就活生を狙うオワハラとは?実態、例、対処法を詳しく解説

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監修者:みんなのユニオン 執行委員
岡野武志

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2020年10月1日以降の自己都合退職者は、失業手当の給付制限期間が短縮される変更があります。

就職活動では、ほとんどの学生は一つの企業だけではなく多数の企業の面接を受け、内定を目指しています。

就職したい企業が決まっていない場合は、内定をもらった企業の中から考えて就職先を決定したいと言う就活生も多いでしょう。

しかし、企業側は内定を出した学生に辞退されてしまうと時間と労力が無駄になってしまうため、なるべく避けたいと思っています。

自分の企業に就職させるために、悪質な手段である「オワハラ」という就活生を苦しめる方法をとる企業も存在しています。

オワハラはどのようなハラスメントか、その意味と実態、更に対処法を見ていきましょう。

オワハラの意味|オワハラとみなす基準と違法性は?

オワハラとはどのような行為のことを指すのでしょうか。

その疑問を解消するために、オワハラの定義を詳しく、分かりやすくまとめました。

また、どこからがオワハラとみなされる基準なのか、オワハラの違法性についても解説いたしましたので、参考にしてください。

就活生を狙うオワハラとは?

オワハラとは、「就活終われハラスメント」の略称です。

企業が新卒採用において、事前に内々定を出した就職活動中の学生に対し、内定を出すからほかの企業を辞退するようにと要求したり、以降の就職活動を辞めるよう働きかけたりする行為を指します。

また、内定を出すための条件として学生を長期的に拘束し、他の企業の面接に行く時間を作らせないようにする行為のことも指しており就活生を苦しめる大きな問題となっています。

オワハラの一般的な基準

NPO法人DSSによると、以下の行為があった場合、オワハラと認められるとしています。

1.就活の終了を明言しないと内定をもらえないと不安にさせるような言動

2.就活の終了を言質や書類提供を強要し、他社の面接を受けることや、内々定を辞退することへの精神的な圧迫を感じさせる行為

3.選考期間・選考時間・選考頻度を必要以上に多く設け、拘束的なイベント等で他社の選考を受けさせないようにする行為

4.リクルーターなど今までの関係性を必要以上に強調し、内定承諾や就活の終了を強要する行為

「就活終われハラスメント」とは?

つまり、他社への就職活動を阻害し、就活生の内定を取り消させないようにする行為がオワハラの基準として扱われています。

また、たとえその行為が明確な阻害を及ぼしていなくても、就活生側が上記のような行為をされたと感じていればオワハラとみなされます。

オワハラは違法なのか?

オワハラを受けた程度にもよりますが、オワハラは以下の2つの罪として扱われる可能性があります。

  • 強要罪
  • 脅迫罪

それぞれ詳しく見ていきましょう。

強要罪

刑法第223条では「生命、身体、名誉もしくは財産に対し害を加える旨を告知して脅迫し、または暴行を用いて、人に義務のないことを行わせ、または権利の行使を妨害した者は、3年以下の懲役に処する。」と記載されています。

オワハラの一つである、本来就活生がする必要がないことをさせられたというケースはこの強要罪に当てはまる場合があります。

具体的には

  • その場で謝罪文を書くことを強要された
  • 内定を断ったら土下座するように指示され、土下座した
  • 他社の内定を辞退するよう強要された

このような行為をさせられていたら、強要罪が成立する可能性があります。

脅迫罪

刑法第222条では「生命、身体、自由、名誉又は財産に対し害を加える旨を告知して人を脅迫した者は二年以下の懲役又は三十万円以下の罰金に処する2:親族の生命、身体、自由、名誉又は財産に対し害を加える旨を告知して人を脅迫した者も、前項と同様とする。」と記載されています。

会社に脅される、こちら側に不利となるような条件を突きつけてこようとする行為は、脅迫罪に当てはまる可能性があります。

具体的には、

  • 内定を辞退したら、他の企業にそのことを言いふらすと脅される
  • 内定辞退したら損害賠償を請求すると言われた

ここに当てはまっている行為は脅迫罪として扱ってよいでしょう。

オワハラ企業の実例

続いて、実際にオワハラの被害を受けた就活生の例をご紹介します。

自分が就職活動をする際に、同じようなことをされていたらオワハラを疑いましょう。

企業からのオワハラの被害にあった実際の例

実際に起こったオワハラの例を2つ取り上げていきます。

オワハラの例①内定と引き換えにほかの企業の辞退を強要

ある企業から最終面接の後に連絡をもらった就活生A君は、その場で衝撃的なことを聞かされました。

それは、弊社から内定を出す代わりに、他の企業から貰っている内定がある場合は辞退するようにという指示でした。

事前にその企業以外にも迷っている会社があるということを伝えていたにも関わらず、その話を持ち出すと他の企業の内定を辞退しないならこちらからの内定も出さないと言われてしまいました。

オワハラの例②スケジュールを拘束される

他の企業の選考を物理的に阻止するために、就活生のスケジュールを無理やり拘束するという事例のオワハラも起こっています。

ある企業から内定をもらった就活生B君は、有無を言わさず新人研修の日程を入れられてしまいました。

その日程には自分が受けたいほかの企業の面接日も含まれていましたが、研修を優先するようにと企業から指示されてしまい、B君の要望は聞き入れてもらえませんでした。

以上が実際に起こったオワハラの実例です。

公務員志望でもオワハラを受けることはあるのか?

自分の就職先として公務員を志望している場合、公務員試験の面接でオワハラを受けることはほとんどありません。

第一志望として公務員を志望している就活生がほとんどなことと、国や都道府県を支えている人々が集まっている就職先のため、オワハラは一般企業よりも更に起こらないと言っても過言ではありません。

しかし、公務員と並行して一般企業を受けている場合、公務員試験の受験を妨害するために企業の面接日を公務員試験の受験日に合わせるという悪質極まりない企業は存在しています。

にわかに信じがたい話ではありますが、実際にそのようなタイプのオワハラを受けた学生も一定数いますので、自分に関係ないとは思わず、少し意識しておきましょう。

オワハラを受けたらどうする?就活中のオワハラへの対策とは

では、就職活動中にオワハラを受けてしまったらどのように対処したら良いのでしょうか。

ここからはオワハラ対策の手段を3つご紹介していきます。

オワハラ対策①具体的な理由を挙げてやり過ごす

オワハラを受けたときに、その場をやり過ごすための手段としては「具体的な理由を挙げてやり過ごす」ことが就活生側にとって都合が良いです。

研修が入りそうな場合は「卒論の準備が大変で、休んでしまうと卒業出来なくなってしまうかもしれない」「どうしても出なければいけない授業があり、留年しないためにも確実に出ておきたい」と、学校を卒業できない恐れを企業側に伝えると、受け入れてくれる場合が多いです。

企業側からしたら、せっかく内定を出した学生が自分たちのせいで留年してしまい、内定辞退することになってしまったということが起こってしまった場合、その学生にかけてきた時間と労力がかなり無駄になってしまいます。

そのため、留年を回避させるために研修よりも大学の用事を優先させることは許可してくれる可能性が高いです。

しかし、当たり前なことではありますが、具体的な理由を挙げてやり過ごすことはあまり良い手段ではありません。

万が一ばれてしまったら信用問題に関わりますし、嘘をつくことは精神的にも気持ちの良いことでは無いでしょう。

その場をしのぐための最終手段としては候補に入れても構いませんが、乱用することは控えましょう。

オワハラ対策②企業の要望を無視する

企業の無理難題に直面してしまった場合は、要望を無視することもオワハラ対策として有効な手段です。

企業は法的に就活生を拘束する権利を持っているわけではありません。

ですので、研修を受けるようにといった指示があったとしても、ほかの企業を内定辞退するようにという指示がでても、無視して就活を続けて構いません。

仮に約束を破られたと企業が主張してきたとしても、そもそも約束をしなければいけない義務は就活生にはないため、法的に訴えられることはほとんどありません。

オワハラ対策③内定辞退をする

オワハラをされた時点で内定辞退をすることで、その企業から解放されることが出来ます。

オワハラをしてくる企業は悪質な企業だと自ら伝えているようなものなので、就職をしなくても損することはないでしょう。

出来るだけ早めに丁寧に断り、貴社に入社する意思がないことを伝えると、企業としては打つ手が無くなります。

それでもオワハラを受けた場合は、はっきりと内定辞退をする意思を伝え続けましょう。

先述の通り企業には学生を拘束する権利はないため、内定を断ったとしても就活生側が不利益を受けることはありません。

あまりにもしつこい場合は弁護士に相談しましょう。

まとめ

今回は、オワハラに関して、その意味と実態、対処法を解説いたしました。

オワハラは法律的にも認められている行為ではなく悪質な手段ですが、一方で少なからず学生がオワハラを受けていることも事実です。

オワハラを受けない就職活動が出来ることが一番ですが、もしもオワハラを受けてしまった場合は屈せずにその企業から解放されるような手段を取りましょう。

監修者


みんなのユニオン

執行委員岡野武志

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みんなのユニオンの執行委員を務める岡野武志です。当ユニオンのミッションは、法令遵守の観点から、①労働者の権利の擁護、②企業の社会的責任の履行、③日本経済の生産性の向上の三方良しを実現することです。国内企業の職場環境を良くして、日本経済に元気を吹き込むために、執行部一丸となって日々業務に取り組んでいます。