料相談ができる③国・自治体運営で安心できる、とても便利な相談先です。
労基署の窓口は?

労基署は労働基準法に反する疑いがある場合、行政指導ができる部署に取り次いでくれます。個人情報保護にも厚いので安心して利用しやすい相談先です。ただ、行政指導を超えて深く関与してもらうことは難しく、雇い止め拒否の交渉まで頼むことはできません。解決しない場合、他の手段も検討しましょう。

労働審判・裁判で訴えるとき役立つ弁護士

雇い止めを弁護士に相談するメリットは、労働審判や民事裁判を前提とした、専門的な回答を得られる点です。弁護士は、代理人として労働審判や民事裁判に出廷するため、実戦の経験が豊富です。弁護士であれば、雇い止めについても、実戦の経験にもとづいた実際的な法律相談を受けることができます。
もう一つのメリットは?

弁護士のメリットは、なんと言っても、訴訟・裁判の代理権があることです。ユニオンは、裁判の代理人になれません。金銭解決を望まず、雇い止めの不当を争い、将来的に職場復帰したい場合は、弁護士に相談して、民事裁判を利用し、職場内での従業員としての地位の確認を求めるのがよいでしょう。

実は使える労働組合・ユニオン

雇い止めの無料相談窓口としては、みんなのユニオンの電話相談も優良です。みんなのユニオンは日本全国対応の無料オンライン労働組合なので、全国各地から電話して、無料の電話相談を受けることができます。相談後は、異議を申し立て団体交渉に移行することもできるので、解決金獲得までの流れがスムーズです。
雇い止めで多い相談は?

雇い止めの相談で多いのは、会社から雇い止めを通告されたが、それが労働契約法に照らして正しいかどうか分からないという類の相談です。みんなのユニオンであれば、日本全国の労働紛争に対応しているため、その種の相談に対しても、経験に裏打ちされた適切な回答を行うことができます。

監修者


みんなのユニオン

執行委員岡野武志

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みんなのユニオンの執行委員を務める岡野武志です。当ユニオンのミッションは、法令遵守の観点から、①労働者の権利の擁護、②企業の社会的責任の履行、③日本経済の生産性の向上の三方良しを実現することです。国内企業の職場環境を良くして、日本経済に元気を吹き込むために、執行部一丸となって日々業務に取り組んでいます。