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けがやうつ病などのメンタルヘルス、がんや脳卒中などの病気などを理由にやむを得なく仕事を辞めなければならない状況に誰もが陥る可能性があります。
生活費に加えて、治療費の負担も増えるため「どのようにやり繰りをすればいいのだろう」と不安になりますよね。
でも安心してください。
病気やケガなどで会社を休む場合、一定条件を満たせば、休業中に「傷病手当金」を受け取れます。
この記事では、傷病手当金の支給条件や退職後も継続して受け取るための注意点、申請方法などについてご紹介します。
目次
病気やけがのために明日から働けなくことを考えると、治療のことはもちろん、お金ことも心配です。
そのため、どのくらい傷病手当金が支給されるのか気になることでしょう。
傷病手当金の支給金額はどのように決まるのでしょうか?
傷病手当金の支給金額は、自分で求めることが可能です。
傷病手当金の1日あたりの支給金額は、「 (傷病手当金の支給開始日以前の継続した12ヶ月の平均月額) ÷ 30日 × 2/3」という計算式で求めることができます。
支給開始日とは、最初に傷病手当金が支給された日のことです。
そして、12ヶ月の平均月額は、賞与などの報酬金を含めないで計算します。
支給開始日以前の勤務時間が12ヶ月未満場合は、通常の計算方法と異なるため注意が必要です。
この場合、「支給開始日に属する月以前の直近の継続した各月の標準報酬月額の平均額」、もしくは「標準報酬月額の平均額」のうち、いずれか低い方の金額を使って傷病手当金の支給金額を求めることになります。
傷病手当金の支給額が、調整されることもあります。
それは、次の4つのケースに該当する場合です。
これらのケースに該当する場合は、支給金額に調整が加えられます。
傷病手当金は、会社に所属している人が健康保険から手当金を受け取れる制度です。
在職中に業務外の事由による病気やけがで療養が必要となった場合に傷病手当金が支給されます。
ただし、休業中に傷病手当金を受け取るためには、以下の4つの条件を満たしていなければいけません。
では、4つの条件をひとつづつ確認してみましょう。
傷病手当金の支給条件の1つ目は、「業務外」の事由による病気やけがで療養していることです。
「業務中」や「通勤中」の疾病やけがの場合は、「労働災害(労災)保険」の適用となります。
つまり、傷病手当金と労働災害保険の両方が適用されることはありません。
また近年は、うつ病などのメンタルヘルスによる疾患でも傷病手当金が支給されます。
傷病手当金の2つ目の支給条件は、労務不能であると医師に判断されることです。
労務不能という判断は、療養担当の医師の意見をもとに判断されます。
医師は、被保険者の療養中の状態や仕事内容などを考慮し判断を下します。
自覚症状をしっかり説明するのが大事です。
傷病手当金の3つ目の支給条件は、連続して3日労務不能で休み(公休・有給含む)、さらに1日以上欠勤した場合です。
就労できない連続する3日は「待期期間」と呼ばれており、待期期間が終了した後に1日以上就労できない状態であれば、条件を満たしていることになります。
傷病手当金の最後の4つ目の条件は、休業中に給与の支払いがないことです。
そもそも傷病手当金制度は、給与支払いがない休業期間の生活を保障することを目的としています。
したがって、休業期間中も給与支払いがある場合は、傷病手当金は支給されません。
病気やけがの治療が思った以上に長引き、退職をせざるを得ない状況になることもあります。
「退職後も、継続して傷病手当金を受け取ることはできるだろうか?」と心配になる方もいることでしょう。
でも大丈夫です。
退職後も継続して傷病手当金を受け取ることは可能です。
ただし、注意すべき点もありますので、確認していきましょう。
傷病手当金は、「退職後でも退職日までに継続して1年以上の被保険者期間がある」ことと、「退職日に傷病手当金を受けているか受ける条件を満たしている」なら、退職後も継続して受け取ることができます。
「退職後でも退職日までに継続して1年以上の被保険者期間がある」とは、在職中から傷病手当金が支給されている場合は、そのまま退職したとしても、1年以上の被保険者期間があるなら、継続して傷病手当金が支給されるということです。
ただし、傷病手当金の支給期間は1年6ヶ月と定められています。
したがって、退職した場合でも、支給期間が1年6ヵ月以上にのびることはありません。
「退職日に傷病手当金を受けているか受ける条件を満たしている」とは、定年退職などの直前に申請を行い、傷病手当金の申請を行っていることです。
傷病手当金を受ける条件、①退職日までに継続して1年以上被保険者期間があること、②退職日の前日までに連続して3日労務不能で休んだこと、を満たしていれば、退職後も傷病手当金が支給されます。
退職日に出勤すると、退職後の傷病手当金は支給されません。
ですから、退職後も継続して傷病手当金を受け取りたい場合は、退職日に「絶対」出勤しないでください。
退職日は、今までお世話になった人へ挨拶をするために出社したい、と思われている方も多いことでしょう。
でも、退職日に出勤すると、退職後も継続して傷病手当金を受け取ることができなくなってしまいますので注意してください。
病気やけがで働くことができず、収入がなくなった場合、少しでも早く傷病手当金を受け取りたいものです。
傷病手当金の受給資格がある方は、受給を受けるための申請手続きを行いましょう。
申請手続きは、勤務先ではしてくれません。
自分で行う必要があります。
では、申請手続きの流れをみていきましょう。
傷病手当金の申請方法は、次のよう流れで行います。
ステップ1:勤務先に長期欠勤の相談をする
ステップ2:待期期間中に必要書類を準備する
ステップ3:申請書類を作成する
ステップ4:書類を提出する
ステップ5:審査
ステップ6:傷病手当金の支給
医師から継続して勤務することが難しいと判断された場合は、まず勤務先にその旨を伝え、長期欠勤の相談を行います。
その際、有給休暇の使用の有無、欠勤(休業)中の給与の扱い方などについて確認してください。
先述しましたが、欠勤(休業)中にも給与の支払いがある場合は、傷病手当金の支給は対象外となります。
連続して3日間欠勤する待期期間に、「傷病手当金支給申請書」を入手しておきましょう。
傷病手当金支給申請書は、健康保険証に記載されている保険組合や協会けんぽの窓口に連絡をすれば入手できます。
申請書が手元に届いたら、必要事項を記入してください。
書類には勤務先と担当医師の記入項目もありますので、それぞれ忘れずに記入してもらいましょう。
そして、申請書を提出期限内に提出します。
提出期限は、仕事を休んだ日の翌日から数えて2年間です。
長めの提出期間が設定されていますが、早めに提出されることをおすすめします。
申請書類が完成したら、提出期限内に、指定されている窓口へ提出します。
保険組合に加入している方は勤務先の担当部署、協会けんぽに加入している方はその地域の支部宛てに会社経由、もしくは個人で郵送してください。
また、「傷病手当金支給申請書」と一緒に、休業期間中に給与の支払いの有無についての勤務先の証明書も提出する必要があります。
申請書類の提出後、保険会社では審査が行われ、審査に無事に通過すれば、傷病手当金が支給されます。
みんなのユニオンの執行委員を務める岡野武志です。当ユニオンのミッションは、法令遵守の観点から、①労働者の権利の擁護、②企業の社会的責任の履行、③日本経済の生産性の向上の三方良しを実現することです。国内企業の職場環境を良くして、日本経済に元気を吹き込むために、執行部一丸となって日々業務に取り組んでいます。