妊娠を理由に解雇されるのは違法?解雇された時の正しい対処法とは

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2020年10月1日以降の自己都合退職者は、失業手当の給付制限期間が短縮される変更があります。

女性の社会進出が進んだことによって社会で活躍する女性が増えた一方、妊娠を理由に解雇を言い渡されてしまったり、退職を迫られてしまう方も増えているかと思います。

今回の記事では、そのような妊娠を理由に解雇されたり、退職勧奨をされた時の対処法を説明します。

妊娠による解雇は違法?

妊娠を理由に会社から解雇された場合、会社側は違法となるのでしょうか。

また、解雇まではいかなくても、減給や降格などの従業員にとって不利益な取り扱いは違法なのか確認しましょう。

妊娠による解雇は違法で無効

妊娠による解雇は違法であり無効です。

男女雇用機会均等法第9条4項に、「妊娠中の女性労働者及び出産後の1年を経過しない女性労働者に対してなされた解雇は、無効とする」と定められています。

ただし、会社側が解雇の理由が妊娠以外であることを証明できれば認められています(同項ただし書き)。

そのため、本当は妊娠が理由なのに、妊娠以外であることを理由にして解雇しようとする会社も中にはあります。

しかし、その理由は、客観的に見て合理的であると認められる必要があります(労働契約法第16条)

例としては、従業員が会社の売上を着服していたことなどが挙げられます。

単に能力不足や勤務態度が悪いといったことを解雇理由にする会社も多いですが、ほとんどの場合は客観的にみて合理的であるとは認められません。

これらの理由が認められるには、会社が従業員に対して再三にわたる注意・指導を行なったが、一向に改善されなかったことを会社側が記録するなどして証明しなければなりません。

解雇以外の不利益な扱いを受けた場合も違法

妊娠を理由に、解雇以外の不利益な扱いを行う事も違法です(男女雇用機会均等法第9条3項)

ここでいう不利益な扱いとは、以下の事が当てはまります。

  • 減給
  • 降格
  • 不利益な配置転換
  • 不利益な自宅待機を命ずること
  • 昇進、昇格において不利益な評価を行うこと
  • 契約社員の場合、契約の更新をしないこと
  • 派遣社員の場合、派遣先の会社が受け入れを拒むこと

これらの例は従業員にとって不利益な扱いとして会社側の違法です。

上記にもあるように、妊娠による解雇や不利益な扱いを禁ずることは、正社員のみならず契約社員や派遣社員、パートの方にもあてはまります。

ただし、あくまで会社が従業員に対して不利益な扱いをする事が禁止されるのであって、例えば妊娠中の女性自らが軽易な業務への転換を希望して配置転換が行われた場合などは違法にはなりません。

退職勧奨された場合は

解雇ではなく、会社をやめてもらえないかと会社側から退職勧奨された場合はどのように対処すればいいのでしょうか。

また、自発的に同意したわけではなく、社内の上司からしつこく言われたり、半ば強要される形で同意してしまった場合はどのような対処をとれば良いのか確認しましょう。

働く意思がある場合、きちんと断る

妊娠を理由に辞めて欲しいと言われた場合、辞めるつもりがないのであれば、はっきりと断ることが大切です。

会社側は妊娠したことを理由に解雇することは出来ません。

ここで働く意思をしっかりと示すことが重要です。

脅迫や強要による同意は無効

退職を迫られても応じない場合、上司から高圧的な態度で何度も解雇を促されたり、複数の上司から退職を迫られることもあります。

そのような退職勧奨は、脅迫や強要にあてはまり違法です。

高圧的な態度で退職を迫られても、毅然とした態度で断りましょう。

また、退職勧奨に同意してしまった場合であっても、このような違法な退職勧奨による退職は無効であることを主張できます。

妊娠によって解雇された時の対処法

妊娠を理由に解雇されることは、会社側の違法であり、無効になることがわかりました。

では、実際に妊娠によって解雇されてしまった場合、どのような対処をすればいいのか確認しましょう。

解雇理由証明書などの解雇理由が不当だと示す証拠を集める

解雇を通知された時点で、解雇理由証明書をもらってください。

解雇理由証明書が必要な理由は、あとになって解雇の理由を会社側が変更してくるのを防ぐためです。

もっとも、会社側も素直に妊娠を理由に解雇と書くことは少なく、勤務態度や能力不足といった別の理由にすることが多いかと思います。

解雇理由証明書に書かれている理由が真実ではないことを示すために、解雇に関するやりとりの音声での記録やメールの履歴など証拠をとっておくことをおすすめします。

男女雇用機会均等法第9条4項ただし書きにより、解雇の理由が妊娠以外であることを証明するのは企業側にあります。

しかし、少しでも優位に進めるためにも、ご自身でできることは予め行うことが重要です。

内容証明郵便を送る

証拠を集めたら、解雇の無効を主張する内容証明郵便を会社に送ります。

内容証明郵便とは、文書の内容と誰から誰に差し出されたかを郵便局が証明してくれる郵便のことです。

さらに、配達証明書つきの内容証明郵便で送れば配達記録も残るので、会社側からそのような郵便は届いてないと言われることを防ぐことができます。

また、妊娠を理由に解雇されていなかったら本来もらえていた給与も、内容証明郵便で会社側に請求することが可能です。

労働基準監督署に相談

内容証明郵便を送っても、会社側から何の反応もなかった場合は、どうすれば良いのでしょうか。

そのような場合は、労働基準監督署へ相談しましょう。

会社側の法律違反が発覚すれば、労働基準監督署が会社に対して是正指導や勧告をしてくれます。

是正指導や勧告の為、強制力はありませんが会社側が聞き入れなかった場合は企業名を公開されることもあるので、ある程度の効果は期待できます。

労働審判を申し立てる

労働基準監督署に相談しても、会社側が聞く耳を持たない場合は労働審判を申し立てることがおすすめです。

労働審判では、当事者(従業員と会社)の他に、職業裁判官の労働審判員1名と民間出身の労働審判員2名の労働審判委員会が間に入って調停による解決を目指します。

調停とは端的にいえば、話し合いのことです。

原則3回以内の期日で話し合いがまとまらず、解決できない場合は審判が行われることになります。

原則3回以内の期日で終了するため、平均2〜3ヶ月程度で解決できるところが労働審判のメリットです。

また、調停での決定や審判内容は、裁判上の和解と同じ効力があり会社側が応じない場合は強制執行できます。

ただし、ここで会社側との話し合いがまとまらずに、出された審判に会社側が納得せず異議を申し立てた場合は訴訟手続きに発展します。

訴訟する

労働審判でも解決しない場合、訴訟をして裁判で争うことになります。

裁判になりますと、労働審判とは異なり手続きも厳格で、専門的な知識が必要です。

これらを一人で行うとなると、時間も労力も大きくかかります。

特に現在妊娠中で、これから出産を控える方にとって裁判は大きな負担です。

労働審判では弁護士に依頼していなかった方も、裁判まで発展したら労働問題に強い弁護士に依頼して対応を任せることをおすすめします。

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