最低賃金を下回る賃金は違法?最低賃金未満で働いていた場合の対処法

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2020年10月1日以降の自己都合退職者は、失業手当の給付制限期間が短縮される変更があります。

最低賃金は毎年上がっているのに、仕事先の賃金は一向に上がらない。

最低賃金を調べてみたら、仕事先の賃金は最低賃金を下回っていたが、どこに相談していいのかわからずにお悩みの方もいらっしゃると思います。

この記事では、仕事先の賃金が各都道府県の最低賃金を下回っていた場合の使用者の違法性や罰則、具体的な対処法について解説します。

最低賃金を下回る賃金で働かされるのは違法?使用者側の罰則は?

使用者が労働者に最低賃金を下回る賃金を定めて、働かせることに違法性はあるのでしょうか。

また、違法行為だとしたら使用者側への罰則はあるのか確認していきましょう。

最低賃金を下回る賃金で働かせるのは違法

最低賃金を下回る賃金を定めることは違法です。

最低賃金法第4条1項に、「使用者は最低賃金の適用を受ける労働者に対し、最低賃金額以上の賃金を支払わなければならない」と定められています。

また、最低賃金を下回る賃金を定めていた場合、使用者は50万以下の罰金を科されます。(最低賃金法第40条)

そして、最低賃金は雇用形態や年齢、国籍を問わず適用されます。

高校生で社会経験が少ないからといって最低賃金を下回る賃金で働かせたり、外国人だからといって最低賃金を下回る賃金で働かせることは違法です。

仮に、使用者と労働者の双方に最低賃金を下回る賃金で働くことに、同意があったとしても違法です。

最低賃金法第4条2項で、「最低賃金を下回る賃金額を定めた場合、その部分は無効とする」と定められています。

その為、最低賃金を下回る賃金額を定められた場合でも、最低賃金と同じ賃金での定めをしたものとみなされます。

最低賃金が950円だとして、800円でいいので働かせて欲しいと申し込みをして雇われたとしても、賃金は最低賃金の950円です。

そしてこの場合、実際に800円しか支払われなかったのであれば、150円分は未払い金となります。

働いている途中で、最低賃金が改正された場合は?

雇用契約時は最低賃金以上だったが、その後最低賃金が上がり、定められた賃金が最低賃金を下回ってしまった場合はどうなるのでしょうか。

この場合も、賃金を更新された最低賃金以上に定め直さなければ違法です。

例えば、働き始めた時は最低賃金が950円で時給も950円だったが、その後最低賃金が970円に上がった場合が当てはまります。

この場合、最低賃金が970円に上がったタイミングで賃金も970円以上に定め直さなければ違法です。

派遣の場合、最低賃金の適用は派遣元?派遣先?

派遣の場合は、最低賃金の適用は派遣先の都道府県の最低賃金が適用されます。(最低賃金法第13条)。

つまり、神奈川県横浜市に派遣元の会社があり、東京都新宿区にある派遣先の会社で働いている場合、東京都の最低賃金が適用されるということです。

最低賃金が適用されないケースはある?

最低賃金が適用されないケースはあります。

最低賃金第7条で「減額特例制度」が認められており、下記の条件下では最低賃金から最大20%減額した賃金に設定することができます。

  • 精神又は身体の障害により著しく労働能力の低い方
  • 基礎的な技能習得等を内容とする認定職業訓練を受けている方のうち厚生労働省令で定める方
  • 試用期間中の方
  • 軽易な業務に従事する方
  • 断続的労働に従事する方

アルバイトの募集欄などで、時給1000円(ただし試用期間2ヶ月は800円とする)と書かれていることがあるのは、試用期間中はこの減額特例制度が認められているからです。

ただし、最低賃金の減額が認められるのは、最低賃金減額の特例許可申請書を各都道府県労働局長に提出をして、許可を得なければなりません。

各都道府県労働局長の許可なく、使用者が勝手に最低賃金を下回る減額をすることは禁じられています。

最低賃金を下回る賃金で働いている場合の対処法は?

使用者が労働者に最低賃金を下回る賃金を定めることは、法律違反であることがわかりました。

では実際に、最低賃金を下回る賃金で働いていた場合、どのような対処をすればいいのか確認していきましょう。

まずは使用者に直接相談

個人で経営している飲食店など個人経営者は、最低賃金に疎く、現在の最低賃金がいくらであるのか知らない場合もあります。

最低賃金を下回る賃金で雇用するのは歴とした法律違反なので、使用者は知らなかったで済まされる話ではありませんが、そのような方も中にはいるのが現状です。

このような場合は、単に知らなかっただけなので、使用者に相談をすればすぐに対応してくれるでしょう。

一方、厄介なのは現在の最低賃金がいくらかであるか知っているのにも関わらず、意図的に最低賃金を下回る賃金を定める使用者です。

このような場合は、使用者に相談しても応じてもらえないことがあります。

では、使用者に相談しても応じてもらえない場合はどうすればいいのでしょうか。

労働基準監督署に相談

使用者に直接相談しにくい又は、相談したものの応じてもらえない場合は、労働基準監督署に相談することもできます。

労働基準監督署は、使用者に対して事前に通知することなく会社やお店に強制立ち入り調査をすることが認められています。

帳簿やその他書類を調査する権限や、関係者に質問することもできます。

そして法律違反が発覚すれば、是正指導を行うことも可能です。

使用者から、いやがらせを受けたり解雇されたりしないか不安な方もいると思います。

そのような方は、労働基準監督署への相談を匿名で行うことも可能です。

最低賃金法第34条2項によって、使用者は労働者に対して労働基準監督署への申告を理由に、解雇や不利益な扱いをすることを禁じられていますが、不安な方は匿名での相談をおすすめします。

今までの差額分は請求できる?請求方法は?

最低賃金を下回る賃金で働いていたことが発覚した場合、今までの差額分を請求したくそなる方もいらっしゃると思います。

そのような場合、差額分を請求することは可能なのでしょうか。

差額分は請求できる

結論から申し上げますと、最低賃金を下回る賃金で働いていた場合、今までの差額分の請求は可能です。

本来であれば支払われたはずの賃金なので、差額分の請求は当然の権利といえます。

ただし、差額分全額請求できるわけではなく、過去2年分の差額分が請求できるに留まります。

賃金未払いの時効は、所定の支給日から2年だったので、2年を超えた分は時効が成立してしまっているからです。

では、どのような方法で請求できるのでしょうか。

内容証明郵便で請求書を送る

ご自身で請求するのであれば、内容証明郵便で請求書を送るのが一般的です。

配達証明書付きの内容証明郵便であれば、後々使用者からそのような請求書は届いていないと言われることを防ぐことができます。

また、内容証明郵便で請求書を送ることは、催告の効果があります。

催告をすることによって、時効の完成を6ヶ月先延ばしにできます。

前述した通り、差額分の未払い賃金の消滅時効は所定の支給日から2年間でした。

2年経った未払い賃金は時効が成立してしまっているので、差額分を請求することができません。

仮に今後裁判にまで発展するとしたら、準備に時間がかかります。

裁判の準備をしている間に時効が成立することを防ぐためにも、賃金未払い分の請求にはまず、内容証明郵便で請求書を送ることが有効です。

労働基準監督署に申告する

内容請求郵便で請求しても使用者側から支払いがなかった場合は、労働基準監督署に申告をすることも可能です。

この場合、労働基準監督署から使用者側に、差額分を支払うように指導が入ります。

弁護士に相談する

内容証明郵便を送ったり、労働基準監督署が使用者側に差額分を支払うように指導しても、差額分を支払わないような悪徳な使用者も中にはいます。

そのような場合、弁護士に相談することを考える必要が生じてきます。

もちろん、費用はその分かかってしまいますが、差額分が多く絶対に泣き寝入りはしたくないという方は、弁護士に相談することはおすすめです。

特に、労働問題を専門に取り扱っている弁護士はこのような賃金未払い問題にも慣れています。

その為、万が一裁判にまで発展しても安心して任せることができます。

初回の相談は無料という弁護士事務所も多いので、ご自身や労働基準監督署では解決できなかった場合、1度弁護士への相談を検討してみてはいかがでしょうか。

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