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能力不足で解雇はあり?試用期間の場合や注意すべきこと

更新日:

監修者:みんなのユニオン 執行委員
岡野武志

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「上司に呼び出され、能力不足を理由に解雇を伝えられた!」

そんなとき、どのように対処すればよいのでしょうか。

本記事では能力不足による解雇は正当なものなのか、また試用期間においても理由になるのか解説していきます。

そもそも能力不足は解雇理由になるのか?

【能力不足を理由に解雇】

そもそもこれは可能なのでしょうか。

以下で見てみましょう。

能力不足は解雇理由になってしまう!ただ…

能力不足を理由に、労働者が解雇されることはあります。

しかし、能力不足を理由とした解雇は要件が厳しいため、不当解雇になる可能性がとても高いです。

たとえば、単純に営業ノルマの未達成が続いたからという理由では、能力不足解雇とすることはできません。

なぜなら、会社側が労働者を解雇する場合、客観的で合理的な理由が必要になるからです。

単に他の従業員に比べて営業成績が悪く、上司が能力不足と判断しただけでは必ずしも「客観的で合理的な理由がある」とは言えません。

能力不足による解雇が認められる事情とは?

では、客観的な評価以外に、どういった場合に能力不足が「客観的に合理的な理由」として解雇されることが認められるのでしょうか。

具体的には、以下のような要素を総合的に考慮して判断されます。

著しく成績が不良か

他人と比較して相対的に成績が悪いということではなく、就労させること自体がふさわしくないほどに、著しく成績が不良であれば、解雇が認められやすくなります。

労働者本人に改善の見込みがあるか

会社から指導や教育を行ったり、または別部署への配置転換をしても改善の見込みがない場合が該当します。

実際の業務に支障が出ていないか

労働者の能力不足が原因で会社の業務にまで影響している場合、能力不足を理由に解雇となる可能性があります。

そのほか、営業ノルマ自体が正当で現実的なものであるのか、上司からの嫌がらせで能力を発揮する場を与えられていないということがないか、上司の主観なくその労働者がフェアに評価されているのかといった事情も考慮されます。

試用期間中は能力不足で解雇されやすい?

新卒採用・中途採用どちらにおいても、多くの企業で試用期間が設けられています。

試用期間中でも、能力不足を理由に解雇されることはあるのでしょうか。

以下で説明していきます。

そもそも試用期間とは

試用期間とは、本採用されるまえに従業員がその仕事に本当に適しているのか会社側が確認し、結果として本採用の判断をされる期間です。

期間は多くの企業が3ヶ月程度で、長くても1年程とされています。

また、この試用期間については就業規則や雇用契約書への明記が必要です。

試用期間中は簡単に解雇されてしまう?

試用期間ですが、判例によれば「解約権留保付雇用契約」とされ、会社側で一方的に解約できる権利を留保している状態とされます。

それにより、試用期間後の本採用を見送ることができますが、【本採用を見送ること=長期雇用の解雇】と同じ意味です。

そのため、試用期間においても本採用時と同様に労働基準法16条が適用され、本採用しなかった理由が客観的であり、本採用見送りが社会通念上相当でなければいけません

試用期間といえども、会社は解雇権を濫用できるわけではないのです。

試用期間中の能力不足による解雇はほとんどない

試用期間中の能力不足を理由とする解雇は不当といえるケースが多いです。

というのも、新卒や未経験である業種に中途採用された場合、これからスキルを身に着けることを前提に会社側は採用しているはずです。

にも関わらず、能力不足を理由に解雇とするのは客観的な理由とは言えません。

ただし、それ以外の理由において、試用期間に解雇となることは考えられます。

試用期間に解雇となるケースは以下のとおりです。

  • 勤務態度が極めて悪く、社内社外問わずトラブルが発生
  • 会社側が指導したにも関わらず、理由なく繰り返される遅刻や欠勤
  • 経歴に重大な虚偽の事実があったことがわかった場合

これらは、過去の判例において本採用をされずに試用期間で解雇となった理由です。

能力不足で解雇されそうなときにするべきこと

会社側から能力が足りないから解雇と言われてしまったときに、やっておくべきことがあります。

以下で確認しましょう。

就業規則の解雇事由を確認する

就業規則や雇用契約書の解雇事由の項目をチェックしましょう。

厚生労働省が公開する、モデル就業規則の51条には以下のように書かれています。

① 勤務状況が著しく不良で、改善の見込みがなく、労働者としての職責を果たし得ないとき。

② 勤務成績又は業務能率が著しく不良で、向上の見込みがなく、他の職務にも転換できない等就業に適さないとき。

モデル就業規則 51条

上記のような規定が就業規則や雇用契約書に明記されているのか確認しましょう。

これらの規定が自分に当てはまっているのか、どうなのか。

一時的な成績不振だけで判断された解雇は不当解雇といえます。

それまでに、会社側から教育や指導があったのか、または別部署への配属転換があったのか、など思い返してみましょう。

解雇通知書と解雇理由証明書を求める

能力不足で解雇となったとき、以下の2つの書類を会社に請求しましょう。

  1. 解雇予定日と解雇日が書かれた「解雇通知書」
  2. 解雇する理由が具体的に書かれた「解雇理由書」

なぜなら、解雇の事実と理由をしっかりと書面に残しておくことが重要だからです。

たとえば、原則的に30日前に行われる解雇予告は口頭でもよいため、会社側から「解雇通知書」をもらっていないというケースもあります。

いつ解雇予告がされ、解雇日はいつなのか明確にしておきましょう。

また、失業手当をもらうにあたり、会社都合による解雇なのか、自分都合で退職したのかで失業手当の期間が決まります。

あとから退職理由で会社側と争わないためにも、これらの書類は必要になります。

他の従業員と同じように扱われていたか

同じ程度のスキルの従業員がいるにも関わらず、自分だけが能力不足を理由に解雇とされてしまった。

または、自分よりも低い能力の従業員がいるにも関わらず、能力不足で解雇になったなど、業務上での平等な評価をされていたのか確認する必要があります。

もしかしたら、会社側は能力不足を理由としていますが、実際には他の理由による解雇の可能性も考えられます。

たとえば、給与や待遇の改善を求めて会社側に交渉していたことや、上司による部下の好き嫌いによるものなどです。

能力不足を理由とするだけでなく解雇理由全般にいえることですが、本当の理由があるけれども、なにかと理由をつけ解雇に導くというやり方があります。

自分の勤務状況が、解雇をする客観的に合理的な理由に当てはまるのか判断が必要です。

監修者


みんなのユニオン

執行委員岡野武志

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みんなのユニオンの執行委員を務める岡野武志です。当ユニオンのミッションは、法令遵守の観点から、①労働者の権利の擁護、②企業の社会的責任の履行、③日本経済の生産性の向上の三方良しを実現することです。国内企業の職場環境を良くして、日本経済に元気を吹き込むために、執行部一丸となって日々業務に取り組んでいます。