人事評価に納得できない!違法になる評価内容とは?

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2020年10月1日以降の自己都合退職者は、失業手当の給付制限期間が短縮される変更があります。

「明らかに頑張ったのに、他の人よりも低く評価された」「どう考えてもこの評価はおかしい!」「不当な評価で給与が減額された」など、人事評価の結果に納得できなかったり、おかしいと感じたことはありませんか?

人事評価の内容によっては、違法となることがあります。

あなたの人事評価も、違法かもしれません。

ここでは、人事評価の仕組みと人事評価が違法となる判断基準についてご紹介します。

人事評価の仕組み

「どう考えても人事評価がおかしい!」「上司はえこひいきしているのでは?」など、自分に判断された人事評価に満足できないことはよくありますよね。

評価内容の項目は、各企業によって異なりますが、その判断は会社の裁量に委ねられています。

自分に判断された人事評価が違法かどうかを把握するためには、人事評価がどのようにされているか、その仕組みを理解しておくことは大切です。

仕組みを理解することで、自分が正しく評価されているかどうか分析できるでしょう。

企業が「人事評価制度」を採用する目的

人事評価とは、従業員の業績、能力、職務に対する姿勢など具体的な手順を経て評価することです。

人事評価は従業員の賃金を決める要素のひとつともなりますが、以下の3つの意義や目的があります。

  • 人員の最適な配置
  • 人材の育成
  • 企業のビジョンや経営方針の明示

これまで多くの企業では、日本独自の雇用システムとして「年功序列型」や「終身雇用制度」が定番とされていました。

しかし、現在では、企業のグローバル化や労働環境の変化に伴い、各企業が定めた人事評価のもと賃金の決定や昇給・昇進、人材配置が行われています。

また、人事評価で従業員一人ひとりを公平に評価することで、会社への貢献度が高まり、企業のビジョンに沿った人材の育成につながります。

つまり、人事評価制度は、企業の業績アップへとつながるのです。

人事評価を左右する3つの要素

企業が社員を評価する方法には、3つの要素が関係しています。

それは、「業績」「能力」「情意」です。

「業績評価」とは、社員の持つ能力や役割、成果や業績を評価期間ごとに判断する方法です。

成果達成に至るプロセスも評価の対象に含まれることがあります。

「能力評価」とは、業務上求められているスキルや知識をどのくらい発揮したかを評価する方法です。

「情意評価」とは、業務に対する意欲や行動、勤務態度が評価されます。

人事評価には裁量が認められている

人事評価は、社員の能力や実績などを査定する制度です。

そのため、人事評価の査定は、各企業の人事評価制度の枠内での裁量に任されています。

したがって、自分に下された人事評価がおかしい、と感じるとしても、裁量権を逸脱していない限り、違法とはなりません。

人事評価が違法となる「強行規定」

給料が上がらない、役職が付かない、同期は昇進しているのに自分は昇進できないなど人事評価に不満を感じることや、どうしても納得できないことがありますよね。

人事評価の内容や方法によっては、裁量権を逸脱した違法行為となる場合もあります。

では、人事評価が違法となる具体的なケースをみていきましょう。

均等待遇されていない

国籍や社会的身分を理由に人事評価を低くする場合は違法行為です。

労働基準法3条には、「使用者は、労働者の国籍、信条又は社会的身分を理由として、賃金、労働時間その他の労働条件について、差別的取扱をしてはならない。」と規定されています。

つまり、人種や出身地、宗教上の信仰、政治的意見などを理由に人事評価を低くすることは禁止されています。

男女同一賃金でない

性別ゆえに賃金の差別を受けている場合も、違法行為にあたります。

雇用主には、「使用者は、労働者が女性であることを理由として、賃金について、男性と差別的取扱いをしてはならない。」という男女同一賃金原則を当てはめなければいけません。(労働基準法4条)

昇進などで男女が差別されている

性別ゆえに部署の配置や昇進、降格、教育訓練などの差別を受けている場合も、違法行為です。

男女雇用機会均等法6条では、「(配置、昇進及び教育訓練) 事業主は、労働者の配置、昇進及び教育訓練について、労働者が女性であることを理由として、男性と差別的取扱いをしてはならない。」と規定しています。

妊娠・出産や育児休業を理由とする評価

妊娠・出産や育児休業を理由に人事評価が低い場合も違法行為です。

男女雇用機会均等法9条3項には「事業主は、その雇用する女性労働者が妊娠したこと、出産したこと、労働基準法第65条第1項の規定による休業を請求し、又は同項若しくは同条第二項の規定による休業をしたことその他の妊娠又は出産に関する事由であつて厚生労働省令で定めるものを理由として、当該女性労働者に対して解雇その他不利益な取扱いをしてはならない。」と定めています。

また、育児・介護休業法10条等には、「事業主は、労働者が育児休業申出をし、又は育児休業をしたことを理由として、当該労働者に対して解雇その他不利益な取扱いをしてはならない。」と不利益な取り扱い行為を禁じています。

労働組合員であることを理由とする低評価 

雇用主には、労働組合法第7条に基づき、不当労働行為が固く禁じられています。

不当労働行為として禁止している行為には、

・労働者が労働組合員であることを理由とする解雇その他の不利益取扱いをすること(第1号)

・団体交渉を正当な理由がなくて拒否すること(第2号)

・労働者が労働組合を結成し、運営することを支配・介入し、経費援助すること(第3号)

などが該当します。

明らかに不当な人事評価は損害賠償を請求できる

国籍、性別、社会的な身分などの差別ゆえに不当な評価をされることがあります。

また、上司との折り合いが悪い、えこひいきをしている、など人間関係が評価に影響を及ぼすこともありますよね。

明らかに不当な評価をされたなら、どのように対処すればよいのでしょうか?

適正な人事評価を求める

不当な評価ゆえ降格となった場合、使用者や上司に適正な人事評価を求めたり、降格の無効を主張することができるでしょう。

業務上、また組織上の降格が必要だったのか、それとも、能力や適性が欠如していた自分の責任なのかを直接聞くことができるかもしれません。

また、降格することで受ける不利益についても話す必要があります。

損害賠償を請求できるケースもある

人事評価は、評価をする上司(会社)の裁量に任されています。

しかし、労働契約に基づく権利を行使する際には、それを濫用することは許されていません(労働契約法3条5項)

ですから、人の好き嫌いだけで人事評価をしたり、能力や適性が欠如しているという事実がないのに不利益を与える人事評価をしたりすることは、明らかに権利の濫用です。

そのため、適正な人事評価を求めてもそれに応じてくれない場合は違法と判断され、損害賠償を請求できる可能性があります。

損害賠償請求を認めた実例

損害賠償を請求するためにはそれ相当の根拠が必要となりますが、不当な人事評価による損害賠償請求が裁判で認められたケースもたくさんあります。

その中のひとつの実例として「住友生命保険事件」をご紹介しましょう。

この会社では、既婚女性の勤務を歓迎しない姿勢があり、人事評価では既婚女性に対して一律に低い査定を行いました。

つまり、女性従業員に対して、結婚しているか否かを要素に評価を下したのです。

これは明らかに違法行為にあたります。

このように、人事評価は会社の裁量に任されていますが、違法と判断されることもあります。

ですから、あなたの人事評価がおかしいと感じるなら、人事評価が公正に行われているかどうか、強行規定と照らし合わせて確認してみましょう。

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