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派遣社員の違法な契約終了に注意!妊娠・出産に関わる助成制度を解説

更新日:

監修者:みんなのユニオン 執行委員
岡野武志

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妊娠や出産は当人や配偶者にとって非常に喜ばしい出来事です。

しかし、派遣社員として働いている女性には、妊娠・出産と仕事の関係について不安のある方が多いのではないでしょうか。

妊娠や出産にともなって、どうしても仕事を休まざるを得ない期間が出てきます。

そのため、妊娠すると仕事を続けられなくなるのではないか、と考えてしまう方もいるかもしれません。

そこで今回は、妊娠した場合の派遣契約の取り扱いや、国の助成制度などを解説します。

妊娠と派遣切りの関係|妊娠したら辞めるべき?

派遣社員の身で妊娠した場合、仕事を辞めなければいけないのかと悩んでいる方はいないでしょうか。

また、自分の意思とは無関係に辞めるよう言われた経験のある方もいるかもしれません。

まずは、派遣労働の契約と妊娠の関係について解説します。

妊娠しても派遣労働は続けられる

結論としては、派遣社員が妊娠しても仕事を続けられます。

もちろん、出産前後の時期には休む必要がありますが、妊娠が発覚した時点で辞める必要はありません

身体の状態に問題がなければ、自信をもって働いてよいのです。

派遣契約終了の通告には応じなくてよい

残念なことに、妊娠を報告した後に契約解除の話を持ちかける派遣先企業があります。

しかし、派遣契約を途中で終わらせるには明確な理由が必要です。

法律上、妊娠は契約解除の理由にはなりません

したがって、妊娠のために契約を終了させる行為は無効です。

妊娠を理由に契約更新しないのも違法

派遣会社が妊娠を理由として、解雇や雇用契約の更新を拒否するのも違法です。

労働者の解雇については男女雇用機会均等法第9条4項で以下のように定められています。

妊娠中の女性労働者及び出産後一年を経過しない女性労働者に対してなされた解雇は、無効とする。

男女雇用機会均等法9条第4項

これは正社員だけでなく派遣社員についても同様に適用されるため、妊娠したから契約期間中にクビになるということはありません。

また、妊娠または出産にともない「女性労働者に対して解雇その他不利益な取扱いをしてはならない。」と規定されています(男女雇用機会均等法9条第3項)。

契約更新の拒否は「不利益な取扱い」に該当するため違法と判断されるでしょう。

そのため、他に理由がなければ雇用契約が更新されるべきです。

妊娠したら会社に迷惑をかけないようにやるべきこと

妊娠しても働き続けられるとは言え、定期的な通院が必要になり、体調が不安定になることも考えられます。

できるだけ職場への影響を減らすため、以下のことに注意しましょう。

つわりがひどいならすぐ派遣会社に報告

妊娠していることが分かったら、派遣会社への報告が必要です。

必ずしも急いで報告する必要はなく、身体に問題がなければ安定期に入ってからでもよいでしょう。

ただし、つわりがひどいなど仕事に影響が出るような状態であれば、すぐに報告しなければいけません。

それは、体調に応じて業務を調整してもらう必要があるためです

引き継ぎの準備

業務の引き継ぎは、以下の2点を意識しながら行いましょう。

  1. 出産直前期からの長期休業に入ってからの業務
  2. 長期休業に入る前の業務

1.出産直前期からの長期休業に入ってからの業務

自分が職場からいなくなった後に、後任者が円滑に仕事を進められるようにするために準備します。

2.長期休業に入る前の業務

基本的には自分でやりながらも、通院や一時的な体調不良などで休んだ場合の業務です。

担当業務の進捗を常にまとめておき、休んだ日のうちに終わらせるべきことがあれば、周囲の人に対応してもらえるようにしましょう

辞めるなら1か月前までに連絡

妊娠をきっかけに自主的に辞めるという方もいるはずです。

退職の意志を伝えるタイミングが派遣会社の就業規則に規定されているなら、それにしたがって連絡しましょう。

特に決まりがなければ、退職を希望する日の1か月前までに連絡することをおすすめします。

社会保険制度を活用しよう

妊娠すると心身だけでなく、経済的な不安を感じる方が少なくありません。

派遣社員にも様々な社会保険制度が用意されているので、できるだけ活用するのがおすすめです。

産休・育休を取得する

産休には、出産予定日の6週間前から任意で取得できる産前休暇と、産後8週間まで必ず休まなければならない産後休暇があります。

なお、産前休暇は申請すれば誰でも取得でき、双子以上の場合は14週間前から休める制度です。

また、産後休暇の期間は本人が就業を望んでおり、医師が問題ないと認めた場合は6週間に短縮できます。

育児休暇は、原則として子どもが1歳になるまで取得できる休暇制度です。

育児休暇を取得するには以下の条件を満たす必要があります。

  • 同一の派遣会社に1年以上雇われていること
  • 週の所定勤務日数が3日以上
  • 育休明けに派遣契約が継続する見込みがあること

なお、保育所が見つからないなどの事情がある場合、最大2年の育休期間の延長が可能です。

産休・育にともなう手当をもらう

産休・育休中は給料が出ませんが、以下のような手当を受け取れます。

①出産育児一時金

②出産手当金

③育児休業給付金

①出産育児一時金

出産費用の補助として位置づけられており、1児あたり42万円が支給される手当です。

健康保険に入っていることが条件のため、誰でももらえます。

②出産手当金

産休期間の生活費の補助として支給される手当です。

給与を1日分に換算し、産休期間の日数を掛けた金額の3分の2を受け取れます。

派遣会社の社会保険に加入している必要があるため、誰でももらえるわけではありません。

③育児休業給付金

育休中の生活の補助という位置づけで雇用保険から出る手当です。

受給の条件は2つですが、育休中に働いていれば以下の4つの条件を満たさなければなりません

  1. 雇用保険加入者
  2. 育休開始前の2年間に11日以上就業した月が12か月以上
  3. 育休中の給料が育休前の8割以下(育休中に働いている場合)
  4. 育休中の就業日数が1か月あたり10日以下(同上)

手当額は育休開始後6か月間が育休前の67%、それ以降は50%です。

失業保険給付を受ける

妊娠・出産をきっかけに仕事を辞めた場合は、失業給付を受けるのがおすすめです。

失業手当は退職前の2年間のうち、雇用保険の加入期間が12か月以上ある失業者がもらえます。

原則、失業手当を受け取れる期間は1年と定められており、すぐに就業できる状態になければ受けられません。

しかし、妊娠を理由として退職した場合、申請すれば最長3年の受給期間の延長が可能です。

最長4年まで受給期間を延ばせるので、働ける状態になったら失業手当をもらいながら仕事を探せるでしょう

妊娠を理由に解雇や雇い止めをされそうな時の対応

現実問題として、不当または違法な解雇や雇い止めを横行させる企業があります。

生活を守るためには、自分で行動を起こすしかありません。

それでは、具体的に何をすればよいのか解説します。

派遣会社に相談

派遣先から契約更新を取り止める話があった場合、契約を更新してもらうには派遣会社に相談しましょう。

派遣会社の営業担当に、身体は十分働ける状態にあり働く意思があることをはっきり伝えます。

その上で、派遣先と契約更新の交渉をしてもらうのが一般的な方法です。

派遣会社がすぐに新しい仕事を紹介してくれるようであれば、派遣先の変更も1つの選択肢と言えるでしょう。

労働局に相談

妊娠のための解雇や雇い止めに対しては、労働局の窓口に相談するという方法があります。

労働局の総合労働相談コーナーは解雇や雇い止めを含め、労働に関する相談を幅広く受け付けている窓口です。

解決方法の提案などの情報提供を行っていますが、問題解決を直接行う機関ではありません。

しかし、法律違反の疑いがあると判断されれば、労働基準監督署に取り次いでくれることもあります。

相談料はかからないので気軽に相談してみましょう。

弁護士に相談

解決のための手段として弁護士に相談することも考えられます。

妊娠している時にあれこれと考えてストレスを溜めるのは、本人にとってもお腹にいる子どもにも良くありません。

弁護士に依頼すれば、派遣会社との交渉を代わりに行ってくれます。

訴訟を起こすこととなれば裁判まで依頼できるので、最終手段として検討に値するでしょう。

監修者


みんなのユニオン

執行委員岡野武志

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みんなのユニオンの執行委員を務める岡野武志です。当ユニオンのミッションは、法令遵守の観点から、①労働者の権利の擁護、②企業の社会的責任の履行、③日本経済の生産性の向上の三方良しを実現することです。国内企業の職場環境を良くして、日本経済に元気を吹き込むために、執行部一丸となって日々業務に取り組んでいます。