その懲戒処分違法ではありませんか?~懲戒に関するQ&A~

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目次

Q1、就業規則に定めのない懲戒処分を行うことはできますか。

A、懲戒とは、使用者が労働者に対して行う労働関係上の不利益措置のうち、企業秩序違反行為に対する制裁をいいます。

就業規則等に記載がない場合には、根拠がないので懲戒できません。

最高裁は、「企業秩序は、企業の存立と事業の円滑な運営の維持のために必要不可欠なものである」としたうえで、「規則に定めるところに従い制裁として懲戒処分を行うことができる」としています(最高裁三小判決昭和54年10月30日)。

また、他の判例では、懲戒の事由と種別を定める就業規則が「適用を受ける事業場の労働者に周知させる手続きが採られていることを要する」と周知まで求めています(最高裁二小判決平成15年10月10日)。

実務的には就業規則に記載された懲戒自由に基づいて、記載された種類の懲戒処分を行うべきです。

なお、懲戒処分に就業規則等の規定が必要であるとしても、その内容は単に「服務規律を乱したとき」「会社の規則・命令に違反したとき」のような抽象的なもので問題ありません。

実務では、あらゆる事態に対応できるように、就業規則にできるだけ多数の懲戒事由を網羅的に列挙し、かつ包括的事由も用意しておきつつ、実際の適用に当たっては、個々の事由を限定解釈のうえで当てはめ、包括的事由は用いないことが適当です。

Q2、懲戒は、どのような場合に権利濫用となりますか。

A、労働契約法15条は「使用者が労働者を懲戒することができる場合において、当該懲戒が、当該懲戒に係る労働者の行為の性質及び態様その他の事情に照らして、客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当であると認められない場合は、その権利を濫用したものとして、当該懲戒は無効とする」としています。

したがって、懲戒事由に該当しても権利濫用の場合は、懲戒処分が無効となります。

なお、この条文は抽象的なので、実際の懲戒処分の有効性は個々の裁判所で判断することになります。

権利濫用か否かの具体的判断基準では、労働者の非違行為と懲戒処分の内容の均等が重要とされ、懲戒処分が重きに失する場合には、権利濫用として無効となります。

このバランスは、企業秩序維持のために認められる懲戒処分なので、各企業の実態、特に服務規律や慣行のあり方によって判断されることになり、当該企業の労働者にとっての予測可能性と、バランスの社会的相当性とがポイントになります。

最近の裁判例では、適正な手続きを経て懲戒に至ったかというプロセス面も有効性判断に影響しており、プロセス懈怠を理由に権利濫用として無効とされることもあります。

Q3、懲戒処分の種類には、どのようなものがありますか。

A、懲戒処分としてどのような処分ができるかについて法定されていません。一般的には、譴責・戒告、減給、出勤停止、懲戒解雇といった懲戒処分を規定する就業規則が多く、降格、降職を規定するものもあります。

懲戒処分のうち、労働契約の存続を前提とするものは、譴責、戒告、減給、出勤停止が代表的です。

譴責は、始末書を提出させて将来を戒める処分です。

戒告は、始末書を提出させずに将来を戒める処分です。懲戒処分ではない事実上の注意が多用されます。

減給は、本来ならば支給されるべき賃金の一部を差し引かれる処分です。1回の減給額は平均賃金の1日分の半額を超え、総額が1賃金支払期における賃金総額の10分の1を超えてはならないとされています(労働基準法91条)。

出勤停止は、労働者の就労を一定期間禁止する処分です。

懲戒解雇は、懲戒処分として労働契約を使用者が一方的に解消する処分です。制裁的性格を有する点で普通解雇と異なります。

懲戒解雇は退職金の不支給・減額を伴うことが多くありますが、必ずしも退職金を不支給または減額しなければならないわけではありません。

また、懲戒解雇の有効性と退職金の不支給・減額の有効性は別次元の問題なので、裁判例でも、懲戒解雇を有効とする一方で、退職金の不支給を無効と判断したものもあります。

また、懲戒解雇とは別に、論旨解雇と呼ばれる懲戒処分もあります。

これは、退職届の提出を勧告し、提出しない場合には懲戒解雇とするものが一般的です。形式的には辞職による労働契約終了にも見えますが、就業規則上は懲戒処分であり、その有効性が問われます。

Q4、懲戒処分に罪刑法定主義は適用されますか。

A、罪刑法定主義とは、国家による刑罰権の行使を抑制し国民の自由を保障するために、犯罪と刑罰をあらかじめ成文の法律によって明確に規定しておかなければならないとする原則です。

労使関係は私人間のものなので罪刑法定主義は適用されませんが、労使の力関係や労働者の一方的な不利益を考慮して、罪刑法定主義に類した考え方が懲戒処分にも適用され、懲戒権の行使を制約します。

具体的には、次のような原則が適用されます。

(1)明確性の原則

不利益を受ける労働者の予測可能性を保障するためにも、懲戒事由と懲戒処分内容が就業規則上に明確に規定されていなければなりません。

(2)不遡及の原則

根拠規定が制定される以前の事実に対して懲戒処分をなすことはできません。

これは仮に、労働者本人が同意したとしても同様です。

(3)相当性の原則

懲戒処分は、懲戒事由の種類・程度その他の事情に応じて相当なものでなければならず、相当性を逸脱する場合には、その懲戒処分は権利濫用として無効となります。

Q5、懲戒事由にはどのようなものがありますか。

A、懲戒事由は法律で定められるものではなく、就業規則等の労働契約により定められます。

一般に次のように分類されます。

(1)経歴詐称

入社時に経歴を偽って申告することです。

学歴や犯罪歴などの重要な経歴の詐称に限定解釈されます。

長期雇用システムの下では重大な懲戒事由とされ、懲戒解雇となる可能性もあります。

(2)職務懈怠

無断欠勤、出勤不良、遅刻過多、職場離脱等の職務規律違反があります。

軽微なものがほとんどですが、日常的なものであるだけに職場規律を乱すという実際上の支障は大きく、繰り返されることにより重い懲戒処分も可能となります。

(3)業務命令違背

時間外労働、配置転換、出張命令等への違反です。

業務命令は有効ですが、命令違反に対する懲戒処分が重きに失して無効ということもあります。

(4)業務妨害

労働組合の不当な争議行為、労働者間のトラブル、自宅待機命令を拒否しての強行就労など、労働者による自企業の業務の妨害です。

(5)職場規律違背

労務の遂行や職場でのその他の行動を規律している諸規定の違反です。

主に就業規則違反が問題となります。

横領・背任、窃盗、従業員への暴行、セクシュアル・ハラスメント、情報漏洩等が該当し、また、政治活動、ビラ配布、宗教活動等もこれに含まれます。

(6)従業員たる地位・身分に伴う規律違反

私生活上の非行、二重就職、誠実義務違反等の労働契約に伴う地位に基づく非違行為であり、労働契約への影響の程度が問題となります。

職場とは関係のない場面での非違行為であり、業務との関連性が問題となります。

Q6、賞罰委員会の審議を経ない懲戒処分は有効ですか。

A、法律上、懲戒処分を行う場合に賞罰委員会等の開催や諮問・同意を必要とする規定はなく、賞罰委員会の審議は、あくまでも就業規則等の労働契約に基づいて必要とされます。

就業規則等に定めがあるにもかかわらず賞罰委員会の審議を経なかった場合は、就業規則違反となりますが、直ちに懲戒処分の効力が無効となるわけではありません。

しかし、裁判例では、この審議を欠くことは手続き上の大きな瑕疵なので、懲戒処分を無効とする傾向があります。懲戒解雇のように労働者の不利益が大きい処分については、手続き違反が効力を否定する理由となる可能性は高いのに対し、比較的軽度の懲戒処分では、それだけで直ちに無効とはなりません。

Q7、同一懲戒事案について行う二重処分は効力がありますか。

A、「一時不再理」とは、1つの事件については再度審理できないことをいいます。

同一事件について2度の刑罰を受けないとするもので、国家の刑罰権を抑制します。

労働契約に基づく懲戒権の行使についても、この一時不再理が主張されることがありますが、これらの原則を規定する明文はなく、そもそも国家権力の発動の場でもありません。

もっとも懲戒処分についても、労働契約の解釈としての当事者意思か公序が認められれば、一時不再理に類した制約が働くことになります。

懲戒は制裁の性格を有しており、刑罰と類似していることから、一時不再理という当事者意思は認められます。

仮に就業規則で二重の懲戒処分ができる旨の規定があっても、これは公序により無効となります。

よって、懲戒処分についても一時不再理の適用があると考えられます。

就業規則の懲戒事由に「数回懲戒処分を受けたのになお改悛の見込みのない場合」と規定されている場合、これはすでに受けた懲戒処分を理由として懲戒するようにみえ、一時不再理に反するとも考えられます。

しかし、刑法でも前刑から一定期間内に再犯をした場合には、再犯の刑が最大で2倍となるので(再犯加重)、再犯で前刑を考慮に入れることは、直ちに一時不再理に反するということにはなりません。

労働契約に基づく懲戒処分においても同様に、過去の懲戒処分を理由として、再度の非違行為に対する懲戒処分を重くすることはできますが、懲戒処分を数回受けたこと自体を理由として懲戒することはできません。

なお、最近では比較的軽微な非違行為を繰り返す労働者も見られます。

「改悛の見込みのない」ことだけを理由に懲戒することはできませんが、このことを懲戒処分加重の理由とすることはあり得ます。

疑義をなくすためにも、過去の懲戒処分を加重事由とする旨を就業規則に規定しておくべきです。

Q8、軽微な職務懈怠でも多数回となれば懲戒解雇事由となりますか。

A、無断欠勤、出勤不良、勤務成績不良、遅刻過多、職場離脱、仕事上のミスなどの職務懈怠は、それ自体は労働契約に基づく労務提供義務の不履行にすぎず、企業の規律に違反し職場秩序を害する場合に限って、これらの職務懈怠が懲戒処分の対象となります。

しかし、現場において、度重なる職務懈怠は労使関係の基礎である信頼関係を喪失させることになります。長期雇用システムの下での継続的な労働契約においては、信頼関係が失われたことが契約解消の理由ともなり得るので、普通解雇ができる余地もあります。

さらに、この背景にある当事者間の感情的な対立が生じた過程における労働者の行為態様をとらえて、懲戒解雇が可能となる場合もあります。

懲戒解雇事由は、労働契約上の記載に基づきます。

懲戒事由と懲戒処分とを直結させている就業規則の場合は、軽微な非違行為は戒告などの軽微な懲戒処分に限定されているので、懲戒解雇はできません。

これに対して、懲戒事由と懲戒処分とを直結させていない場合、あるいは「服務規律に違反したとき」というように懲戒解雇事由が抽象的である場合は、軽微な非違行為も懲戒解雇事由に当たる可能性があります。

また、「改悛の情がみられないとき」を加重事由としている場合にも、懲戒解雇となる可能性があります。

多数回の非違行為に対する懲戒解雇が権利濫用とならないためには、職務懈怠行為の回数が多数回であったり、懈怠が連続又は集中したり、懈怠による職場秩序の混乱が著しいなど、客観的に非違行為が悪質であり、労働者が反抗的な態度を示すなど、主観的に当該労働者に改善の見込みがないことが必要となります。

実務では、どんなに多数回であっても軽微な職務懈怠だけを理由として懲戒解雇することは少なく、反抗的な発言や業務命令違背などがあってはじめて懲戒解雇を検討する余地が出てきます。

Q9、懲戒処分としての始末書の不提出を理由に、懲戒処分をすることはできますか。

A、就業規則の定め方にもよりますが、懲戒処分である譴責では始末書の提出を求めることが多くあります。

この場合の始末書は、単に非違事実を報告するだけの顛末書にとどまらず、反省・謝罪の意の表明を求めるものであることが一般的です。

労働契約では、本来的には労務提供と賃金支払いとが対価関係にあるので、反省や謝罪という精神面での服従がなくても、労務提供自体は遂行できます。

よって、始末書の性格にもよりますが、不提出を理由とする懲戒処分は無効となると考えられます。

真意でない反省文を無理に取得しても、人事管理上の意義は乏しいので、反発する労働者に対しては、配置転換・転勤などの適正な範囲内での人事権の行使により対応するのがよいでしょう。

Q10、懲戒前処分としての休職命令は可能ですか。

A、使用者が懲戒処分の対象事実を調査確認して、その処分を決定するには相当の時間がかかります。

しかし、この間に当該労働者の就労を認めると、業務に支障が生じる場合があるので、使用者としては、休職または自宅待機を命じることになります。

労働者には就労請求権がないので、賃金が保障された上での自宅待機は、業務命令として使用者が命じることができます。

ただし、必要性が不十分であったり過度に長期間にわたる場合は、権利濫用として無効となるおそれがあります。

これに対して、原則として賃金が無給となる休職は、労働契約上の根拠が必要とされます。

休職命令権を明示していない就業規則もありますが、解釈または信義則上、使用者の命令権は認められます。

この場合、休職命令が有効となるには相当の合理性が必要となります。労働基準法91条が「就業規則で、労働者に対して減給の制裁を定める場合においては、その減給は、1回の額が平均賃金の1日分の半額を超え、総額が1賃金支払期における賃金の総額の10分の1を超えてはならない」と規定していることから、無給とする場合であれば、合理性の判断はさらに厳格となります。

なお、合理性を担保する具体的理由としては、事故発生、不正行為の再発等があります。

休職命令が認められるとしても、懲戒解雇と出勤停止といった重い処分に関してのみ認められます。出勤停止を予定する場合であれば、休職命令の期間は数日が限度でしょう。

Q11、懲戒事由の調査のために自宅待機を命令することはできますか。

A、自宅待機命令とは、懲戒処分である出勤停止とは異なり、業務命令として行われます。

出勤停止が無給であるのに対し、自宅待機命令は有給であり、懲戒処分を決定するまでの間、特に懲戒解雇の前置措置として命令されることが多くあります。

労働者には就労請求権がないので、自宅待機命令は原則として有効ですが、配置転換などと異なり、日本の雇用社会においては例外的な措置といえます。自宅待機命令は労働者にとって経済面以外での不利益もあるので、自宅待機命令の必要性はやや厳格に問われることになります。

事実調査が数日間で終わらないとすれば、もはや軽微とはいえないので、比較的軽微な非違行為の調査のために許される自宅待機命令は、数日間が限度となります。

これに対し、懲戒解雇事由の調査のために許される自宅待機命令は、長期間のものも許されます。

事案が複雑な場合や、賞罰委員会や取締役会の決議・承認を得るという手続きに時間がかかる場合も考えられます。

また、当該労働者自身の弁明を聴いたり、将来紛争になることに備えて証拠資料を集める必要も生じるので、調査が拙速すぎると逆に懲戒解雇が無効となる可能性もあります。

懲戒解雇が無効となれば、自宅待機命令も一定期間超過後は違法となります。逆に、懲戒解雇が有効となれば、自宅待機命令も有効となる場合が多いといえます。

実際には、自宅待機が無効とされた場合の損害賠償責任等のリスクを踏まえたうえで、懲戒解雇を急ぐか、事実解明を待って判断するかの経営判断となります。

Q12、制裁としての出勤停止期間は、どの程度の長さで認められますか。

A、出勤停止とは、服務規律違反に対する制裁として労働者の就労を一定期間禁止することをいいます。

期間中の賃金は支払われず、同期間は退職金計算の勤続年数に算入されないことが多くあります。

出勤停止に関する法律上の制限はなく、労働契約に基づく懲戒処分なので、就業規則の定める懲戒事由の該当性と権利濫用性、公序違反の有無が問題となります。

なお、出勤停止は比較的重い処分なので、懲戒事由該当性は厳格に限定解釈されます。

権利濫用または公序違反の判断では、出勤停止となる期間が重要となります。

実際の処分では、1~3日間の出勤停止がなされることが多く、1週間を超える出勤停止はかなり重い処分と判断されます。

期間を長くすればするほど、使用者にとって懲戒処分が無効となるリスクが高まるので、使用者としては、出勤停止とすることの意味を十分に考える必要があります。

Q13、出勤停止による無給処分は、減給の制裁に当たりますか。

A、労働基準法91条は、懲戒処分である減給の制裁について、「1回の額が平均賃金の1日分の半額を超え、総額が1賃金支払期における賃金の総額の10分の1を超えてはならない」と規定しています。

出勤停止による無給処分について解釈例規は、「制裁としての出勤停止の当然の結果であって、通常の額以下の賃金を支給することを定める減給制裁に関する法第91条の規定には関係ない」としています(昭和23年7月3日 基収2177号)。

裁判例でも、「労務の提供を受領しつつその賃金を減額するものではないから、懲戒処分としてなされる場合でも労働基準法第91条の適用はない」と判断しているので、労働基準法91条は減給の制裁に関する規制であって、出勤停止には適用されません。

なお、出勤停止期間に応じて控除すべき賃金額の計算方法について、法律の定めはありません。裁判例でも、「労働契約及び労働基準法24条に照らし合理的なものであればよい」としたうえで、月ごとの賃金額を各月の所定労働日数で除して欠勤日数を乗ずる方法を採用しています。

Q14、賃金カットと減給処分の相違点はどこですか。また、遅刻3回で1日分の賃金をカットすることはできますか。

A、労働基準法24条は賃金の全額を支払うことを求めています。生活の基盤たる賃金を労働者に確実に受領させるという同条の趣旨から、控除額は実際に労務の提供がなかった時分についてのみ認められるにすぎません。

なお、欠勤・遅刻・早退などがあっても賃金控除をしないという完全月給制を採っている場合には、控除することはできません。

労働契約上の賃金カットは、実際の時分数相当額を超えない限度での労働契約上の賃金減額であり、制裁とはいえず、懲戒には当たりません。

これに対して、実際の時分数相当額を超える賃金の減額は制裁としての懲戒処分であり、労働基準法91条が適用されます。

例えば、遅刻・早退について30分単位で切り上げて、時間計算し減額する場合、これは労働基準法91条の減給の制裁に該当します。

遅刻3回で1日分の賃金をカットすることについて、これを労働契約上の賃金カットとする考え方と、減給の制裁とする考え方があります。

まず、労働契約上の賃金カットと考えた場合、賃金カットは賃金全額支払いの原則との関係で実時分数相当額しか許されないので、1日分の欠勤扱いとして減額することはできません。

一方、減給の制裁と考えた場合でも、懲戒事由は厳格に検討されるので、遅刻3回と欠勤1日を同じものとして扱うことはできず、1日分の欠勤としての減額は認められません。

Q15、労働基準法の減給制裁の制限における「賃金総額の10分の1」をどのように考えるべきですか。

A、過大な減給により労働者の生活が脅かされることを防止するために、減給の制裁は、「総額が1賃金支払期における賃金の10分の1を超えてはならない」とされており(労働基準法91条)、1回の事案に対する制裁が「平均賃金の1日分の半額」と超えてはならないことを受けて、1賃金支払期に数回の非違行為があった場合でも、その減額の上限は10分の1とされています。

1賃金支払期の賃金は、欠勤や時間外労働、時期によって増減するので、10分の1の基準となる賃金総額は異なることになります。

1回の非違行為に対する減給が「平均賃金」の1日分の半額以下とされていることは、使用者が行う懲戒処分の恣意性・過酷性を制約する意義があり、平均賃金を用いることで平準化された基準となり、かつ、客観性をもつことになります。

これに対し、「10分の1」の基準としては、平均賃金が用いられずに「1賃金支払期における賃金」とされていますが、これは、この10分の1の額が減給制裁の最大限となるので、労働者にとっての現実的な不利益の上限を画するものと考えられます。

解釈規定においても、「1賃金支払期における賃金の総額」とは、「当該賃金支払期に対し現実に支払われる(べき)賃金の総額」をいうものとされます(昭和25年9月8日 基収1338号)。

したがって、1賃金支払期における賃金総額が欠勤・遅刻等による賃金カットにより少なくなった場合でも、現実に支払われるべき少なくなった後の賃金を基準として、10分の1が算定されることになり、この限りで、労働者の不利益は小さくなります。

減給の基準となる「1賃金支払期」とは、減給となる時点をいうものであって、非違行為があった時点を指すものではありません。

このように基準を減給となる時点とすると、賃金支払期を使用者が選定することにより減給の総額が異なり得ることになりますが、法は、1賃金支払期に数回の非違行為があることを通常は予定していません。

そこで、各非違行為に対する減額を「平均賃金」の1日分の半額以下とすることで、相当程度平準化され、使用者の恣意は制約されることになります。

Q16、減給の制裁で「向こう3カ月、賃金1割カット」とすることはできますか。

A、国家公務員に対する懲戒処分では、減給の制裁は、1年以下の期間、俸給額の5分の1に相当する額を給与から減ずることができるとされていますので(人事院規則12-0第3条)、公務員に対する減給の制裁として「向こう3カ月、賃金1割カット」という処分は可能となります。

これに対して、私企業の労働者に対する減給の制裁では、労働基準法91条により、(1)1回の非違行為に対して平均賃金の1日分の半額以下、(2)1賃金支払期の賃金の10分の1以下という2つの制限がかかります。

非違行為が度重なって、1賃金支払期に対する減給合計額がその賃金総額の10分の1を超える場合、その超過分の減給は次期に繰り越すことになります。

「向こう3カ月、賃金1割カット」ということは、月例賃金受給者であれば、1賃金支払期に対する減給の計算上の合計額が3割となります。

平均賃金と現実の支給額とが同一であり、月の就労日が25日と仮定すれば、1賃金支払期にまとめて15回25日×3割÷半日分以上の非違行為に対する懲戒処分を行うことになります。

これは現実では考えにくく、事案の処理としても不適当です。

Q17、賞与に対する減給の制裁でも、1回の事案について平均賃金の半日分を超えることができませんか。

A、賞与も、一定の基準により算定される労働に対する対償であり賃金なので、労働基準法91条の「賃金」に当たり、賞与からの減給の制裁にも適用となります。

なお、1回の事案に対する減給の上限は「平均賃金」の半日分です。

平均賃金の算定に賞与は算入されないことから、賞与からの減給には「10分の1」という総額のみの規制がかかるとも考えられ、また、賞与は月例賃金に比較して一般的に高額なので、半日分では効果がないともいえます。

しかし、法文上は月例賃金と賞与とを区別しておらず、また労働者からすれば、月例賃金であっても賞与であっても金員としては同じなのに、減給対象の違いで減給額が異なることは論理的ではありません。

したがって、賞与からの減給の場合であっても、1回の事案について平均賃金の半日分を上限とする制限がかかります。

Q18、懲戒による職務変更で賃金が低下することは、減給の制裁に当たりますか。

A、一般的に職務変更とされる場合にも多種のものがあります。

職能資格等級制度では、個々の労働者の職務は、基本的に人事権の行使により使用者が定めることができます。配置転換・転勤・出向についての使用者の裁量は大きく、職務変更を懲戒処分として行う必要はありません。また、役職を引き下げることも人事権の行使と考えられ、懲戒処分として行う必要はありません。

しかし、資格等級の引き下げは、保有能力を評価するという職能資格の定義から考えると、人事権の行使とは考えられないというのが原則です。

なお、職能資格等級制度において、降格は実質的には懲戒処分に準じる性格を持つので、この合理性の判断は厳格になされます。

これに対して、成果主義賃金の下では、職務決定に関する人事権が使用者にどこまであるかが問題となります。

現時点での日本の成果主義は純粋な職務給制度にはほど遠く、むしろ職能資格等級制度に近い部分が強く残っており、人事権自体は従来どおりに強いものとして運用されています。

このため、職務格下げも懲戒ではなく人事権行使として理解されているので、懲戒としての職務変更の有効性が紛争となることはあまりありません。

もちろん、職能資格等級制度であれ成果主義であれ、懲戒として職務変更が行われた場合には、人事権の行使と比較して、権利濫用性がさらに厳格に判断されます。

職能資格等級制度の下でも、成果主義賃金の下でも、人事権の行使として職務が変更されたにすぎない場合、これに伴う賃金の減額は労働基準法91条の減給の制裁とはならず、人事権行使が権利濫用になるかが問題となるだけです。

人事権の行使に伴い賃金が引き下げられる労働契約上の根拠がなければ、実質的には懲戒処分に準じた厳格な有効性判断がなされることになります。

これに対して、懲戒処分の種類として降格、役職引き下げ、職務変更が就業規則等に規定され、これに伴い賃金が下がる場合は、労働基準法91条の適用はありません。

Q19、懲戒解雇はどのような場合に認められますか。

A、懲戒解雇は、制裁という面では懲戒処分としての意味を持つ一方で、労働契約終了という面では解雇としての意味を持ちます。

一般的な就業規則では、懲戒解雇は解雇ではなく懲戒に関する規程の中で記載されていることから、懲戒解雇は懲戒処分としての性格を強くもっていると考えられます。

普通解雇よりも一段強い処分である懲戒解雇を置くとこで、他の従業員に対する抑止教育効果が期待されています。

経歴詐称や転勤命令拒否、軽微な規律違反が繰り返されて改善の見込みがない場合などには、懲戒解雇を選択する使用者が多くいますが、懲戒解雇を選択したとしても、法的にこれが有効でなければなりません。

懲戒解雇の実体有効性の判断では、労働者の非違の程度を裁判所は重視しています。

非違行為の程度を判断するに当たっては、態様だけでなく懲戒解雇に至る過程での労働者側の反省の姿勢も重要となります。

Q20、懲戒解雇に当たり、弁明手続きは必須ですか。

A、懲戒解雇について、手続きは法定されていません。懲戒解雇の有効性について紛争となったときには、有効性の判断において、(1)解雇理由の告知、(2)労働者の弁明の聴取といった手続きは不可欠であり、これらが不十分な場合、懲戒解雇は権利濫用として無効となる可能性があります。

また、懲戒解雇において、懲戒理由に争いがある事案は少なく、懲戒解雇が「重きに失する」かどうかという相当性が主に問題となります。

そこで、解雇理由の告知と弁明の機会の付与は、使用者の懲戒解雇権の行使を慎重にし、かつバランスを確認することに実際の機能があり、実務上、処分内容を軽くする要素の有無を確認する方法として、特に弁明手続きは意義があります。

もっとも、裁判例においては、「懲戒の性質を有する解雇にあたり、告知聴聞の手続きを経ることを要すると解すべき明文の法的根拠はなく、この手続きを経なかったからといって、当該解雇が必ずしも無効となるものではない」と判断しています。

したがって、弁明手続きを実施することで懲戒解雇が有効となる可能性は高くなりますが、弁明手続きが無くてはならないというわけではありません。

Q21、懲戒解雇において、解雇理由を追加することはできますか。

A、懲戒解雇において、解雇後に解雇理由を追加することは原則としてできません。

解雇理由を追加することについて、最高裁は「懲戒は、労働者の企業秩序違反行為を理由として、一種の秩序罰を課すものであるから、具体的な懲戒の適否は、その理由とされた非違行為との関係において判断されるべきものである。したがって、懲戒当時に使用者が認識していなかった非違行為は、特段の事情のない限り、当該懲戒の理由とされたものでないことが明らかであるから、その存在をもって当該懲戒の有効性を根拠付けることはできない」と判断しています(最高裁一小判決平成8年9月26日)。

したがって、実務では、懲戒解雇理由として使用者が認識・構成していた事実が何であったかが問題となり、必ずしも告知されたことを必要としませんが、不告知は認識していなかったと判断される可能性があります。

ただし、上記判例は「特段の事情」がある場合には解雇理由の追加を認めています。この「特段の事情」について、「告知された非違行為と実質的に同一性を有し、あるいは同種若しくは同じ類型に属すると認められるもの又は密接な関連性を有するものである場合」には、懲戒解雇事由の有効性を根拠付けるとして追加を認めるとした裁判例があります。

Q22、懲戒に際して、労働者の調査協力義務や使用者の調査権は認められますか。

A、就業規則に明記されなくても、職務内容または非違行為と合理的関連性を有する場合、懲戒事由に関する労働者の協力義務が認められます。

しかし、懲戒処分の対象者である労働者にとっては、調査に協力することは自らに不利益なことを陳述することになりかねないので、協力義務は限定的に認められます。

また、調査協力義務が認められる場合でも、その義務違反に対する懲戒処分の有効性に関しては、個別事案ごとに厳格に解されることになります。

労働者の調査協力義務と表裏の関係にあるものとして、使用者の調査権が認められますが、労働者に具体的な被疑事実がない場合には、画一的に調査を行うべきです。

これに対し、具体的な被疑事実がある場合には、職場規律保持権・施設管理権から、使用者に一定の調査権が認められます。

ただし、使用者の調査権は国家の刑事司法作用とは異なり私人間のものなので強制権限等が制限されています。

よって、強制的に身柄を拘束したり、自宅や個人名義の銀行口座を調査することはできません。しかし、かなり確実性の度合いが高い疑いがある場合には、調査に協力しない労働者の態度を不利益に取り扱うことができます。

Q23、二重就職を理由に懲戒解雇することはできますか。

A、法律上、国家公務員については職務専念義務や私企業からの隔離が明文として規定されています。しかし、私企業の労働者について二重就職を禁止する法律の明文はないので、二重就職を禁ずる兼業禁止の規定を就業規則でもつ会社がほとんどです。

二重就労に対する懲戒は、(1)労務提供義務、(2)競業避止義務、(3)秘密保持義務の違反という三つの視点でみることができます。

法解釈としては、二重就職を理由とする懲戒の有効性に疑問が残るので、兼業を当然に非違行為とみるべきではありません。

したがって、軽微な懲戒処分ではなく労働契約終了とする場合、悪質でない限り、普通解雇にとどめたほうが実務的にはリスクが小さくなります。

労働基準法上の兼業禁止の意味は、労働契約に基づく労務提供義務を履行させることにあり、他社での労務提供による肉体的・精神的疲労が相応の程度にとどまる場合には、兼業禁止は無効となります。

裁判例では、兼業しても業務上の具体的支障がないことを理由に解雇を無効とした事案も少なくありません。

また、兼業禁止には、競業他者に対する労務提供を阻害する意味もあります。

しかし、一般の労働者には、取締役と異なり競業避止義務の法律上の名分はなく、労働契約に付随する誠実義務又は職務専念義務の1つとして、競業避止義務を負うと考えられます。

秘密保持義務についても、法定の義務ではなく労働契約に基づく義務といえます。競合他社に営業秘密を漏洩する場合は重い懲戒処分をも有効となり得ますが、公益通報者保護法に該当する場合等には、懲戒処分の判断も慎重に行われます。

Q24、私生活における非行を理由とする懲戒処分は可能ですか。

A、労働者の私生活に関して、使用者が懲戒処分を行うことは、原則として否定されます。

しかし、私生活と業務とを明確に区分できないこともあり、純然たる私生活上の行為であっても会社に相当の不利益が及ぶこともあります。

したがって、一定の場合には、私生活上の非行であっても懲戒の対象とすることができると考えられます。

裁判例では、私生活上の非行が懲戒の対象となる一定の場合について、次のような場合を挙げています。

・企業の社会的評価の低下毀損につながるおそれがあると客観的に認められる場合

・企業の秩序維持確保の観点から許されない行為と認められる場合

・企業の円滑な運営に支障を来すおそれがある場合

なお、私生活上の非行を懲戒の対象とできる場合であっても、相当性は厳しく問われることになり、その処分内容は事案に即し、かつ原則としては軽度なものにとどめる必要があります。

Q25、懲戒解雇では、解雇予告手当や退職金の支払いは不要ですか。

A、懲戒解雇では、解雇予告手当が支払われない場合が多くあります。

しかし、懲戒解雇の要件効果をどうするかは、労働契約または使用者が自由に決めることができるので、懲戒解雇をしても解雇予告手当を支払うことがあります。

法律は、普通解雇であろうと懲戒解雇であろうと、少なくとも30日前の予告か、30日分以上の平均賃金の支払いを要求しています(労働基準法20条1項本文)。

ただし、天災事変その他やむを得ない事由のために事業の継続が不可能となった場合、又は労働者の責めに帰すべき事由に基づく場合は、この限りでないとされています(同項ただし書)。

懲戒解雇の場合に、退職金を不支給または減額と定める就業規則が多くあります。

しかし、懲戒解雇だからといって、当然に退職金の不支給または減額ができるわけではなく、退職金が有する功労報酬的性格に応じた限定解釈が必要となります。

Q26、失踪した社員を懲戒解雇することはできますか。

A、懲戒解雇とは、使用者の労働者に対する労働契約を終了させる意思表示です。

隔地者に対する意思表示は、相手方に到達したときに効力を生じます(民法97条1項)。

相手方に到達したといえるためには、必ずしも相手方がその通知を受領して認識したことを必要としません。

相手方の勢力範囲に入り、了知可能な状態に置かれた時点で到達を認める裁判例もあります。

また、意思表示は、相手方本人に対し到達しなければなりません。

夫に対する通知を内縁の妻が夫不在を理由として拒んだ場合に到達を認めた裁判例もありますが、これは相手方の勢力範囲に入ったという点を重視したものなので、相手方が失踪していて、自宅や妻の居所がその勢力範囲とはいえない場合にまで、到達を認める趣旨ではありません。

なお、相手方の所在を知ることができないときは、公示送達の方法による意思表示を行うことができます(民法97条の2)。

公示送達は、簡易裁判所に申し立て、裁判所の掲示板に掲示され、官報および新聞に少なくとも1回掲載されることが手続きの原則となります。

この手続きを経て、最後の掲載から2週間を経過したときに到達したとみなされます。

実務では、就業規則において「2週間以上無断欠勤が続いた場合は当然退職とする」との規定を有している会社もあります。

通常は相手方に意思表示が到達しないと効力を生じませんが、この規定によれば意思表示が到達しなくても、当該労働者を退職させることができます。

解雇にこだわらず、労働契約を解消することを目的とするのであれば、このような規定を整備するのが適当です。

Q27、経歴詐称を理由として懲戒解雇できますか。

A、長期雇用システムの下では、継続的な信頼関係はその基礎となります。

経歴詐称は、労働契約開始時に信頼関係が裏切られていたことになるので、軽微な懲戒処分では足りず、懲戒解雇がなされることになります。

一方で、長年の経過により信頼関係が形成されてしまえば、かつての詐称の非違性は小さくなるようにも思われ、また十分な労務提供がなされている実績があれば、労働契約上の義務は果たしているといえます。

実際には、経歴詐称があっても懲戒にまで至らない場合も少なくありません。

一方で、企業社会全体としては、採用の実態を考えたときに、経歴詐称を抑止するためにも、懲戒解雇をせざるを得ない事情もあるので、懲戒となる事案では、懲戒解雇が選択されることがほとんどです。

実務的には、事案の重大性について個別事案に即した判断がなされ、重大な経歴詐称が発覚した場合は、懲戒解雇も可能と考えられています。

Q28、業務命令違反を理由として、いかなる懲戒ができますか。

A、労働者の勤務態度に問題が生じてくると、上司が明確な命令を発することがあり、それでも労働者が命令を守らないときは、懲戒の対象となります。

しかし、長期雇用システムの下では、懲戒処分として制裁を与えることよりも、労働者を教育することを目的としているので、実務では、懲戒ではない事実上の注意指導や、人事権の行使による配置転換が行われます。

しかしながら、配置転換命令や転勤命令など命令権の行使として行われる場合、この不服従に対する懲戒は積極的に行われ、企業秩序維持のためにも最強度の懲戒解雇が選択されることになります。

有効性の判断は、業務命令自体の有効性の判断、そしてこれが有効であったとして懲戒解雇の有効性の判断とが順次なされます。

懲戒解雇が無効となる場合には、業務命令自体を無効とするか、相当性を理由に懲戒解雇を無効とする場合があります。

しかし、一般的には、人事権に基づく命令権は原則として有効とされるので、業務命令自体が無効とされることはあまりありません。

裁判例では、会社代表者に対する反抗的言動を契機に労働者を専門外でかつ補充人員の必要性のない部門に強制的に就けさせることで退職に追い込もうとする意図があったという特別な事情があるとして、配置転換命令を無効としたものがあります。

Q29、数年前にあった非違行為を理由として懲戒処分できますか。

A、懲戒処分の目的が秩序維持であるとすれば、非違行為から長期間が経過した場合には、懲戒処分の必要性が乏しくなるともいえます。

判例では、平成5年から翌年にかけて職場で就業時間中に管理者に対して行われた暴行事件に関して平成13年に懲戒処分がなされたという事案について、被害者である管理職以外にも目撃者が存在したので、捜査の結果を待たずに労働者に対する処分を決めることは十分可能であったこと、また、期間の経過とともに職場における秩序は徐々に回復しており、退職処分がされた時点においては、企業秩序維持の観点から懲戒解雇処分ないし論旨退職処分のような重い懲戒処分を行うことを必要とするような状況にはなかったとして、懲戒処分は無効とされたものがあります。

したがって、長期間経過後に懲戒することは慎重となるべきですが、企業秩序が断続的であっても継続して乱されている場合には、かなり以前の非違行為であっても懲戒の対象となる可能性があります。

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