自己都合退職したとき、失業手当はどうなる?|コロナ特例についても解説

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監修者:みんなのユニオン 執行委員
岡野武志

解雇

2020年10月1日以降の自己都合退職者は、失業手当の給付制限期間が短縮される変更があります。

ここでは退職理由が自己都合の場合、失業手当をもらうにはどうすればいいのか、条件や手順などをお伝えします。

さらに自己都合退職にも適用される、コロナ特例とはなにか?

この記事で解説していきます。

失業手当をもらうには?

転職や独立など、自己都合を理由とする退職でも、失業手当を当然もらうことができます。

しかし、失業手当をもらうには条件を満たさなければいけません。

今回は自己都合退職をした場合、どうすれば失業手当をもらうことができるのかお伝えします。

自己都合退職で失業手当をもらうための条件

失業手当はだれもが無条件にもらえるものではありません。

自己都合退職の場合、最低でも2つの条件が必要です。

  1. 退職日以前の2年間に雇用保険被保険者として、12ヶ月以上働いている
  2. 失業状態である

倒産などによる会社都合退職は、2年間に12ヶ月以上の部分が1年間に6ヶ月以上になります。

しかし、自己都合退職でも、退職理由によっては、会社都合と同様に1年間に6ヶ月以上の勤務で失業手当をもらうことができます。

  • 子育てのため
  • 病気の父を介護するため
  • 配偶者の転勤により通勤が困難なため

上記の理由による退職は、正当な理由による自己都合退職とされ、勤務期間が1年間に6ヶ月以上でよい【特定理由離職者】とみなされるのです。

失業手当をもらうまでの流れ【自己都合退職の場合】

給付までの基本的な手順は以下になります。

①必要書類を集める

離職票(雇用保険被保険者離職票)雇用保険被保険者証が必要です。

離職票は会社から受け取ります。

雇用保険被保険者証は自分で保管している場合と、入社時に会社に保管してもらっている場合があるため、確認が必要です。

②ハローワークで求職申込み

必要書類を用意して、ハローワークに行きます。

離職票とともに求職申込書の提出が必要です。

③雇用保険説明会に参加

次に、指定された日程の雇用保険説明会※に参加しましょう。

この時に、1回目の失業認定日が決定します。

また自己都合退職の場合、失業認定日までに3回以上の求職活動が必要。

ただし、雇用保険説明会への参加は求職活動1回分として認められるため、実質2回の求職活動でよいです。

求職活動は求人の応募だけでなく、ハローワークが行う講習やセミナーも該当します。

※ただし、新型コロナウイルス感染拡大防止の観点から令和2年3月13日から、中止となっており、参加不要です。

そのため、各労働局ホームページの説明動画やしおりの熟読が推奨されています。

④1回目の失業認定日にハローワークに行く

失業認定日に必ずハローワークに行き、手続きをしましょう。

就職活動を行ったか、失業状態であるかなどが確認されます。

⑤給付制限期間後の2回目の失業認定日にハローワークに行く

自己都合退職の場合、給付制限期間中は失業手当を受け取ることができません。

給付制限期間は2ヶ月(2020年9月30日以前の自己都合退職の場合は3ヶ月)となります。

2ヶ月経過後、2回目の失業認定日に再度ハローワークに行き、手続きを行います。

自己都合退職であり、退職に正当な理由があるとする特定理由離職者ではない場合、給付制限期間後に2回目の失業認定日が到来します。

⑥失業手当が支給される

失業認定日に行った手続きにより、ハローワークに失業状態が認められると失業手当が支給、遅くとも1週間以内に指定の銀行口座に振り込まれます

失業手当いくらもらえて、いつまでもらえる?

自己都合退職の場合、失業手当はいつまでもらえるのか。

また、いくらもらえるのか。

失業手当の期間や金額について、一緒に確認して行きましょう。

自己都合退職の失業手当はいつまでもらえる?

自己都合退職の失業手当の給付期間は、被保険者として勤務した年数によって変動します。

  • 1年未満 0日
  • 1年以上10年未満 90日
  • 10年以上20年未満 120日
  • 20年以上 150日

会社都合退職の場合、勤務年数に加え退職時の年齢も関わり、失業手当の給付期間がより細分化されています。

しかし自己都合退職の場合、退職時の年齢は一律で65歳未満となっており、実質的に失業手当の給付期間を決めるのは勤務年数だけです。

自己都合退職の失業手当はいくらもらえる?

失業手当の支給金額を知るには、まずは支給額の1日分がいくらなのか基本手当日額というものを知る必要があります。

計算方法は【基本手当日額=賃金日額(退職前6ヶ月の月給÷180)×50%〜80%(給付率)】です。

以下で具体的な例を使いながら、失業手当がいくらもらえるのか確認してみましょう。

【38歳・勤務年数15年・退職前6ヶ月の月給が38万円のケース】

賃金日額:月給38万×6ヶ月÷180日=12,666円(小数点以下切り捨て)

基本手当日額:12,666円×50%(給付率)※=6,333円

基本手当日額が確認できたら、そこに給付期間をかけます。

15年勤務していた方が自己都合退職した場合、給付期間は120日なので、

6,333円×120日=759,960円

今回の例でいくと、失業手当は759,960円になります。

※基本手当日額を計算する際の給付率は、賃金日額や退職時の年齢によって変動します。

詳しくは厚生労働省が公表している【雇用保険の基本手当(失業給付)】をご確認ください。

コロナによる自己都合退職にも適用される、コロナ特例とは?

新型コロナウイルスの影響により自己都合退職した場合の特例があります。

以下で見てみましょう。

コロナの影響による自己都合退職者は特定理由離職者になる

新型コロナウイルスの影響により退職した場合、子育てを理由とした自己都合退職するときと同じように、正当な理由とみなされ、特定理由離職者になります。

これは「新型コロナウイルス感染症に伴う雇用保険求職者給付の特例」に規定されており、令和2年5月1日以降に以下の理由によって自己都合退職した場合が該当します。

  • 職場で感染者が発生したことにより、感染拡大防止や重症化防止に伴い退職した場合
  • 本人または同居する家族に基礎疾患※があるため、感染拡大防止や重症化防止に伴い退職した場合
  • 本人または同居する家族が妊娠中であるため、感染拡大防止や重症化防止に伴い退職した場合
  • 本人または同居する家族が高齢(60歳以上)であるため、感染拡大防止や重症化防止に伴い退職した場合
  • 糖尿病、心不全、呼吸器疾患等の基礎疾患がある方。さらに、透析を受けている方、免疫抑制剤および抗がん剤を投与している方。

上記の理由で退職したときは正当な理由とみなされ、自己都合退職でも2ヶ月間の給付制限期間は不要です。

コロナによる退職なら失業手当が原則60日間延長

新型コロナウイルスの影響により退職した場合、失業手当の給付期間が原則60日延長できます。

この延長は「新型コロナウイルス感染症等の影響に対応するための雇用保険法の臨時特例等に関する法律」により規定されました。

対象となるのは、2020年6月12日以後に失業手当の給付が終わる以下の方です。

離職日対象者
〜令和2年4月7日
(緊急事態宣言発令以前)
離職理由を問わない
(全受給者)
令和2年4月8日〜令和2年5月25日
(緊急事態宣言発令中)
特定受給資格者※及び特定理由離職者
令和2年5月26日〜
(緊急事態宣言全国解除後)
新型コロナウイルス感染症の影響により離職を余儀なくされた特定受給資格者※及び特定理由離職者(雇止めの場合に限る)
※特定受給資格者とは、倒産・解雇等の理由により離職を余儀なくされた方です。

延長期間は原則60日ですが、30歳以上45歳未満で給付日数が270日、45歳以上60歳未満で給付日数が330日の方は延長期間が30日となります。

監修者


みんなのユニオン

執行委員岡野武志

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みんなのユニオンの執行委員を務める岡野武志です。当ユニオンのミッションは、法令遵守の観点から、①労働者の権利の擁護、②企業の社会的責任の履行、③日本経済の生産性の向上の三方良しを実現することです。国内企業の職場環境を良くして、日本経済に元気を吹き込むために、執行部一丸となって日々業務に取り組んでいます。