年俸制で退職したら給料はどうなる?覚えておきたい退職時の基礎知識

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2020年10月1日以降の自己都合退職者は、失業手当の給付制限期間が短縮される変更があります。

年俸制で働いていて退職をいざ考えても「給料は1年ごとで決まっているから途中退職したらどう支払われるんだろう?」だとか、「年俸制はそもそも退職金をもらえるの?」などの様々な疑問を抱きやすいでしょう。

仕事をやめたくても、詳細がわからないままだとなかなか退職届を出す踏ん切りがつかないものです。

この記事では年俸制で退職した場合における給料や退職金の扱い、また年俸制の労働者が退職時に気をつけておきたいことをいくつかご紹介し、スマートに退職するための知識を解説いたします。

年俸制で退職したら給料はどう扱われる?

日本の労働者はどちらかというと月給制で働いている人の方が多い傾向にあり、あなたが年俸制で働いていて退職時の給料はどうなるかで悩んでいたとしても、身近に聞ける人がいなければ途方に暮れてしまうでしょう。

年俸制は扱いが難しいようにも思われがちですが、実はそこまで難しいものではなく、以下のように途中退職しても年俸額を日割りで計算したり、退職金もきちんと規定があれば支給されるのです。

給料計算は日割りで算出される

まずはじめに年俸制で働いていて途中退職した場合、給料は日割りで計算され支払われます。

年俸はそもそも報酬(給料)の金額を1年でまとめて決定しておくものですので、途中退職した場合は今までの働きに応じた分だけを年俸額の中から支給されるのです。

わかりやすくいうと、年俸額600万円で働いていて1ヶ月で退職してしまった場合は、600万円を1年(12ヶ月)で割ると1ヶ月あたり50万円ですから、50万円だけ支給されて、残りの550万円は支払われません。

もちろん月内の中途半端な日付でやめた場合は、さらにその月の所定労働日数や実労働日数を使用して日割りで細かく算出していくことになります。

退職金は就業規則に記載があれば支給

退職金は年俸制労働者でも就業規則に支給する定めがあれば、問題なく支給されます。

退職金制度というものは法律などで定められたものではなく、会社が独自に労働者をいたわるために設けた制度ですので、お勤めの会社が退職金を支払うと決めていれば年俸制であっても支払われるのです。

たとえば就業規則とは別の用紙などに『退職金規程』として特別に設けられていることもありますし、ひとつの就業規則内に退職金をどうするか記載していることもありますので、そちらをチェックされればよいのです。

きちんと退職金が規定されていれば問題はないのですが、企業によっては退職金の定めがない、もしくは支給しない社風であれば、残念ながら退職金を求めることは困難ですから期待しないほうがよいでしょう。

賞与は就業規則によってはもらえない

従業員をいたわる制度として賞与、いわゆるボーナスももらえるかどうかがきになるところですが、賞与も就業規則によって支給されるかされないかが決まります。

賞与もまた会社が独自に決定する制度ですので、就業規則に年俸制労働者であっても支給される旨が明記されていれば支給されるのです。

しかし就業規則に賞与を支給すると定められていても、賞与の支給を決定する日までに就労していない場合は賞与を支給しないとする会社もありますから、手放しでは喜べないのが現実です。

わかりやすくいうと、賞与を支給するかどうかを15日に決定しようとしていたのに、14日で退職してしまえば支給されずに会社を去ることになります。

年俸制労働者が退職時に注意すべきこと

会社をやめるとなると給料はどうなるのかという点ばかりに目がいきがちですが、会社をやめる際には給料以外のことでも気にしておかなければならないことがいくつかあります。

特に年俸制で働いていると一般的な労働者とは適用される法律が違うこともありますので、以下のようなことを正しく覚えておかなければなりません。

退職届は3ヶ月以上前に提出

年俸制労働者が退職したい場合は、3ヶ月以上前に会社へ通知しなければいけません。

一般的には雇用契約を終了する場合は会社に対して2週間前に通知すればよいのですが、年俸制で雇用契約を結んでいる場合は3ヶ月以上前に会社へ通知しなければならないと民法第627条3項で定められています。

民法 第627条

3. 六箇月以上の期間によって報酬を定めた場合には、前項の解約の申入れは、三カ月前にしなければならない。

年俸制は1年で報酬額を決定しますから、民法第627条3項で定められているような「六箇月以上の期間によって報酬を定めた場合」に該当し、労働契約の解約(退職)は三カ月前にしなければならないということです。

残業した場合は残業代の請求を忘れないこと

年俸制労働者が退職する際に見落としてしまいがちなものに残業代があげられますが、時間外労働をしていた場合は残業代もきちんと支払ってもらえます。

年俸額は一般的に残業代がすでに含まれていたり、もしくは残業しても支払われないものと思われがちですが、年俸制であっても超過労働をした場合は年俸制であろうとなかろうと区別されることはありません。

たとえば年俸額内に固定残業代として月40時間を含めていた場合でも、45時間働いていた場合は5時間分の残業代が発生していますから会社へ残業代を請求できるわけです。

ただし残業時間をきちんと記録しておかないと残業代を請求する根拠がありませんから、会社を去るまでにタイムカードのコピーを取っておくなどの行動をしておかなければなりません。

スムーズな退職を実現するには

退職すると決めた以上は、できる限りスムーズに会社を去りたいのが実情でしょう。

会社によっては退職したくてもズルズルと長引かされてしまい、思ったように退職できないことがあります。

以下でご紹介することを覚えておくと、スムーズな退職を実現できる可能性を高めますので覚えておかれるとよいでしょう。

退職届を拒否されたら内容証明郵便を送る

上司や会社によっては退職届そのものを拒む場合がありますが、もし退職届を拒まれた場合は内容証明郵便を用いて通達しましょう。

内容証明郵便は郵便局が送ろうとしている手紙の内容を第三者の立場から証明してくれる郵便サービスのことで、会社が内容証明郵便さえ受け取ってしまえば知らぬ存ぜぬを通せなくなり、退職の意思表示を完遂できます。

たとえばあなたが上司に「会社をやめます」と退職届を提出しても、「いやいや、今はタイミングが悪いから後にしてくれ」などと退職届の受け取りを拒まれ続ければ、いつまで立っても退職の意思表示ができません。

しかし内容証明郵便を会社宛てに送れば「会社をやめる旨」を会社に通知できますから、退職の意思表示ができ、期日到来後には問題なく退職できるのです。

もめたときは弁護士に相談を

退職においてトラブルが発展した場合は、弁護士に相談するのもよいでしょう。

あなた一人だけでトラブル解決に臨んでも会社につけ込まれて泣き寝入りをするおそれがありますが、弁護士であれば法律のエキスパートなので相手から言い負かされにくく主張したいことを通せる可能性を高めます。

たとえば「こんな時期にやめやがって、損害賠償を請求する」と脅された場合、法律を知らない素人だと怖いですし相手の言いなりになりそうです。

しかし弁護士に相談しておけば、法律どおりに退職しようとする労働者に損害賠償請求できないことを教えてくれますし、依頼すればあなたの代理人として会社と話し合ってくれるので安心できます。

まとめ

年俸制で働いていてもやめた月や日付を用いて日割りで給料が支払われ、また就業規則に定めがあれば退職金や賞与をもらうことは可能なのです。

しかし仕事をやめる際はお金のことばかりに目がいきがちで、退職届はいつ出すべきなのかなどの重要なことを見落としてしまいがちなので、忘れずに覚えておかなければなりません。

もし退職時にトラブルが発生しても早めに弁護士へ相談しておくと、余計なストレスや心配にならずスムーズに退職できるようになりますから、少しでもご不安があればぜひ弁護士にご相談ください。

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