休業補償とはどんな制度?補償額の計算方法やその他の補償も徹底解説

更新日:

監修者:みんなのユニオン 執行委員
岡野武志

3764533 s

2020年10月1日以降の自己都合退職者は、失業手当の給付制限期間が短縮される変更があります。

2020年の春ごろから世界中で猛威をふるっているコロナウイルス。

その影響はすさまじく、日本でもかなりの感染者が確認されています。

またコロナウイルス感染拡大防止のため、外出自粛要請が出される事態となり、数多くのお店が休業を余儀なくされてしまいました。

そんな中、日本では労働者の助けとなるような補償制度があります。

今回は休業補償で支給される金額の計算式などを詳しく解説していきたいと思います。

休業補償とはどのような制度?

コロナウイルスの影響で数多くの企業が休業せざるをえない状況になった際、労働者にとって救いとなりました。

では休業補償とは一体どのような制度なのでしょうか?

休業補償について詳しく解説していきます。

休業補償はどのような時に受け取れる?

休業補償とは労働者が怪我や病気などによる療養で、勤務できない状況になったとき、政府が労働者に補償をするという制度です。

休業補償は労働基準法によって以下のように定められています。

第七十六条 労働者が前条の規定による療養のため、労働することができないために賃金を受けない場合においては、使用者は、労働者の療養中平均賃金の百分の六十の休業補償を行わなければならない。

電子政府の総合窓口 e-Gov

この文章を要約すれば労働者が企業側の事情や療養によって働けなくなった場合、療養中平均賃金の60%を政府が支払うという制度です。

コロナ禍の中で労働者がコロナウイルスに感染してしまった場合にはこれが適応されます。

休業補償を受け取れる対象者は?

休業補償を受け取れる対象者は企業や事業主に雇用されている労働者となっています。

休業補償は正社員だけでなく、アルバイトや派遣社員でも受け取ることができます

申請は必要ですがしっかりと書類を提出すれば受け取れる補償ですので、申請をすることをおすすめします。

休業手当とは異なる制度?

休業補償について調べていると、同じような制度で休業手当という制度を目にすることも多いです。

一見同じように見えるこの二つの制度ですが、実はまったくの別物

休業補償は何らかの事情で働けなくなった職員の生活費などを使用者(政府)が補償するといった制度でした。

一方で休業手当は労働基準法第26条で定められている制度で、会社都合で社員が働けなくなった場合、企業側が従業員の給料を補償するといった制度です。

似て非なる制度ですので、お間違えの無いようご注意ください。

休業補償でもらえる額の計算方法とは?

何かやむを得ない事情があって働けなくなってしまっても、休業補償によって給料がある程度補償されるということはお判りいただけたかと思います。

では休業補償では、どれくらいの給料が補償されるのでしょうか?

この章では休業補償でもらえる額の計算方法と、いくつかの例をご紹介していきます。

休業補償でもらえる額の計算方法

休業補償でもらえる額の計算方法については、厚生労働省の公式HPで以下のように記載されています。

休業1日につき、給付基礎日額の80%(休業(補償)給付=60%+休業特別支給金=20%)が支給されます。

 なお、所定労働時間の一部について労働した場合には、その日の給付基礎日額から実働に対して支払われる賃金の額を控除した額の80%(60%+20%)に当たる額が支給されます。

厚生労働省公式HP

つまり簡潔に述べれば1日で稼ぐはずだった給料の60%に加えて、給料の20%の休業特別支給金が支給されるということです。

休業補償には申請が必要ですので、給料の補償額を受け取りたいという方は申請を忘れないようにしましょう。

ケース1:Aさん(正社員、月給30万)が1か月休業した場合

このケースは正社員として働いているAさんが1か月休業せざるを得ない状況になった際に、休業補償で支給される額について解説します。

Aさんの月給30万円ですので、厚生労働省の計算式に乗っ取ると以下のようになります。

30万円×60%+30万円×20%=24万円

以上の計算式からAさんは休業中に24万円を受け取れるという計算になります。

ケース2:Bさん(アルバイト、時給1000円、1日8時間勤務)が10日間休業した場合

こちらのケースはアルバイトとして働いているBさんが10日間休業せざるを得ない状況になった場合の休業補償の例です。

Aさんの時給は1000円で1日に8時間勤務しているとすると、休業補償の額は以下の通りになります。

1日あたりの休業補償額:時給1000円×8時間×60%=4800円

10日間休業した場合:4800円×10日間=48000円

以上の計算式からアルバイトとして勤務しているBさんが10日間休業した場合、48000円の休業補償を受け取ることができます。

休業補償以外の補償制度はある?

ここまでやむを得ない事情で休業した場合、給料を最低限保証してくれる休業補償制度について解説していきました。

では休業補償以外にも労働者が金銭を受け取ることのできる制度はあるのでしょうか?

この章では休業補償以外の補償制度をいくつかご紹介します。

新型コロナ対応休業支援金

労働者が金銭を受け取れる補償制度の一つとしてまず挙げられるのが「新型コロナ対応休業支援金」です。

こちらは中小企業に勤めている労働者が雇用主の指示で休業せざるを得ない状況になったとき、休業前の平均給料に応じて補償を受けられるという制度です。

補償額としては休業前の平均給料の80%が支給されます。

最大支給額が1日あたり11000円で、月額最大33万円の補償を受けることができるのです。

新型コロナ対応休業支援金を受け取るためには、休業開始した月の翌月頭に申請をする必要があります。

仮に6月に休業を指示された場合は、7月1日から申請をすることができます。

新型コロナ対応休業支援金の申請をする際には、過去3か月分の給与額の証明書や身分証明書などの書類が必要となりますので、事前に用意を忘れないようにしてください。

持続化給付金

先ほどご紹介した新型コロナ対応休業支援金は雇用契約をしていることが前提となっていますので、個人事業主の方は対象外となっています。

個人事業主でも補償を受けることができる制度が、この「持続化給付金」です。

こちらは新型コロナウイルスによって休業を余儀なくされた事業主の再起を図る目的で設立された制度で、個人事業主や中小企業などが対象となっています。

支給額としては以下のようになっています。

個人事業主

2019年の年間売り上げから、対象月(前年比50%ダウンした月)×12を差し引いた金額(最大100万円

中小企業

2019年の年間売り上げから、対象月(前年比50%ダウンした月)×12を差し引いた金額(最大200万円

こちらも休業補償や新型コロナ対応休業支援金と同様、受け取りには持続化給付金の公式HPから申請をする必要があります。

必要な書類を用意して、申請をしてみてください。

まとめ

今回は休業補償でもらえる額の計算方法や制度の内容、その他の補償制度について解説してきました。

現在新型コロナウイルス感染拡大に伴い、生活が厳しくなってしまった方もかなり多いことでしょう。

しかし日本にはそのような方たちを支援する補償制度が多数あります。

もしかするとこの記事を読んでいるみなさんにも、利用できる補償制度があるかもしれませんので、しっかりと調べてみることをおすすめします。

監修者


みんなのユニオン

執行委員岡野武志

詳しくはこちら

みんなのユニオンの執行委員を務める岡野武志です。当ユニオンのミッションは、法令遵守の観点から、①労働者の権利の擁護、②企業の社会的責任の履行、③日本経済の生産性の向上の三方良しを実現することです。国内企業の職場環境を良くして、日本経済に元気を吹き込むために、執行部一丸となって日々業務に取り組んでいます。