派遣社員でも再就職手当をもらえる?その条件と手続きの方法

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監修者:みんなのユニオン 執行委員
岡野武志

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2020年10月1日以降の自己都合退職者は、失業手当の給付制限期間が短縮される変更があります。

あなたは再就職手当をご存知ですか?

再就職手当とは、失業保険の所定給付日数を3分の1以上残して再就職が決まった場合に、残りの日数に応じて、失業保険給付金の60~70%を一時金として受け取ることができる制度です。

この記事では、もしあなたの転職先が派遣会社だった場合の再就職手当について解説するとともに、再就職手当の概要や手続きのしかたについてもご案内します。

もし、あなたが該当者なら、せっかくある制度ですからぜひ活用してください。

再就職手当は失業保険を受給中の人が対象の制度です

再就職手当は、失業保険の受給中に、給付日数の3分の1以上を残して再就職が決まった場合は、残日数分の失業保険給付金の60%の額、3分の2以上を残して再就職できた場合は70%の額を、一時金として受け取ることができます。

再就職手当は失業保険の受給中であることが前提

再就職手当をもらうためには、まず失業保険を受給していなければなりません。

基本的には、前職において雇用保険の被保険者であれば、失業保険を受給できます。正社員でもパート・アルバイトでも、雇用形態は問われません。

ただし、離職の日以前の2年間に、被保険者期間が通算して12か月以上あることが必要なので、転職を繰り返していた場合には受給できないこともあります。

また、ハローワークに赴いて求職の申込みをしている「失業の状態」であることが条件です。

再就職手当に関係する失業保険の仕組み1

支給される 1日当たりの金額を「基本手当日額」といい、原則として離職した日の直前の6か月に支払われた賃金(賞与は除く)をもとにして決まります。 

給付日数は、年齢や在職期間によって定められています。

再就職手当に関係する失業保険の仕組み2

ハローワークに求職の申込みを行ってから7日間は待期期間となります。待期期間を過ぎると失業保険の給付が開始されます。

また、自己都合による退職の場合は、待期期間のほかに2か月間の給付制限がありますので、2か月と7日を経過してから給付がはじまります。

派遣社員が再就職手当をもらうための要件とは?

再就職手当を受給するための要件は8つあります。

このうち、派遣社員に転職した場合に、特に気を付けなければならない要件は「1年を超えて勤務することが確実であること」です。

再就職手当を受給するための8つの要件

ハローワークによると、以下のような8つの要件があります。

これらは、派遣社員でなくても、再就職手当を受給するための要件になります。

少し長いですが引用しますので確認しておきましょう(一部抜粋してあります)。

①   受給手続き後、7日間の待期期間満了後に就職、または事業を開始したこと。

②   就職日の前日までの失業の認定を受けたうえで、基本手当の支給残日数が、 所定給付日数の3分の1以上であること。

③   離職した前の事業所に再び就職したものでないこと。また、離職した前の事業所と資本・資金・人事・取引面で密接な関わり合いがない事業所に就職したこと。

④   受給資格にかかる離職理由による給付制限がある方は、求職申込みをしてから待期期間満了後1か月の期間内は、ハローワークまたは職業紹介事業者の紹介によって就職したものであること。

⑤   1年を超えて勤務することが確実であること。

⑥   原則として、雇用保険の被保険者になっていること。

⑦   過去3年以上の就職について再就職手当又は常用就職支度手当の支給を受けたことがないこと。

⑧  受給資格決定前から採用が内定していた事業主に雇用されたものでないこと。

厚生労働省.【再就職手当のご案内より】

派遣社員が特に注意しなければならない要件とは

派遣社員の場合、要件⑤の「1年を超えて勤務することが確実であること」に、注意が必要です。 

派遣の契約が、1年以下の場合は原則として対象になりません。

しかし、1年以下(6か月など)の契約であっても、更新の予定があれば、1年を超える契約とみなされて、受給することができます

その他の注意点|待期期間・給付制限期間・再就職先

派遣社員だけでなくすべての人に当てはまる要件のうち、特に気を付けてほしいことを解説しておきます。勘違いをしやすい点ですから参考にしてください。

失業保険の受給開始前の待期期間中に再就職が決まった場合は対象になりません。これは、内定をもらった場合も含まれます。

自己都合による退職の場合、待期期間満了後1か月の間は、ハローワークまたは職業紹介事業者の紹介で再就職が決まった場合のみが対象となります。その他の方法で再就職が決まっても対象にはなりません。

離職した元の会社に再び勤める場合は、対象外です。元の会社と密接な関わりのある事業所に勤めることになった場合も、やはり対象にならないので注意してください。

再就職手当を受け取るための手続きの流れ

「採用証明書」「再就職手当支給申請書」に、会社から証明や記入をしてもらって、ハローワークに提出します。

派遣社員の場合は、派遣元の会社に証明してもらうことになります。

派遣元の会社との書類のやり取りは難しい?

一般の就職と異なり、派遣社員の場合は派遣元の会社が近くにあるとは限りません。

派遣元の会社との連絡は、メールや電話、郵送で行うことが多いです。

再就職手当をもらうためには、「採用証明書(就職前)」「再就職手当支給申請書(就職後)」を、事業主に記入してもらう必要があるので、その都度事前にメールや電話で連絡をしたうえで、郵便でやり取りをするものと思っていてください。

連絡をするときには、宛先の住所や担当課などを確認しておきましょう。

書類と一緒に「自分宛ての返信用封筒」を忘れずに入れて送ってください。

送る封筒に「採用証明書在中」とか「再就職手当支給申請書在中」と書いておけば、会社に届いた時もわかりやすいです。

郵送はもちろん普通郵便でもかまいませんが、「特定記録郵便」ならば送った記録が残るので、心配な方にはおすすめします。

送る前に、念のため書類のコピーをとっておくのもよいでしょう。

ステップ1「採用証明書」を提出する

再就職が決まったら、まずハローワークに報告をします。

それから、就職先(派遣社員の場合は派遣元の会社)で「採用証明書」に記入をしてもらって、ハローワークに提出します。

「採用証明書」は、ハローワークからもらってある「受給資格者のしおり」に同封されています

再就職手当を受給するために必要な書類であるとともに、失業保険の給付を終了するためにも必要な書類です。

「採用証明書」が手元に見当たらない場合や、就職先に頼みにくい場合など、困ったことがあったら、すぐにハローワークに電話するなどして相談してください。

ステップ2「再就職手当支給申請書」をもらう

就職する日の前日に(この日で失業保険の給付が終わるので)、ハローワークに行って最後の失業認定をしてもらいます

このとき、再就職手当を受給できる人には「再就職手当支給申請書」が渡されますので、手続きのしかたをよく聞いておきましょう。

ステップ3「再就職手当支給申請書」を提出する

就職したら、なるべくはやめに会社(派遣社員は派遣元の会社)に頼んで「再就職手当支給申請書」の「事業主欄」に記入をしてもらいます。

「事業者欄」に記入をしてもらったら、自分で「申請者欄」に必要事項を記入します。 

「申請者欄」の記入が終わったら、「雇用保険受給資格者証(失業保険を受給していた時の資格者証のこと)」と「再就職手当支給申請書」を、一緒にハローワークに提出します。

提出は郵送でもかまいません。

これで手続きは完了です 。

後日、ハローワークから支給決定額と決定日が記載された支給決定通知書が届き、指定した口座に入金されます

監修者


みんなのユニオン

執行委員岡野武志

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みんなのユニオンの執行委員を務める岡野武志です。当ユニオンのミッションは、法令遵守の観点から、①労働者の権利の擁護、②企業の社会的責任の履行、③日本経済の生産性の向上の三方良しを実現することです。国内企業の職場環境を良くして、日本経済に元気を吹き込むために、執行部一丸となって日々業務に取り組んでいます。