プライバシーの侵害とは?判断される3つの要素と会社における事例を紹介

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2020年10月1日以降の自己都合退職者は、失業手当の給付制限期間が短縮される変更があります。

会社で働いていると、プライバシーの侵害なのではないかと疑問に思う場面に遭遇することもあるのではないでしょうか。プライバシーの侵害の定義やどんなときにプライバシーの侵害と認められるのか分かりにくいですよね。この記事では、プライバシーの侵害とはなにか、プライバシーの侵害と判断される3つの要素、会社におけるプライバシー侵害の事例を紹介します。

プライバシーの侵害とは

プライバシーの侵害は法律によって明確に規定されたものではなく、憲法によって認められた権利です。法律による規定はありませんが、過去の判例において公開していない知られたくない私生活の情報を第三者に対して公開されることがプライバシーの侵害であると考えられています。刑法上の規定がないので、プライバシーの侵害をしても刑事罰を受けることはありません。ただし、民法上の不法行為として損害賠償金の請求が可能です。

公開していない私生活の情報を第三者に対して公開されること

プライバシーの侵害は法律によって明確に規定されていません。そのため、プライバシーの侵害とはなにか、どんなプライバシーの侵害となるのかの定義があいまいになっています。裁判所における過去の判例では、プライバシーの権利として「いわゆるプライバシー権は私生活をみだりに公開されないという法的保障ないし権利として理解される」と定義しています。

参考資料:『宴のあと』事件 東京地裁昭和39年9月28日

刑法上の規定はない

プライバシーの侵害は刑法上の規定がなく、刑事罰もありません。そのため、プライバシーの侵害をされても、相手を逮捕してもらったり、実刑にしてもらうことはできません。

プライバシーの侵害と混同されがちな名誉毀損については、名誉毀損罪という刑事罰があり、名誉毀損で有罪になった場合は「3年以下の懲役または禁錮、もしくは50万円以下の罰金」が科されます。

民法上の不法行為として損害賠償金の請求が可能

プライバシーの侵害で相手に刑事罰を与えることはできませんが、民法上の不法行為として損害賠償金の請求をおこなえます。プライバシーの侵害に対して損害賠償金の請求をおこなうためには、該当する行為が裁判所で「プライバシーの損害である」と認めてもらうことが必要です。

プライバシーの侵害と判断される3つの要素

過去の判例においては、プライバシーの侵害に対し法的な救済が与えられるための要件として以下の3点が必要であるとしています。

  • 私生活上の事実または私生活上の事実らしく受け取られるおそれのあることがらであること
  • 一般人の感受性を基準にして当該私人の立場に立つた場合公開を欲しないであろうと認められることがらであること
  • 一般の人々に未だ知られていないことがらであることを必要とし、このような公開によつて当該私人が実際に不快、不安の念を覚えたこと

参考資料:『宴のあと』事件 東京地裁昭和39年9月28日

上記の要件をかみ砕いて分かりやすくすると、以下の3点になります。

  • 私生活に関する事実であること
  • 公開されることで不快に思うと一般的に判断される内容であること
  • すでに公開されている内容ではないこと

プライバシーの侵害と判断されるためには、具体的にどのようなことが必要になるのか具体的に解説します。

私生活に関する事実であること

プライバシーの侵害と認められるためには、侵害されるプライバシーが私生活に関する事実であることが求められます。誰が聞いてもデタラメだと分かることや冗談だと思われる内容の場合は認められないケースがあります。

また、事実ではなくても事実かもしれないと受け止められる内容の場合はプライバシーの侵害と認められる可能性があります。「あの人は同性愛者だ」と言いふらされた場合には、それが事実かどうかは関係ありません。

公開されることで不快に思うと一般的に判断される内容であること

私生活に関する事実であり公開されていない内容であっても、公開されることが一般的に不快に思うことだと判断されなければ、第三者に公開されてもプライバシーの侵害と認められないケースがあります。

「昨日の夕食はカレーだった」という事実は、私生活に関する事実であり公開されていない内容ですが、一般的には公開されても不快に思わないので、プライバシーの侵害と認められないこともあるということです。

すでに公開されている内容ではないこと

名前・住所・電話番号・職業などはプライバシーになりますが、すでに公開されている情報については、第三者に公開されてもプライバシーの侵害と認められないケースがあります。

ネット上で住所や電話番号を公開している場合には、第三者がネットに電話番号を書いたとしてもプライバシーの侵害と認められないこともあるということです。

会社におけるプライバシー侵害の事例

ロッカー内の私物を勝手に写真撮影したケース

共産党員あるいはその同調者であることのみを理由に、ロッカーを勝手に開けて私物を写真に撮影したケースです。

「職場における自由な人間関係を形成する自由を不当に侵害するとともに、その名誉を毀損するものであり、また、被上告人Y2らに対する行為はそのプライバシーを侵害する」としてプライバシーの侵害が認められています。

参考資料:関西電力事件

HIVに感染していることを第三者に漏洩したケース

派遣労働者がHIVに感染していることを派遣先会社が派遣元会社に漏洩しプライバシーの権利を侵害したと認められています。告知をすることに業務上の必要性が認められず、不法行為の成立が認められました。

参考資料:HIV解雇事件

私用メールが監視されたケース

上司を批判する内容のメールを、該当する上司に対して誤送信したことをきっかけに、メールの内容を監視されたケースです。

社内メールを私的利用した場合は、保護されるプライバシーの範囲は制限されるとしつつ、「社会通念上相当な範囲を逸脱した監視がなされた場合に限り、プライバシー権の侵害となる」と判断されています。

参考資料:電子メール・プライバシー事件

所持品紛失を理由に従業員に対して身体検査をおこなったケース

仕事先から財布がなくなったという連絡を受け、仕事をおこなっていた従業員に対し所持品検査をおこなったケースです。企業として必要であり効果的な方法だったとしても、従業員に対し所持品検査をおこなうことは許容されるものではないと判断されています。

所持品検査を適法とするためには、少なくとも以下の要件が必要とされています。

  • 所持品検査を許容する就業規則その他明示の根拠に基づいて行われること
  • 合理的理由に基づいて、一般的に妥当な方法と程度であること
  • 制度として、職場従業員に対して画一的に実施されるものであること

参考資料:日立物流事件

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