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セクハラ(セクシュアルハラスメント)について、諦めていませんか?
女性にとって、セクハラは大変つらいことです。
ですが、法的にはセクハラの被害者は女性だけとはいえず、男女ともに性的なハラスメントをうければ、セクハラの被害者になります。
このたび「男女雇用機会均等法」の改正と、パワハラ防止法と呼ばれる「労働施策総合推進法」の改正が、ともに2020年6月1日に施行されたことにより、セクハラについてのハラスメント対策が強化されました。
この記事では、改正の詳しい内容について、厚生労働省のハラスメントパンフを主として参考に、解説をしていきます。
セクハラ対策についてよく理解をして、泣き寝入りすることなく立ち向かっていただきたいと思います。
目次
男女雇用機会均等法においては、第11条1項で、事業主に対してセクハラについての防止措置を講じることを義務付けていました。
改正によって、新たに、相談したこと等を理由とする不利益扱いを禁止することと、自社の労働者が他社の労働者にセクハラを行った場合の協力対応が加わりました。(第11条2項、第11条3項)
条文は以下のとおりです。
第二節 事業主の講ずべき措置等(職場における性的な言動に起因する問題に関する雇用管理上の措置等)
第十一条 事業主は、職場において行われる性的な言動に対するその雇用する労働者の対応により当該労働者がその労働条件につき不利益を受け、又は当該性的な言動により当該労働者の就業環境が害されることの内容、当該労働者からの相談に応じ、適切に対応するために必要な体制の整備その他の雇用管理上必要な措置を講じなければならない。
2 事業主は、労働者が前項の相談を行ったこと又は事業主による当該相談への対応に協力した際に事実を述べたことを理由として、当該労働者に対して解雇その他不利益な取り扱いをしてはならない
3 事業主は、他の事業主から当該事業主の講ずる第1項の措置の実施に関し必要な協力を求められた場合には、これに応ずるように努めなければならない。
男女雇用機会均等法第11条
職場におけるセクハラとは、「職場」において行われる、「労働者」の意に反する「性的な言動」に対する労働者の対応により、その労働者が労働条件について不利益を受けたり、「性的な言動」により就業環境が害されることをいいます。
通常就業している場所だけでなく、労働者が業務を遂行する場所であれば「職場」に含まれます。
ですから、出張先や、取引先との打ち合わせ場所(接待も含む)、業務で使用する車の中なども該当します。
正規雇用だけでなく、パートタイムや契約社員などの非正規雇用も含む、事業主が雇用するすべての労働者をさします。
派遣労働者は、派遣元事業主のみならず、派遣先事業主にとっても、自ら雇用する労働者と同じ扱いになります。
などがあります。
などが挙げられます。
また、性的な言動を行う者は、事業主、上司、同僚に限らず、取引先等の他の事業主又はその雇用する労働者、顧客、患者又はその家族、学校における生徒等も含まれます。
具体的に職場におけるセクハラには「対価型」と「環境型」があります。
セクハラを受けた時に、拒否や抵抗をしたことにより、その労働者が解雇、降格、減給、労働契約の更新拒否、昇進や昇格の対象からの除外、客観的に見て不利益な配置転換などの不利益を受けることです。
セクハラを受けたことで、労働者の就業環境が不快なものとなったため、能力の発揮に重大な悪影響が生じるなど、その労働者が就業するうえで看過できない程度の支障が生じることです。
パワハラと同様に、職場におけるセクハラについて防止措置をすることが、2020年6月1日から、事業主の義務(=必ずしなければならないこと)になりました。
中小事業主については当面は努力義務とされていますが、2022年4月1日からは正式に義務化されます。
職場におけるセクハラ防止のために、事業者が必ず講じなければならない措置は、パワハラに対するものと同様、以下のように定められました。
①職場におけるセクハラの内容、方針等の明確化と周知・啓発
②行為者への厳正な対処方針、内容の規定化と周知・啓発
③相談窓口の設置
④相談に対する適切な対応
⑤事実関係の迅速かつ正確な確認
⑥被害者に対する適正な配慮の措置の実施
⑦行為者に対する適正な措置の実施
⑧再発防止措置の実施
⑨当事者等のプライバシー保護のための措置の実施と周知
⑩相談、協力等を理由に不利益な取扱いをされない旨の定めと周知・啓発
セクハラをうけた時は、1人で抱え込まずに、まず記録を取り、相談しましょう。
社内にも相談窓口がありますが、解決しなければ外部の相談窓口もあります。
いつ、どこで、誰が、どんなセクハラをしたのかを記録しておくことで、後に事実確認をするときの証拠になります。
性的な発言などの場合、相手は自分のしていることがセクハラだと気づいていないことも多いため、我慢していても解決は難しいでしょう。
同僚や上司など、周囲の人に相談して協力を得られれば、相手が自分の行為をセクハラだと気づいて、行動をあらためるかもしれません。
事業主は相談を受けて対策をする義務があります。
相手が上司だったりする場合は、社内の相談窓口に相談しましょう。
事業主には相談者のプライバシーを確保するために配慮する義務もありますから、相談したことで不利益になることはありません。
特に、性的な行動を受けた時には、急いで相談することをおすすめします。
社内に相談窓口がない場合や、社内で解決しない場合は、外部の相談窓口に相談できます。
全国の労働局や労働基準監督署にある「総合労働相談コーナー」が、相談窓口になっていて、電話でも相談が可能です。
被害者が女性の場合には、法務省の「女性人権ホットライン」を無料で利用することができます。 女性の人権問題に詳しい法務局職員又は人権擁護委員が相談対応しています。
電話番号 | 0570-070-810 |
受付時間 | 平日 8:30~17:15 |
相談方法 | 電話、インターネット |
外部の窓口に相談しても解決せず、セクハラの内容が、犯罪や民法の不法行為にあたるようなことであれば、労働問題に詳しい弁護士に相談してみることも、解決方法の1つです。
内容によっては「警察に被害届を出す」「相手を告訴をする」「相手に損害賠償(慰謝料)を請求する」ことなどが、可能かもしれません。
みんなのユニオンの執行委員を務める岡野武志です。当ユニオンのミッションは、法令遵守の観点から、①労働者の権利の擁護、②企業の社会的責任の履行、③日本経済の生産性の向上の三方良しを実現することです。国内企業の職場環境を良くして、日本経済に元気を吹き込むために、執行部一丸となって日々業務に取り組んでいます。