退職金が未払いの時はどうすればいい?相談先と対処法とは

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監修者:みんなのユニオン 執行委員
岡野武志

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長年勤めた会社を退職する時に、退職金は支払えないと会社から言われてしまった!

円満に退職したくても、本来は貰える退職金を受け取れなかったら不満が残りますよね。

今回の記事では、もらえるはずだった退職金が支払われなかったときの相談先や対処法について解説します。

退職金は必ず支払われるもの?

そもそも退職金は必ず支払われなければいけないのかというと、実はそのような規定はありません。

しかし、会社が退職金を支払う義務が発生するケースが2つあります。

では、どのような場合に会社は退職金を支払う義務が生じるのか確認しましょう。

退職金の法的性質

まず、退職金の性質ですがこちらは一概には決まっておらず、さまざまな性質を持っています。

その中でも、以下の2つ性質を併せ持つケースが通常の退職金としては多くなります。

  1. 労働の対価としての「賃金の後払い的性質」
  2. 長く会社のために働いてもらったことに対する「功労報償的性質」

未払い退職金を請求できる2つのケース

上記の通り、会社が退職金を支払う義務は法律上ありません。

しかし、会社から退職金をもらえる権利が生じるケースが以下の2つあります。

  1. 就業規則などの書面で退職金について明記されている
  2. 労使慣行等で退職金が支払われている

就業規則で退職金について記載した場合は、会社から退職金をもらえる権利が生じます

就業規則に記載しているにもかかわらず、記載されている内容に沿った支払いがされないのは、会社側の債務不履行となります。

また、就業規則には退職金についての記載がない場合であっても、労使慣行等で長年に渡って継続的に退職金が支給されている場合は、会社に退職金の支払い義務が生じると考えられています。

会社が倒産しても退職金は請求できる

会社が倒産してしまった場合でも、退職金の支払いを請求することはできます。

倒産した会社の資産が不足していて、退職金を支払えないときは、「未払賃金立替払制度」という国の救済制度を利用して未払い退職金額(賃金)の原則80%を立て替えてもらえます

ただし、年齢により一定の上限が決められています。

なお、「未払賃金立替払制度」を利用しても足りなかった退職金の残りは、倒産手続における配当などで支払われることになります。

解雇された場合は退職金を請求できない?

就業規則等に退職金について明記されていたり、労使慣行で退職金が支払われているケースでは会社は退職金を支払う義務が生じることがわかりました。

では、解雇された場合は退職金はどうなってしまうのでしょうか。

整理解雇の場合

整理解雇の場合は、希望退職者を増やすために通常の退職金に上増しされた割増し退職金が支払われることが多いので、退職金についてはさほどトラブルになることはないかと思います。

懲戒解雇の場合

退職金についてトラブルが多いのが、こちらの懲戒解雇のケースです。

懲戒解雇の場合は退職金を支払わないと就業規則に記載している会社も多いですが、懲戒解雇だからといって当然に退職金がなくなるわけではありません。

上記の通り、退職金の法的性質は「賃金の後払い的性質」と「功労報償的性質」を併せ持つのが一般的です。

そのため、退職金を支払わないということが認められるのは、労働者のこれまで働いてきた功労に対する評価を全て抹消・減殺させてしまうほどの、著しく信義に反する行為があった場合に限られるとされています。

会社が退職金を支払わないときの対処法

就業規則に退職金について記載されていたり、労使慣行により未払い退職金の請求が可能な場合、どのように未払いの退職金を請求していくのか確認しましょう。

証拠を集める

まずは、会社が退職金を支払う義務がある証拠として、退職金について記載されている就業規則や労働契約書などを用意しましょう。

手元にない場合は、会社に請求すれば会社は就業規則の「周知義務」があるため開示を拒否できません(労働基準法第106条1項)。

労使慣行による退職金の請求をする場合は、他の労働者が退職金を受け取っていた事実がわかるものを用意してください。

また、ご自身が退職金を支給される条件があることを立証するために、給与明細などの勤続年数がわかるものを手元に用意しておきましょう。

内容証明郵便を送る

用意した就業規則や給与明細等を根拠に、未払い退職金の請求を内容証明郵便で送ります

配達証明書付きの内容証明郵便であれば、後々会社からそのような請求書は届いていないと言われることを防げます。

また、内容証明郵便で請求書を送ると、催告の効果があります。

催告をすることによって、時効を6ヶ月間だけ完成を止めることが可能です。

未払い退職金の消滅時効は5年間です。

5年間もあるため、時効が完成されるまで放置するということはあまりないでしょうが、仮に今後裁判にまで発展するとしたら準備に時間がかかりますので、内容証明郵便で催告をしておくのが無難かと思います。

総合労働相談コーナーに相談する

内容証明郵便を送っても会社から支払いがなかった場合は、「総合労働相談コーナー」に相談することも可能です。

総合労働相談コーナーは各都道府県の労働局や全国の労働基準監督署内に設置されていて無料で相談できます。

また、ワンストップでさまざまな労働トラブルに関する相談を受け付けていて、必要に応じて労働基準監督署や労働局、その他機関につないでくれます。

そのなかでも、労働局の「あっせん」という手続きを利用すれば、労働問題の専門家が会社と労働者の仲介に入って話し合いの場を設けることが可能です。

ただし、会社はあっせんには応じる義務があるわけではないので、無視されてしまう可能性もあります。

労働組合に相談する

退職金の未払いに関する相談は労働組合にすることも有効です。

社内に労働組合がなかったり、あっても実質機能していない場合はユニオンと呼ばれる社外労働組合に相談することもできます。

労働組合に相談することのメリットは、会社に対して団体交渉をしてくれる点です。

労働局のあっせんと違い、労働組合の団体交渉を会社は正当な理由なく拒否することができません。

また、使用者が団体交渉に応じたとしても、不誠実に応じることは不当労働行為として禁止されています(労働組合法第7条2号)

そのため、団体交渉は会社側と対等に話しをすることができ、和解につながる可能性も高まります。

ただし、団体交渉をするには組合への加入が必要なので、組合費の有無はしっかりと確認しておきましょう。

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労働審判では、労働者と会社の間に労働審判員が入って調停による解決を目指します

調停とは端的にいえば、話し合いのことです。

労働局のあっせんと異なるのは、労働審判は3回以内の期日で話し合いがまとまらず、解決できない場合は審判が行われる点です。

また、調停での決定や審判内容は、裁判上の和解と同じ効力があり会社側が応じない場合は強制執行できます。

ただし、ここで会社側との話し合いがまとまらずに、出された審判にどちらか一方が納得せず異議を申し立てた場合は、審判内容は失効となり訴訟手続きに発展します。

裁判になりますと、労働審判とは異なり手続きも厳格で、専門的な知識が必要です。

これらを一人で行うとなると、時間も労力も大きくかかります。

労働審判では弁護士に依頼していなかった方も、裁判まで発展したら労働問題に強い弁護士に依頼して対応を任せることをおすすめします。

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執行委員岡野武志

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