不当解雇・退職勧奨
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不当解雇の対処方法について解説! 解雇理由証明書の交付義務とは

更新日:

監修者:みんなのユニオン 執行委員
岡野武志

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解雇には、「普通解雇」「整理解雇」「懲戒解雇」の3つの種類があります。

「整理解雇」とは、会社の経営不振などによる人員削減のための解雇で、いわゆる「リストラ」です。

また、労働者が重大な規律違反などを行った場合に解雇処分とすることを「懲戒解雇」といいます。

「整理解雇」と「懲戒解雇」においては解雇の理由が明確であることが多い反面、「普通解雇」はその理由が本当に正当なものであるかどうかが度々争われます。

本稿では、解雇の理由を明らかにする「解雇理由証明書」をテーマに、不当解雇への対処法も解説します。

解雇について知っておくべきこと

まずは解雇の基礎的なことについて解説します。

解雇の通告を受けて呆然としてしまう前に、以下の内容について知っておくと冷静な行動が取りやすくなります。

解雇予告か退職勧奨かを明確にする必要がある

「明日からはもう来なくていい」

「君にはもっと合ってる会社があるはずだ」

などと突然言われた場合、「クビになった」というショックでどうしたらいいか分からなくなってしまうことがあると思います。

しかし、上記のような言葉が「解雇予告」ではなく「退職勧奨」の場合は拒否することができます

「解雇予告」は使用側が労働契約の一方的な解消を告げることを指しますが、「退職勧奨」は労働者の自己都合退職を促すことを指します。

「退職勧奨」には法的拘束力が無いため、退職を拒否することが可能です。

突然のことに大きな絶望感を抱いてしまう方が多いとは思いますが、まずは使用者側の意図が「解雇予告」なのか、「退職勧奨」なのかをハッキリさせるために聞いてみた方がよいでしょう

法律上は解雇が認められる例は限られている

現在の日本の法律では、使用者は労働者を簡単に解雇することはできません

労働契約法第16条では、解雇について以下のとおりに定めています。

解雇は、客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当であると認められない場合は、その権利を濫用したものとして、無効とする。

厚生労働省ホームページ 労働契約法( 平成19年12月05日法律第128号)

「業務スキルが低い」

「個人の売上成績が悪い」

「ミスが多い」

などの理由の場合、その理由に対する改善努力をしたかどうかが使用者側に問われ、解雇が妥当な処分だと認められない場合が多いのです。

解雇に相当する事由が無いのにも関わらず解雇された場合は、「不当解雇」として争うことで解雇の撤回や慰謝料の請求をすることができます。

解雇理由証明書・退職証明書で解雇理由を明らかにする

唐突に解雇を告げられた場合、「どのような理由で解雇になったのか」ということが気になると思います。

使用者側の正式な解雇理由を知りたいのであれば、「解雇理由証明書」または「退職証明書」を請求することで知ることができます。

解雇理由証明書とは、その名のとおり解雇の理由が記載された書類であり、解雇予告を受けてから退職日を迎えるまでの期間に会社へ請求することができます。

労働基準法第20条により、労働者を解雇する場合は退職日の30日以上前に予告しなければならないと定められているため、解雇予告から退職までには基本的に解雇理由証明書を請求できる期間が存在します。

もしも、退職日までに解雇理由証明書が請求できなかった場合は「退職証明書」にて解雇理由の記載を求めることができます。

退職証明書とは、使用期間や行っていた業務の種類などが記載されている書類のことで、退職後に請求することができます。

退職証明書は、労働者から要望を受けた項目のみ記載するので、必ず解雇理由の記載を求めるようにしましょう。

不当解雇に対して争うには

この章では、会社の解雇理由を不当なものとして争うことになった場合に取るべき行動についてまとめています。

必要な行動を取らないまま時間が経ってしまったり、安易な行動を取って不利になってしまうこともあるので、以下の内容を参考にしてみてください。

解雇予告を受けたらすぐに解雇理由証明書を請求する

不当解雇として争う場合、解雇の理由が正当なものでないという証拠が必要になります。

そこで有効なのが、会社が交付する解雇理由証明書です。

解雇理由証明書は、解雇予告を受けてから退職する日までが請求期限のため、すぐに請求するようにしましょう。

退職日までに解雇理由証明書を請求できなかった場合、退職証明書に解雇理由を記載するよう請求して対応することも可能です。

しかし、解雇予告から時間が空いてしまうと、会社側が有利となるように準備する時間を与えてしまうことになるので、すぐに解雇理由証明書を請求することがおすすめです。

安易に退職合意書にサインしない

退職合意書とは、労働者が合意したうえで退職することを証明する書類です。

退職合意書にサインしてしまうと、「労働者が自己都合で退職した」とみなされ、不当解雇として争うことができなくなってしまいます

「解雇になって経歴に傷がつくより、自主退職した方がいい」

などと言って退職合意書へのサインを求めてくる使用者もいますが、解雇されるような正当な理由に心当たりがなければ、サインはしないようにしましょう。

なるべく早く弁護士に相談する

法律の問題で争うことになるため、なるべく早く専門家に相談することがベストです。

何もできないまま時間が経過してしまうと、会社が解雇理由証明書の交付を拒否するなどして請求期限を過ぎてしまったり、解雇理由の後づけなどをする準備期間を与えることになってしまいかねません。

また、裁判になった場合は判決までに1年以上かかってしまうこともあるため、なるべく早く相談しましょう。

解雇理由証明書を交付してくれない場合

会社に解雇理由証明書の交付を求めても、その請求に応じてもらえないこともあります。

そのような場合の対処法などについても確認しておきましょう。

解雇理由証明書の請求に応じなければ法律違反

解雇理由証明書の交付は、労働基準法第22条第2項によって、以下のとおり義務づけられています。

解雇の予告がされた日から退職の日までの間において、当該解雇の理由について証明書を請求した場合においては、使用者は、遅滞なくこれを交付しなければならない。(一部抜粋)

厚生労働省ホームページ 労働基準法(昭和22年4月7日法律第49号)

上記の条文により、使用者が解雇理由証明書の交付を拒否した場合は法律違反となります。

不当解雇として会社と争うことになる場合、解雇理由証明書の有無は重要なポイントになります。

交付を拒否された場合は、「労働基準法第22条によって、交付が義務づけられています」と言って毅然とした態度で再度請求してみてください。

内容証明郵便で請求する

解雇理由証明書は口頭で請求することも可能ですが、もしも拒否された場合は内容証明郵便による文書で請求してみることも一つの手段です。

口頭での請求が拒否された場合、「そのような請求はされていない」と使用者側から主張されてしまう場合もあります。

内容証明郵便による文書での請求であれば、請求した事実が確かな証拠として残るため、使用者側としても簡単に拒否することができなくなります。

労働基準監督署や弁護士に相談する

労働基準監督署とは、労働基準法や労働契約法などの法令上、問題があると判断した企業に対して、是正勧告を行うことができる機関です。

労働者から請求があるのにもかかわらず、解雇理由証明書を交付しないことは法律違反となるため、労働基準監督署に相談すれば会社に対して交付をするよう勧告してくれます。

ただし、労働基準監督署の勧告に法的拘束力はないため、必ずしも会社が勧告どおりに対応するとは限りません。

もしも、解雇予告を受けた時点で不当解雇として争うことを考えている場合は、解雇理由証明書が交付されないことも含めて早めに弁護士に相談しましょう。

監修者


みんなのユニオン

執行委員岡野武志

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みんなのユニオンの執行委員を務める岡野武志です。当ユニオンのミッションは、法令遵守の観点から、①労働者の権利の擁護、②企業の社会的責任の履行、③日本経済の生産性の向上の三方良しを実現することです。国内企業の職場環境を良くして、日本経済に元気を吹き込むために、執行部一丸となって日々業務に取り組んでいます。