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再就職手当がもらえる条件とは?支給額の計算式と申請の流れも公開

更新日:

監修者:みんなのユニオン 執行委員
岡野武志

再就職手当のもらえる金額は?計算式と申請の流れ

「失業保険の受給期間中、早めに就職が決まると、再就職手当というお金がもらえる。」

ハローワークで失業保険の手続きをした時に、このような案内を聞いた覚えはありませんか?

失業状態から再就職するまで、就職活動や生活費など、なにかとお金がかかってしまいます。

早めに再就職できて、お金がもらえるなら嬉しいですよね。

この記事では、再就職手当がもらえる条件を解説します。

再就職手当の申請方法や支給額の計算方法も解説していますので、ぜひ最後までお読みください。

再就職手当とは?もらうための条件

再就職手当とは、雇用保険の受給資格がある人が、早期に安定した仕事に就いたときや事業を開始した時に、国からもらえるお金を指します。

前提として、再就職手当は早期の再就職を促進するために支払われています。

その趣旨を前提として、実際に再就職手当が支払われる条件を労働形態別に見ていきましょう。

1.正社員・非正規社員が再就職手当をもらえる条件

ハローワークを運営している厚生労働省のホームページによると、再就職手当をもらうためには、下記8個の条件をすべて満たす必要があります。

  1. 就職日の前日までの失業の認定を受けた後の基本手当の支給残日数が、所定給付日数の3分の1以上あること。
  2. 1年を超えて勤務することが確実であると認められること
  3. 待期満了後の就職であること
  4. 離職理由による給付制限を受けた場合は、待期満了後1か月間については、ハローワークまたは許可・届け出のある職業紹介事業者の紹介により就職したものであること
  5. 離職前の事業主に再び雇用されたものでないこと(資本・資金・人事・取引等の状況からみて、離職前の事業主と密接な関係にある事業主も含みます。)
  6. 就職日前3年以内の就職について、再就職手当または常用就職支度手当の支給を受けていないこと
  7. 受給資格決定(求職申し込み)前から採用が内定していた事業主に雇用されたものでないこと
  8. 原則、雇用保険の被保険者資格を取得する要件を満たす条件での雇用であること
  9. ※  1.の支給残日数については、就職日から受給期間満了年月日までの日数を超えるときは就職日から受給期間満了年月日までの日数が支給残日数となります。

再就職手当をもらうための条件は、再就職時の雇用形態を正社員や正規雇用のみに限定していない点がポイントです。

とてもざっくり言うと、再就職手当の条件として、①失業保険を受けられる期間が約3分の1残っており、②就職先に今後1年以上勤務することが確実であれば、再就職手当をもらえる可能性が高いため、より詳細な条件を満たすかを確認した方が良いといえるでしょう。

正社員でなく、契約社員や派遣社員などの非正規雇用社員として再就職した場合であっても、上記8個の条件を満たしていれば再就職手当をもらうことができます。

2.アルバイトやパート(常用雇用等以外の形態)が再就職手当をもらえる条件

一方、アルバイトやパートなど、常用雇用等以外の形態として再就職した際は、再就職手当ではなく、就業手当がもらえます。

就業手当は、再就職手当に比べると支給額が少なくなってしまいますが、失業保険とは別にもらえるものですから、忘れないようにしましょう。

就業手当の条件は、とてもざっくりとお伝えすれば、「失業保険を貰える残りの期間が全体の3分の1以上で、かつ45日以上」となります。

これを満たしている人は、より詳細な条件を確認していく必要があります。

以下のハローワークのページに記載がありました。

就業手当について

就業手当は、基本手当の受給資格がある方が再就職手当の支給対象とならない常用雇用等以外の形態で就業した場合に基本手当の支給残日数が所定給付日数の3分の1以上かつ45日以上あり一定の要件に該当する場合に支給されます。支給額は、就業日×30%×基本手当日額((注意5)一定の上限あり)となります。

注意5:

1日当たりの支給額の上限は、1,858円(60歳以上65歳未満は1,503円)となります。(毎年8月1日以降に変更されることがあります。)

就職促進給付 就業手当について|ハローワークインターネットサービス

アルバイトやパートだから再就職手当をもらえない…とあきらめず、就業手当の条件とご自分の状況を見比べてみてください。

再就職手当の申請から受給までの流れ

再就職手当をもらうための手続きは、住居所を管轄しているハローワークで行います。

再就職の際に引っ越した場合も、失業保険の受給手続きを行ったハローワークで手続きを行いましょう。

手続きの大きな流れとしては、以下のようなものになります。

  1. ハローワークに再就職を報告
  2. 再就職手当支給申請書をハローワークに提出
  3. 支給決定

順にみていきましょう。

1.ハローワークに再就職を報告する

再就職が決まったら、就職日の前日、または指定された次回の失業認定日までに、以下の書類を持ってハローワークに報告を行いましょう。

  • 採用証明書
  • 失業認定報告書
  • 雇用保険受給資格者証
  • 印鑑

その際、採用証明書は再就職先の会社に記入してもらう必要があります。

受給資格者のしおりに入っている採用証明書を紛失した場合、ハローワークで再発行が可能です。

2.再就職手当支給申請書をハローワークに提出する

ハローワークに再就職を報告して、最後の失業認定を受けた後、再就職手当支給申請書が交付されます。

再就職手当支給申請書の「事業主の証明」欄は、再就職先の会社に記入してもらいましょう。

記入した再就職手当支給申請書を、就職日の翌日から原則1か月以内にハローワークに提出します。

提出は代理人や郵送による提出も可能です。

万が一、就職日の翌日から1か月以内に再就職手当の申請ができなかった場合、就職日の翌日から起算して2年の時効の期間内であれば申請が可能です。

3.再就職手当支給が決定される

再就職手当支給申請書の提出後に、ハローワーク内で再就職手当支給の可否の審査が行われます。

再就職手当支給の支給決定までかかる期間は、明確に決められていません。

参考までに北海道ハローワークのホームページ情報によると、申請書を提出してから再就職手当が入金されるまでの期間は1か月半から2か月程度とされています。

★支給申請書を提出した後、支給・不支給の決定をするために一定の調査期間(おおむね1か月)を要しますので、支給申請書を提出してから入金されるまでの期間は、1か月半~2カ月程度となります。支給・不支給の決定は、調査期間経過後に文書で通知されます。

再就職手当はどのような場合に支給されますか。また、支給される金額はどのくらいですか。 | 北海道ハローワーク

再就職手当の審査状況を確認したい時は、申請したハローワークの窓口に出向いて確認を行う必要があります。

個人情報保護を理由に電話による審査状況の確認に対応していません。

審査状況確認の際は、ハローワークで本人確認書類を提示する必要があります。

運転免許証やパスポートなどの本人確認書類を用意して、ハローワークを訪問しましょう。

再就職手当の支給額の計算方法!上限はある?

それでは、再就職手当はいったいいくらもらうことができるのでしょうか。

その支給額の計算方法を見ていきましょう。

再就職手当の支給額は一律の金額ではありません。

厚生労働省が定める計算式に、個々人の条件をあてはめて、再就職手当の支給額が算出されます。

再就職にかかった日数、退職時の年齢など、個々人の状況によって再就職手当の支給額が変動します。

早期に再就職する方が、給付率が高くなるので、早く再就職するほどもらえる再就職手当の金額が高くなることがポイントです。

再就職手当の支給額を決める計算式は次の通りです。

所定給付日数の支給残日数 × 給付率 × 基本手当日額(一定の上限あり)

計算に用いられるそれぞれの要素について、以下で解説していきます。

1.所定給付日数の支給残日数

所定給付日数の支給残日数は、下記の計算式で算出します。

所定給付日数 - 就職前日までの支給日数

そもそも所定給付日数とは、失業保険の受給ができる最大日数を指します。

所定給付日数は下記の項目を検討材料にして、90日から360日の間で決定します。

  • 離職時の年齢
  • 雇用保険料を払っていた年数
  • 離職理由(自己都合、会社都合)

2.給付率

「給付率」のパーセンテージは、支給残日数によって下記の2通りに変化します。

  1. 支給残日数が3分の2以上の場合は、70%
  2. 支給残日数が3分の1以上の場合は、60%

失業保険がそもそも何日給付される予定だったのかによって、支給残日数も変わってきますので、表にまとめました。

所定給付日数支給率60%支給率70%
90日30日以上残余60日以上残余
120日40日以上残余80日以上残余
180日60日以上残余120日以上残余
360日120日以上残余240日以上残余

3.基本手当日額(一定の上限あり)

2020年10月現在、ハローワーク インターネットサービスの情報によると、基本手当日額の上限は下記の2通りになっています。

  1. 離職時の年齢が60歳未満(59歳以下)の方は、日額の上限が6,195円
  2. 離職時の年齢が60歳以上65歳未満の方は、日額の上限が5,013円

基本手当日額の上限は、毎年8月1日以降に変更されることがあります。

年度によって基本手当日額の上限が変動する場合があるので注意が必要です。

基本手当日額については下記記事に詳細がありますので、こちらもご確認ください。

再就職手当金に関するよくある質問

以上が再就職手当金の条件や手続き・流れですが、他にもよくある質問をまとめました。

失業保険の待機期間中・給付制限中に内定が出たとき再就職手当金は?

雇用保険料を支払っていたとしても、失業後すぐに失業手当の給付が始まるわけではなく、7日間の待機期間が発生します。つまり、失業手当の申請をしたとしても、少なくとも7日間はお金を受け取ることができません。

また、自己都合退職などをした場合は、7日間の後にも、2ヶ月は給付制限がつき、この間も失業手当を受け取ることはできません。(令和2年9月30日以前の退職は3か月)。

この状態で内定をもらったとき、再就職手当金はもらえるのでしょうか。

結論からいうと、「採用日」が2ヶ月の給付制限中であれば再就職手当金の条件は満たしますが、7日間の待期期間中は、条件を満たさず、再就職手当金をもらうことはできません。

そしてこの「採用日」は、内定が出た日ではなく、入社日として実際に働き始める日を指します。

そのため、単に内定が出ただけであれば、再就職手当金が支給されないとはいえません。

待機期間中(7日)給付制限中(2ヶ月)
内定のみ
(採用日は待期期間後)
条件OK条件OK
採用日(入社日)条件を満たさない条件OK
※スマホの場合、左右にスライドします

あくまで「受給資格決定日から7日以後に働き始める」のであれば、問題ないということですね。

詳細は以下の記事をご確認ください。

再就職手当は個人事業主になった場合でももらえる?

再就職手当というくらいですから、個人事業主として独り立ちする場合には、もらえないようにも思えます。

ですが、再就職手当の目的は「なるべく早く職に就くことを促進する」というもの。

そのため、個人事業主であったとしても、再就職手当を支給してもらうことができます。

ただ、2ヶ月の給付制限を受ける場合(自己都合退職の場合など)、7日間の待期期間後から1か月間は個人事業主となっても再就職手当支給の条件を満たさない点に注意してください。

給付制限がある場合、上記期間中は「ハローワーク仲介による再就職」でなければ再就職手当を支給しない、という条件に引っかかってしまうためです。

「個人事業主の開業届を税務署に提出した日」が待期期間後1か月を過ぎていることを確認しましょう。

試用期間でも再就職手当は支給される?

新たに就職したところで試用期間が設定されていた場合でも、再就職手当は支給されます

試用期間と聞くと、「まだ採用が決まったわけではないのでは…」と不安に思ってしまう方もいるかしれませんが、試用期間でも雇用契約は有効に成立しています。そのため、再就職したことには変わりません。

ただ、再就職手当を受けるための他の条件を満たしていることはもちろん必要になってきます。

派遣社員でも必ず再就職手当は支給される?

要件を満たせば、派遣社員でも再就職手当が支給されることは上で見たとおりです。

ただ、注意点として、1年以下の雇用期間が定められ、その更新をしないと明確にされている場合には、要件の一つである「1年を超えて勤務することが確実」という点を満たさない可能性があります。

不安な場合は、必ず事前に派遣会社のスタッフに確認をしておきましょう。

派遣と再就職手当については、以下の記事も詳細ですので確認してみてください。

基本手当と再就職手当、結局どちらが得?

失業保険の基本手当をこのまま貰い続けるか、再就職手当を貰って再就職するか、悩んでしまう方も多いようです。

もちろん、再就職先の条件や、失業保険における基本手当の額によっても変わってくると思いますが、どちらにせよ就職はご縁ということもあり、タイミングが大切になってきます。

今いくらもらえるのかという視点もそうですが、長期的な視点から自分が得になる選択肢を選んでみてくださいね。

失業保険と基本手当に関する記事もぜひ参考にしてみてください。

就業促進定着手当って再就職手当と同じ?

少し似ている制度として、「就業促進定着手当」というものもあります。

これは再就職手当とは別のもので、再就職手当を受け、半年以上働いた方が、結果的に以前の職場よりも賃金が少なくなった場合に給付できる手当です。

再就職手当をもらった方は、半年後に就業促進定着手当がもらえないか、条件をチェックしてみてくださいね。

ハローワークから出されている就業促進手当の詳細についてもご覧ください。

再就職手当は迅速な転職を後押しする給付

以上、再就職手当の条件と流れをお伝えしました。

失業保険は、急な失業で悩む方を強力に支えてくれる制度。ですが一方で迅速な転職、就職も目指したいですよね。

その際は、再就職手当の条件をしっかりと確認し、もらい忘れないようにしましょう。

監修者


みんなのユニオン

執行委員岡野武志

詳しくはこちら

みんなのユニオンの執行委員を務める岡野武志です。当ユニオンのミッションは、法令遵守の観点から、①労働者の権利の擁護、②企業の社会的責任の履行、③日本経済の生産性の向上の三方良しを実現することです。国内企業の職場環境を良くして、日本経済に元気を吹き込むために、執行部一丸となって日々業務に取り組んでいます。