セクハラの相談に適した窓口とは?損害賠償を請求する時の流れも解説

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監修者:みんなのユニオン 執行委員
岡野武志

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「セクハラの被害を受けたけど、人に相談する勇気がない…」

「自分に合った相談窓口を知りたいなあ…」

セクハラの相談をする上で、こんなお悩みを抱えてらっしゃいませんか?

セクハラの被害を受けたことを他の人に話すのは抵抗を感じる、という方も少なくありません。

ですが、適切な窓口に相談すれば状況に合わせて必要な対応をとってくれるため、勇気を出して相談してみましょう。

今回は具体的なセクハラの相談窓口から相談前に準備すべきこと、そして損害賠償を請求したい場合の具体的な流れを解説します。

ご自分のケースに合った相談先を確認してみてください。

セクハラの相談窓口にはどんな所がある?

セクハラの被害に関する相談をする際には、どのような窓口を選ぶと良いのでしょうか。

まずは、適切な相談窓口とそれぞれの特徴を見ていきます。

社内のハラスメント相談窓口や人事部

最も身近な相談先は、会社のハラスメント相談窓口や人事部です。

なるべく簡潔に解決させたい場合は、まず社内の窓口を利用するようにしましょう。

事業者には労働者がセクハラによって就業環境を害されたり不利益を受けたりすることが無いよう、必要な措置を講じる義務があるため(男女雇用機会均等法第11条1項)、大抵の場合は相談すれば何らかの対応をとってくれます。

ただし、社内の相談窓口だと会社側が有利になるような対応をされてしまう可能性もないとは言い切れません。

また、会社によっては「雰囲気的に相談しづらい」「相談しても対応してもらえそうにない」というケースもあり得ます。

労働局の雇用環境・均等部や労基署

社内で相談するのが難しい場合は、労働局の相談窓口を利用するという選択肢があります。

労働局は全国47都道府県に設置されており、その中の雇用環境・均等部ではセクハラ被害の相談や今後の対応についてのアドバイスを受けることが可能です。

そして必要と判断されれば、会社に対する是正勧告を行ってもらうこともできます。

これはあくまでも行政指導ですが、もし会社が勧告に応じなければ会社名が公表されることもあるため、一定の効力はあるといえるでしょう。

また、行政機関の相談窓口としては労働基準監督署の総合労働相談コーナーもあります。

ここではセクハラの問題に関する助言や会社に対する指導を行ってもらえるのに加え、「あっせん」という制度を利用してトラブルの解決を図ることが可能です。

あっせんは紛争調整委員会が被害者と会社の間に入って話し合いを促進する制度で、裁判を起こす場合に比べて簡便かつスピーディな解決が望めます。

しかしセクハラの程度が軽い場合、労働局や労基署のような行政機関は十分に対応してくれない可能性もあるため注意しましょう。

NPOや法務省・厚労省管轄の窓口

セクハラのトラブル解決に対応しているNPOにも相談できます。

メールでの相談を受け付けている団体も多く、気軽に利用できるのが利点です。

ただし公的機関ではないので、セクハラ関連の法律について専門的な知識を有していなかったり、個人情報を適切に管理していなかったりする可能性もあります。

より信頼性の高い相談先を選びたければ、国の省庁が管轄している窓口を利用すると良いでしょう。

例としては、法務省管轄でセクハラやDVなどの問題について電話で相談できる「女性の人権ホットライン」、厚労省管轄で職場のハラスメント全般について電話とメールで相談できる「ハラスメント悩み相談室」などがあります。

これらの機関は基本的に相談に対しての助言をもらう窓口ですが、ケースによっては会社への改善勧告を行ってくれます。

また、勧告には法的拘束力がないことや、実際の対応には費用が必要な場合が多いことには留意しておきましょう。

セクハラの相談をする前にやっておくべきこと

ここまでセクハラの相談窓口を確認しました。

ここで注意すべきなのは、セクハラの相談をスムーズに進めるため、そしてセクハラがあったことの信憑性を高めるためには相談前の準備も大切だということです。

事前に何をやっておくべきなのか、具体的に見ていきましょう。

セクハラの証拠を準備しておく

セクハラの相談をする際は証拠が用意できているとその内容が伝わりやすくなります。

セクハラの証拠として認められる可能性があるのは、次のようなものです。

  • 業務と関係のない性的なメールやLINE
  • 性的な発言の録音・性的行為の録画
  • セクハラを見た同僚の証言
  • セクハラ被害の内容や日付を記した日記

日記などにセクハラの記録を残しておく場合は、セクハラ被害に加えてその日の業務内容も記しておくことで信憑性が高まります。

セクハラの証拠を集めることは被害者にとってつらいことですが、確実に問題を解決するためにもなるべく多くの証拠を準備しておきましょう。

セクハラをどう解決させるか決めておく

セクハラをどのように解決させたいのか、というのも重要なポイントです。

セクハラ行為をなくすことだけが目的なのか、加害者に謝罪や損害賠償を求めたいのかによってその後必要になる対応が変わってきます

もちろん相談窓口で専門家の意見も参考にするべきですが、スムーズに手続きを進めていくためにも自分が理想とする解決の形をイメージしておくと良いでしょう。

セクハラの損害賠償を請求したい時はどうする?

ここまでセクハラの相談をする前にやるべきことを確認しました。

しかし、セクハラの被害に対する損害賠償を請求したいと考えている場合は、窓口に相談するだけだと解決に至らないことが多いです。

加害者に損害賠償を請求する際はどのような動きが必要になるのか、見ていきましょう。

相手に内容証明郵便を送付して交渉する

個人で請求できる方法として、加害者に内容証明郵便を送付するという手段があります。

内容証明郵便は基本的には普通の手紙と同じですが、「誰が・いつ・何を・誰に送った」という送付記録が郵便局に残されます

したがって、相手は「手紙なんて受け取っていない」としらを切ることができません。

内容証明郵便にはセクハラの内容とそれによって受けた被害、そして請求額を詳細に記載しましょう。

こちら側が十分な証拠を握っている場合、加害者はセクハラの事実が周囲に知れ渡ることを恐れて請求に応じる可能性が高くなります。

ただし、完全に個人で請求すると無視される、あるいは請求額を下げるように交渉される、というケースも少なくありません。

不安がある方は弁護士を雇うのが良いでしょう。

労働審判や裁判などの法的措置をとる

内容証明での請求に応じなければ、訴訟に移ることになります。

この場合、主には「労働審判」「民事裁判」という選択肢があります。

労働審判は調停での解決を目標としており、裁判よりも迅速に終結させることが可能です。

ただし、労働審判は労働者と会社の間のトラブルを解決するためのものであるため、加害者個人に対する請求はできません。

セクハラ行為に対する措置を講じなかった会社に損害賠償を求める際に利用する制度だと考えておきましょう。

また、労働審判の結果に会社が異議申し立てを出した場合は民事裁判に移行します。

裁判となれば判決までの間に膨大な時間と労力を要し、判決後も元の会社で働き続けるのは難しくなる可能性があります。

いずれにしても、訴訟を起こすのは最後の手段であると認識しておきましょう。

監修者


みんなのユニオン

執行委員岡野武志

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みんなのユニオンの執行委員を務める岡野武志です。当ユニオンのミッションは、法令遵守の観点から、①労働者の権利の擁護、②企業の社会的責任の履行、③日本経済の生産性の向上の三方良しを実現することです。国内企業の職場環境を良くして、日本経済に元気を吹き込むために、執行部一丸となって日々業務に取り組んでいます。

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