会社が発行した離職票の離職理由が違う?理由と対策

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監修者:みんなのユニオン 執行委員
岡野武志

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2020年10月1日以降の自己都合退職者は、失業手当の給付制限期間が短縮される変更があります。

労働者は会社を退職する際に、会社側に離職票の発行を依頼できます。

この離職票は労働者が退職後、失業保険を受給するために必要な書類です。

しかし、会社から離職票を送られてきて離職理由の記載が違う場合があります。

もし、このような状況になった場合にどう対応すると良いのでしょうか。

この記事では、会社が発行した離職票が違う理由と対策について見ていきます。

離職票の離職理由の種類

会社を退職して離職票を受け取った離職者は、ハローワークで失業保険の給付手続きを行います。

また、離職票の離職理由によって、失業保険を条件や金額が違ってきます。

離職票に記載される離職理由は主に「会社都合退職」「自己都合退職」です。

ここでは「会社都合退職」と「自己都合退職」について詳しく見ていきましょう。

会社都合退職

会社都合退職は会社の倒産や、会社に解雇されたことなどで退職することです。

具体的には以下のような理由で離職した人が挙げられます。

  1. 会社が倒産した
  2. 会社の業績悪化による人員整理が行われた
  3. 事業所が廃止された
  4. 事業所の移転で通勤が困難となった
  5. 解雇で離職した
  6. 労働契約が締結した条件と大きく異なっていた
  7. 賃金額の3分の1を超える額が支払われない月が2 か月以上続いた
  8. 事業主が労働者の職種転換で、職業生活の配慮がない
  9. 上司・同僚から故意に嫌がらせを受けた
  10. 事業主から退職勧奨を受けた
  11. 事業所の業務が法令に違反していた

このような理由で退職した人は「特定受給資格者」です。

「特定受給資格者」と認められた場合は、失業保険の条件が「一般の受給資格者」と異なってきます。

自己都合退職

自己都合は自らの都合によって退職することであり、多くの退職が自己都合退職に該当します。

自己都合退職には、「結婚、介護、病気療養、転職」などの理由で退職することが挙げられます。

自己都合退職は主に「一般の受給資格者」ですが、正当な理由がある場合は「特定理由離職者に該当します。

特定理由離職者は以下の理由で離職した人です。

  1. 病気や心身の障害
  2. 労働契約が満了し、更新を希望したにもかかわらず更新されなかった
  3. 親族の介護など家庭の事情の急変
  4. 結婚で住所を変更になった
  5. 事業所が通勤困難になった

自己都合退職した人であっても、正当な理由とハローワークが認めた場合は「特定理由離職者」になります。

会社が発行した離職票の離職理由が違う理由

労働者が会社に離職票の発行を依頼すれば、退職後にお住まいに書類が送られます。

そして、退職者は離職票を持ってハローワークで失業保険の給付手続きを行うのです。

しかし、お住まいに届いた離職票を確認して見ると離職理由が自分の認識と違う場合があります。

なぜ、このようなことが起こってしまうのでしょうか。

会社と労働者の認識の違い

これは会社と労働者の認識の違いから、起こりえることです。

労働者は会社を退職する前に、会社側から離職証明書の確認と捺印を求められます。

その時に離職理由が違う場合は会社の担当者と話し合えば、双方とも納得できる可能性があるでしょう。

しかし、事前に話し合っていたとしても会社と労働者の認識がずれていると、離職理由が違ってしまう場合があります。

労働者は担当者としっかりと話し合って、同じ認識を持つ必要があるでしょう。

ただ、退職までの経緯にトラブルがあった場合、労働者と会社の認識が一致するのは、難しい場合が多いです。

会社による故意

事前に会社と労働者が話し合っていたとしても、会社が故意に離職理由を書き換えている場合があります。

これは会社の嫌がらせなどの理由が考えられ、話し合っても解決しない可能性があるでしょう。

労働者と会社の間に何かしらのトラブルが生じていた場合、このようなことがありえます。

もし、労働者と会社が話し合いをしたとしても会社側は訂正の依頼を受け入れない可能性が高いでしょう。

会社が発行した離職票の離職理由が違うのは違法?

会社が発行した離職票の離職理由が労働者の認識と違う場合があります。

もし、労働者が会社に訂正を依頼しても、会社側が応じれば問題はないです。

しかし、会社によっては労働者の依頼を受け入れない場合もあります。

会社が故意に離職理由を書き換えた時はどのような法律に抵触するのでしょうか。

一体、会社の行為がどのような法律が該当するのか把握しておきましょう。

離職票の離職理由が違う場合の罰則

会社が離職票の内容を偽って届け出をした場合は、雇用保険法83条より、「 6カ月以下の懲役、三十万円以下の罰金」という罰則があります。

労働者は会社が故意に離職理由を書き換えていないか、しっかりと確認しておきましょう。

会社が離職票の発行の手続きを行いますが、労働者も内容に誤りがないか見ておきましょう。

会社が発行した離職票の離職理由が違う時の対策

ここでは会社が発行した離職票の離職理由が違っていた時の対策について見ていきます。

自らが行う行動を理解して、適切に対応していきましょう。

会社に相談

もし会社から送られてきた離職票の離職理由が違うことに気付いたら、会社の担当者に相談して正しい離職理由に訂正を依頼しましょう。                                                                                     

会社側はハローワークに提出した書類に誤りがある場合は「訂正届、会社控えの離職証明書、被保険者資格喪失確認通知書、証明となる書類」を送って、訂正をします。

労働者と会社の双方が納得する方法になりますが、会社側の対応によるため過度に期待はできないでしょう。

ハローワークに相談

労働者が会社と話し合いをしても解決しない場合は、ハローワークに相談すると良いです。

ハローワークは労働者と会社の間に入って、中立的な立場になってくれます。

離職票には「離職者本人の判断」の欄があり、事業主の離職理由に異議があるところに印をつけましょう。 

そして、ハローワークで相談に行き担当者に詳しい事情を説明します。

ハローワークの担当者は会社と本人の双方から事情を聞き、調査を進めていくのです。

また、事実を証明する書類があれば提出して、ハローワークが総合的に判定を出します。

最終的にはハローワークが判断しますが、しっかりとした証拠があれば離職理由が変わる可能があるでしょう。

弁護士に相談

労働者と会社の関係が良好ではなく、話し合いができない場合は専門家に相談する方法があります。

もし、裁判などに発展してしまった場合に専門家である弁護士なら対応が可能です。

専門家が労働者と会社の間に入ることで、早期に問題が解決するように導いてくれるでしょう。

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みんなのユニオン

執行委員岡野武志

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みんなのユニオンの執行委員を務める岡野武志です。当ユニオンのミッションは、法令遵守の観点から、①労働者の権利の擁護、②企業の社会的責任の履行、③日本経済の生産性の向上の三方良しを実現することです。国内企業の職場環境を良くして、日本経済に元気を吹き込むために、執行部一丸となって日々業務に取り組んでいます。