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勤めていた会社を退職して失業手当を受ける際に、申請に必要な離職票がなかなか手元に届かず、お困りになってはいないでしょうか。
また、失業保険を受給できるまでの手順がよくわからないという方も多いかと思います。
この記事では、離職票の取得方法と失業手当を受給するまでの流れを解説します。
離職票とは、労働者が離職した事実やその理由・日付などを公的に証明する書類です。
離職票の発行自体は、会社に対し「離職票の発行をお願いします」と請求するだけで手に入れることができます。
離職票は、退職者が失業保険の基本手当を申請する際に必要になります。
その他にも、失業を理由とした給付金を申請する際や国民保険への切り替えをするときなど、退職をなんらかの形で証明しなければいけないときにも使う場合があります。
離職票はあらかじめ発行を予定していれば、退職してから通常10日〜2週間以内に会社から届きます。
離職票の発行には原則として労働者自身が請求することが必要なので、もしも失業保険を受給する予定であれば早めに会社に伝えるようにしましょう。
離職票が届くまでの流れは以下の通りです。
雇用保険法施行規則7条・雇用保険法7条により、会社は労働者が退職した翌日から10日以内に離職証明書を提出しなければいけないと定められています。
退職から2週間以上経っても離職票が届かず困っている場合は、「離職票が届かない場合の対処法」を確認してみてください。
離職票は、『雇用保険被保険者離職票-1』と、『雇用保険被保険者離職票-2』の2種類があります。
それぞれ簡易的に『離職票-1』や『離職票-2』と呼ばれていることが多いです。
『-1』の用紙:失業手当の振込先となる金融機関の指定が可能
『-2』の用紙:退職理由と退職直前6ヶ月間の給与が記載されている
これら2枚をセットにして、ハローワークに提出します。
離職票と似たもので退職証明書があり、その大きな違いは、離職票はハローワークが発行する書面であるのに対し、退職証明書は会社が作成する私的な書面という点です。
また、退職者からの希望が特になければ、会社側は退職証明書を発行する義務がないといった違いもあります。
退職証明書は必ずしも必要なものではありませんが、転職の際に企業から提出が求められる場合があります。
退職してから失業手当を受けられるようになるまで、どのような順序を追っていけば良いのでしょうか。
必要な書類や手続きがわからないという方も多いかと思います。
実際の流れを見てみましょう。
失業手当の申請に必要な書類は以下の6つです。
残業時間などが理由で、会社都合での退職扱いにしたい場合は、それらを示す書類もあわせて持っていきましょう。
ハローワークへ出向き、失業手当の申請を行います。
会社都合による退職の場合は、以下の手順です。
自己都合による退職の場合、『 2. 7日間の待期期間』満了の翌日から2ヶ月間の給付制限があるため、申請から2ヶ月間と7日は失業手当を受けることができません。
失業手当は、受給できる期間が『離職した日の翌日から1年間』と決まっています。
そのため早く申請すべきです。
申請が遅れると、その分だけ受給できる期間が短くなってしまう可能性があるためです。
失業手当は、退職者であればどなたでも受けれるというものではありません。
受給にはいくつかの条件があり、退職理由や年齢などによっても内容が異なります。
失業手当とは、再就職するまでの間、国からもらえるお金のことを指します。
対象者は以下です。
これらの条件に当てはまる人が、失業手当を受け取ることができます。
失業手当を受給するには、離職する会社で一定期間、雇用保険に入っている必要があります。
また、退職理由によって、対象となる期間が異なります。
離職の日以前1年間に雇用保険に加入していた時期が通算して6ヶ月以上あること
離職の日以前2年間に雇用保険に加入していた時期が通算して12ヶ月以上あること
会社都合による退職の方が、受給条件が緩くなっています。
失業手当がもらえる期間は、雇用保険加入期間と離職時の年齢、そして離職理由によって異なります。
自己都合退職の場合は、離職時の年齢に関係なく、雇用保険に加入していた期間によって給付日数が異なります。
10年未満 | 10年以上20年未満 | 20年以上 | |
---|---|---|---|
離職時65歳未満 | 90日 | 120日 | 150日 |
会社都合退職の場合は、離職時の年齢ならびに雇用保険に加入していた期間によって給付日数が異なります。
1年未満 | 1年以上 5年未満 | 5年以上 10年未満 | 10年以上 20年未満 | 20年以上 | |
---|---|---|---|---|---|
離職時30歳未満 | 90日 | 90日 | 120日 | 180日 | – |
30歳以上35歳未満 | 90日 | 120日 | 180日 | 210日 | 240日 |
35歳以上45歳未満 | 90日 | 150日 | 180日 | 240日 | 270日 |
45歳以上60歳未満 | 90日 | 180日 | 240日 | 270日 | 330日 |
60歳以上65歳未満 | 90日 | 150日 | 180日 | 210日 | 240日 |
失業手当の受給額は、『基本手当日額 × 所定給付日数』で計算できます。
基本手当日額とは、失業手当で受給できる1日あたりの金額を指し、退職前6ヶ月の賃金の総額を180で割って算出した金額のおよそ50%〜80%となっています。
基本手当日額の上限は年齢によって異なり、毎年8月1日に改定されます。
2020年8月1日現在では、以下のとおりになっています。
※下限は一律2059円
失業手当を受けるにあたって、転職や結婚などによる自己都合退職より、リストラなどによる会社都合退職の方が有利です。
自己都合と会社都合では、給付開始までに2ヶ月間の差があったり、最大支給額や支給日数が倍近く違ってくるケースもあります。
もし、退職時に会社都合として扱われていても、ハローワークで会社都合と認められることがあります。
例えば、残業が長すぎる、給料の未払い、パワハラやセクハラを受けたなどが該当するため、そのためのデータや音声などの証拠を確保しておきましょう。
離職票が届かない主な理由は以下の通りです。
これらの対処法を解説します。
離職票が届かない場合、まずは会社へ問い合わせてみましょう。
もし、離職票が必要ということを会社へ言っていない場合、離職票が発行されないことがあるため、しっかりと伝える必要があります。
また、手続きをする担当者のミスなどで、送付が遅れているケースもあります。
会社側での手続きが終わっている場合、ハローワーク側で手続きが止まっている可能性があります。
特に、3月9月といった時期は退職者が多く、ハローワークにとって繁忙期となります。
退職が繁忙期のタイミングと被ってしまうと、離職票の交付が遅れることもあるでしょう。
退職日から12日経っても離職票が届かない場合、離職票がなくてもハローワークで失業保険の仮手続きができます。
ご自身の管轄のハローワークで求職登録を行い、必要な書類を確認して提出すれば仮手続きは完了です。
仮手続きをすることによって、離職票の到着を待ちながら、失業保険の給付手続きを遅延なく行えるメリットがあります。
ただし、失業認定日までには離職票を提出する必要があるため、会社やハローワークへ進捗状況を確認し、離職票を発行してもらうようにしましょう。
退職者への嫌がらせで、離職票を交付しないといった悪質な会社もあります。
しかし、このような行為は『雇用保険法第76条3項』において違法となっており、会社は離職票の交付を拒否することはできません。
会社が正当な理由なく拒否した場合、『雇用保険法第83条4号』により、6ヶ月以下の懲役もしくは30万円以下の罰金の対象になります。
会社から離職票が交付されない場合は、ハローワークへ相談をすることで、ハローワーク側から会社へ催促を行ってくれます。
みんなのユニオンの執行委員を務める岡野武志です。当ユニオンのミッションは、法令遵守の観点から、①労働者の権利の擁護、②企業の社会的責任の履行、③日本経済の生産性の向上の三方良しを実現することです。国内企業の職場環境を良くして、日本経済に元気を吹き込むために、執行部一丸となって日々業務に取り組んでいます。