副業がバレてクビに?―副業を理由としたクビが有効になる4ケース

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2020年10月1日以降の自己都合退職者は、失業手当の給付制限期間が短縮される変更があります。

新型コロナウイルスの影響で、収入減になった人や失業者が増加しています。

現在の社会情勢と今後の見通しが悪い中、本業の稼ぎだけでは将来が心配になりますよね。

少しでも収入の足しにしたいと副業を始めたのはいいけれど、実は勤め先では禁止されている…という方は少なくないと思います。 

この記事では、会社が副業を禁止することが違法ではないのか、という根本的な疑問から、もし会社が禁止している副業がバレてしまった時、労働者としてどうしたらよいかという点までを解説します。

そもそも副業を会社が禁じることは違法ではないか?

副業を始めてから、いざ会社のルールを確認すると、副業禁止が定められていた…。

会社のルールで決まっているのなら、副業が会社にバレてしまった時、クビになるかもと不安になってしまいますよね。

しかし、勤務時間外で副業を行うことは、労働者の自由ではないのでしょうか?

さらに言えば、会社側が副業を禁止するのは違法ではないのでしょうか?

まずはこういった疑問を解消していきましょう。

なぜ多くの会社は副業を禁止するのか?

副業とは、世間一般で用いられている意味を含むと、収入を得るために本業以外でする仕事といえます。

そのように副業を会社が禁止とする理由のひとつに、労働者の労働時間の把握が困難になることが挙げられます。

法律には、法定労働時間が定められており、原則として、会社(使用者)は1日8時間・週40時間を超えて労働者を働かせてはなりません。(労働基準法第32条)

この法定労働時間を超えて仕事をした場合、残業とみなされ、会社は割増賃金となる残業代を労働者に支払う義務を負います。

そして、労働時間には通算ルールというものがあり、労働時間は、働く先が異なっていても、通算して適用すると法律で定められています。(労働基準法第38条)

つまり、この法律に抵触しないように、会社側も、労働者の通算の労働時間を把握しておかなければなりません。

また、それ以外にも、労働時間の管理を怠ったことによって、気付かない間に労働者に過重労働を強いてしまった結果、労働者のパフォーマンスが落ち、さらには健康面に支障が生じることもあります。

会社側としては、こういったリスクを回避するためにも、副業を禁止する会社はまだまだ多く存在します。

副業禁止規定はどこに書いてある?

働くにあたっての会社内のルールは、就業規則に記載があります。

副業禁止ルールについても、例外ではありません。

会社が副業を禁止しているかどうかは、就業規則を確認してみましょう。

そもそも副業禁止は違法ではないか?

労働者が労働時間以外の時間をどのように利用するかは、基本的には労働者の自由です。

そのため、副業は自由に行えますし、会社が副業を禁止することは原則としてできません。

しかし、労働者は、会社に雇われている以上、本業となる会社の仕事に専念しなければならないという職務専念義務が発生します。

そこで、例外的に、就業規則で労働者の副業を禁止又は制限することができるとされた4ケースがあります。 

  1. 労務提供上の支障があるケース
  2. 業務上の秘密が漏洩するケース
  3. 競業により自社の利益が害されるケース
  4. 自社の名誉や信用を損なう行為や信頼関係を破壊する行為があるケース

過去の裁判例においては、労働者の副業が上記のケースに該当したことで、クビが有効と判断されています。

つまり、会社はこの例外的な4ケースに限定して、副業禁止を規則として設けることは違法ではありません。

クビを避けるため、副業を隠せるか?

前述した通り、会社は4つのケースに限定して、副業を禁止又は制限することができます。

そして、その4ケースに該当してしまった場合、副業を理由としたクビが有効になる可能性が高くなります。

しかし、自分が行っている副業が、その4ケースに当てはまるかは判断しにくいですよね。

最悪クビになってしまう可能性があるのならば、バレないに越したことはありません。

副業がバレてしまう時とはどういった時か、確認していきましょう。

住民税の納付額によって発覚する

所得税の源泉徴収と同じように、会社は労働者に代わって、給与から住民税を天引きし、労働者に課税した市町村へ納付します。(地方税法第321条の3、第321条の4、第321条の5)

この住民税の納付額は前年度の所得によって決まるので、副業で収入が増えることによって住民税が増加します。

本業の所得に比べて住民税の納付額が高くなっているという理由で、副業が発覚することがあります。

副業先で社会保険に加入することで発覚する

副業先での労働時間が社会保険の加入条件を満たす場合、本業だけでなく副業先でも社会保険に加入する必要があります。

その場合、社会保険料は合算して決定された保険料額となり、本業先・副業先それぞれの報酬月額によって按分した社会保険料を納付することになります。結果、本業の勤め先の会社に副業が発覚してしまいます。

周囲からの告げ口によって発覚する

本業とは別のところで仕事をし、対価を得て収入を増やすということは、周囲から見ると「会社が禁止しているのに、ズルい」と思われてしまうこともあります。

こういった不公平感から、周囲の人間が会社に告げ口し、副業が発覚してしまうことは少なくありません。

似たような事例として、不正受給が発覚したきっかけは周囲からの通報ということが数多くあります。

副業がバレてクビ宣告!会社にとれる対応

就業規則で禁止されていたが、副業をしてしまい、隠していたがついにバレてしまった…。

会社として禁止している以上、制裁目的として注意(戒告)から最悪クビ(懲戒解雇)のペナルティが科されることが考えられます。

本業がかすむくらい副業で成功していて、クビを機に副業を本業に転換してやっていくかと切り替えられるような人なら別ですが、そのような人は少数派だと思います。

本業ありきの副業です。

ペナルティが科された時、労働者としてどのような対応ができるかを考えていきましょう。

副業について注意されたとき

最も軽いペナルティは口頭での注意(戒告)になります。

会社のルールである就業規則に違反していることが事実で、本業で仕事を続けたいのであれば、注意は受け止めましょう。

注意された時は、一過性の収入であり継続性がなく、本業には支障が出ていないことや、どうしても急な出費が重なり、仕方なく手を出してしまったといった理由で素直に謝罪しておくことが有効でしょう。

なお、既に所有している資産を運用して収入を得ることや、不用品をリサイクルショップ等で売って収入を得ることは、一般的に副業とみなされない場合が多いので、そもそも副業には該当していないと主張することは可能です。

副業を理由にクビを宣告されたとき

就業規則違反を理由にクビになってしまった際、労働者としてできることは、不当解雇であるとして争うことが挙げられます。

不当解雇であると判断された場合、クビが無効となり、損害賠償を請求できる余地があります。

実際に過去の裁判例では、副業が就業規則違反であるとの理由に行ったクビを不当解雇であると判断し、会社側に支払いを命じた事例もあります。

会社側としても、不当解雇であると訴えられるリスクがあるため、副業の発覚により直ちに労働者をクビにするとは考えにくいですが、そのリスクを負ってもなお会社がクビを宣告したとすれば、それはこの記事で既に紹介した4ケースに該当し、不当解雇に当たらず、クビが有効になると考えている可能性が高いでしょう。

最後に

法律上、労働者が勤務時間外に副業をすることは、原則自由で、認められます

しかし、会社が例外的な4ケースに限定して副業を禁止することも、違法ではないことをご紹介しました。

実際に会社の就業規則で副業が禁止されている場合、「許可なく他の会社等の業務に従事しないこと」と許可制になっていることが多くあります。

これはかつて、厚生労働省がモデル就業規則としてこの文言を記載していたことが影響しています。

※2018年にモデル就業規則の副業・兼業規定は変更されています。

この従来の文言により、現在も副業を許可制にしている会社は非常に多いです。

許可制になっている場合、副業を検討している・すでに着手している方は、早い段階で上司と一度相談して、許可を得ておくことが最善策でしょう。

相談する時、クビが有効になってしまう4ケースに該当しないことを同時に確認しておくと、より安心につながります。

そもそも、日本国憲法第22条には「職業選択の自由」が明記されていますし、近年は「働き方改革」とともに、国としても副業を奨励する動きが活発化しています。

クビになるかもと後ろめたい気持ちでこそこそ副業を始めるより、守るべきラインを会社としっかり確認したうえで、やりたい・やってみたい副業に思いっきりチャレンジしてみてはいかがでしょうか。

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