退職後、会社から損害賠償請求をされたら?会社に請求できることも!

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2020年10月1日以降の自己都合退職者は、失業手当の給付制限期間が短縮される変更があります。

退職後に、会社側から損害賠償請求をされたらどうしますか?

驚いてしまいますし、払わなければいけないのかと不安になりますよね。

退職した会社からの損害賠償請求が有効なのか、どこに相談すべきなのか解説します。どのようなケースで損害賠償請求をされるのかも判例とともに見ていきましょう。労働者から会社に損害賠償請求ができるケースもありますので、対処法としてご確認ください。

退職後会社から連絡がきて損害賠償請求されたらどうする?

退職後、会社から損害賠償請求の連絡がきたら驚いてしまいますよね。
そのときは慌てず、まずは相談をしましょう。

退職した会社からの損害賠償請求は有効?

会社を退職しても、法的義務が全てなくなるわけではありません。雇用契約が継続していることと、損害賠償請求をされることは別問題ですので、事案によって損害賠償請求が有効にされてしまう場合もあります。
どう退職すればいい?

「退職すれば何も関係ない」と考えて、自分勝手に退職をすると、思わぬ請求をされることもあります。リスクについて認識したうえで、適正に退職手続きを進めましょう。

退職後に損害賠償請求をされたら相談先は?

もし具体的に損賠賠償請求をされてしまったら、弁護士に相談しましょう。訴訟になるケースはもちろん、訴訟外で請求されているケースでも弁護士はアドバイスをくれます。
詳細はこちら

会社によっては退職に対する嫌がらせとしてはったりを主張している場合もあります。法律の専門家に勝訴可能性を聞くことができれば、不当な請求に怯えずに会社とやりとりが出来るようになります。

退職後の損害賠償請求が考えられるケース

退職者に損害賠償請求をされるケースとして
・「勝手に退職した!」と言われるケース
・退職時の不当な引き抜きのケース
・会社負担の留学等の終了後すぐ退職するケース
上記3つをご紹介します。

判例もまとめていますので、損害賠償請求を会社からされないためにしっかりと確認しておきましょう。

「勝手に退職した!」と請求されるケース

期間の定めのない契約の場合、働く人が退職するには原則としていつでも解約を申し入れることができ、その2週間後に雇用契約は終了します(民法627条1項)。一方、期間の定めのある雇用契約は、やむを得ない事由があればすぐに解除をすることができます(同法628条柱書)。
勝手に退職はできないの?

逆に言えば、それ以外の場合は解除できませんので、勝手に「今日で辞めます」という書置きだけを残して連絡を絶ってしまい、会社に損害が生じた場合には、賠償を請求される可能性があります。無断欠勤となれば、労働するという債務を果たしていないことになるため、民法415条から債務不履行責任として損害賠償請求をされる場合もあるでしょう。

また、解除を申し入れる期間が就業規則で長く設定されていることもあります。30日前には申告するよう定めている会社も多く、民法よりも優先的に適用されますので、就業規則の確認も怠らないようにしましょう。

また、上記期間をクリアしていたとしても、業務の関係から会社に損害が生じた場合は、損害賠償請求をされてしまうケースもあります。特に有期雇用契約の場合は条文上も、やむを得ない事由が「当事者の一方の過失によって生じたものであるときは、相手方に対して損害賠償の責任を負う。」とされています。

退職時の不当な引き抜きで請求されるケース

退職をする際、不当な対応で辞める会社の社員を引き抜いた場合に、損害賠償が請求され、かつ認められる可能性があります。
具体的な判例は?

判例では、会社を辞める取締役が、慰安旅行を装って社員を集め、ホテル内で引き抜くための説得をしたうえ大勢で競合会社に移った事案で、870万円の損害賠償請求が認められました(東京地判平成3年2月25日)。

単純な説得の範囲内であれば問題なくとも、引き抜きの方法や会社に生じた損害によってはリスクがあることを知っておきましょう。

会社負担の留学・研修後すぐ退職するケース

会社の負担で留学や研修をさせていたにも関わらず、その後すぐに辞めてしまうケースでは損害賠償請求が認められる場合もあります。会社としては、その後会社で業績に寄与することを見越して先行投資しているわけですので、留学目当ての就職など不当な場合には裁判所も厳しく判断するでしょう。
具体的な判例は?

2年間アメリカに留学し、経営学博士の学位まで取得させてもらった社員が、帰国からわずか2年5カ月で退職した場合に、判例は学費相当額の467万円の支払義務を認めました。(東京地判平成9年5月26日)

ただ、正確には判例は損害賠償請求としているわけではなく、帰国後一定年以上働くことで免除される消費貸借契約(借金)だと判断しました。そのため、免除条件を満たさないことを理由として、貸したお金の返済を求められるということになります。留学や研修前にその旨の書面にサインをすることが多くなってきましたから、必ずチェックしておきましょう。

退職後、労働者から会社に損害賠償請求できることも

退職後に会社から損害賠償請求をされたとき、その理由が違法なものだった場合、労働者側から会社に損害賠償請求できることもあります。

どのようなケースが該当するのか、判例を見てご確認ください。

会社からの損賠請求自体が不法行為に?

逆に、会社から損害賠償を請求されたこと自体が不法行為だとして、会社に対して損害賠償を請求することができる場合もあります。
具体的な判例は?

会社の業務環境のせいでうつ病になってしまった方が、すぐに他社に入社したところ、会社が「他社に移るために嘘をついて辞めたんだ!」と損害賠償を請求しました。これに対して労働者は、そんな損害賠償請求をすること自体が、違法なものだとして反訴を提起しました。この結果、会社は正当な理由もなくあえて訴えを起こし、労働者に損害を生じさせたとして110万円の損害賠償請求が認められています(横浜地判平成29年3月30日)。

会社の主観的な目的や、実際に生じた損害の有無などから、違法なものといえるかどうかが判断されることになります。

会社に損害賠償請求をする際の相談窓口は?

会社も人が経営する以上、感情的に損害賠償請求をしてくる場合があります。訴えを提起されると誰しも驚いてしまうものですが、その主張に理由があるかは別問題です。上記のように、逆に損害賠償請求をする余地もありますから、まずは弁護士に相談をしてみましょう。

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