裁量労働制とみなし労働時間の違いとは?裁量労働制の種類も解説

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2020年10月1日以降の自己都合退職者は、失業手当の給付制限期間が短縮される変更があります。

裁量労働制とみなし労働時間って、同じものだと考えていませんか?実は、両者は似てはいますが、全く同じ内容ではありません。端的に言うと、裁量労働制はみなし労働時間を適用した制度のなかの一つです。今回は、裁量労働制とみなし労働時間の違いや、裁量労働制の種類を紹介します。この記事を読み、裁量労働制とみなし労働時間についてきちんと理解して頂ければ幸いです。

裁量労働制とみなし労働時間の違いとは?

裁量労働制とみなし労働時間は同義ではありません。まずは両者の違いや関係性を紹介します。

裁量労働制はみなし労働時間を導入した制度の一つ

みなし労働時間とは、実際に働いた時間に関係なく、あらかじめ決めておいた労働時間働いたことにする制度を指します。例えば、実際の労働時間が10時間でも、事前に「労働時間は9時間とする」と決めてあれば、9時間働いたとみなされ、給与算定上は労働時間9時間として扱われます。

労働基準法上は「1日8時間、週40時間以上働いた場合、25%以上の割増賃金を支払わなければならない」(労働基準法第32条)とありますが、みなし労働時間でも、この労働基準法上の割増賃金の規定は適用されます。

つまり、みなし労働時間が9時間であれば、8時間を越えた1時間分は割増賃金となるのです。みなし労働時間では残業代(=割増賃金)が支払われないと勘違いしている人はいますが、きちんと支払われるので安心してください。また、休日や深夜労働に関する割増賃金の規定も適用されます。

みなし労働時間制の種類

みなし労働時間を活用した制度には、内容や目的の違いから、「裁量労働制」「事業場外みなし労働時間制」の2つに分かれます。更に、裁量労働制は「専門業務型裁量労働制」と「企画業務型裁量労働制」に分割されます。事業場外みなし労働時間制とは、外回りの営業など、管理者が労働者の業務時間を把握するのが難しい場合に、適用される制度です。事業場外の労働であっても、管理者が同行しているなど業務時間の把握が可能なケースではみなし労働時間制は適用できないので注意です。

フレックスタイム制や変形労働時間制との違い

同じく柔軟な労働を可能にする制度として、フレックスタイム制や変形労働時間制があります。これらの制度とみなし労働時間(裁量労働制)の違いは、「1日8時間週・40時間以下」という労働基準法の規定に束縛されるのかという点です。フレックスタイム制も変形労働時間制も、短期的には1日8時間・週40時間以下ではないかもしれませんが、トータルで考えれば、この枠内で労働時間が収められます。つまり、労働基準法の労働時間の規定に縛られているといえます。一方、みなし労働時間ではあらかじめ定めておきさえすれば、1日8時間・週40時間を越えても問題ありません。

裁量労働制の具体的な内容

お伝えしたように、裁量労働制には「専門業務型裁量労働制」「企画業務型裁量労働制」の2種類があります。両者の具体的な内容や違いを見ていきましょう。

専門業務型裁量労働制

専門業務型裁量労働制とは、その名の通り、専門的なスキルを要する職種のみに適用される制度です。

専門的な業務とは、使用者側が労働時間を決めずに、業務の遂行方法含め、労働者側で労働時間を決めた方が効率が良い職種です。専門業務型裁量労働制が適用となる職種は、厚生労働省が示している19個の職種に限定されます。例えば「情報処理システムの分析及び設計業務」は、専門業務型裁量労働制の適用職種の一つです。

つまり、システム構築プロジェクトをまとめるシステムエンジニアや実際にプログラム言語を駆使してシステムを構築するプログラマーは、裁量労働制を適用可能です。他にも、弁護士や公認会計士・税理士・弁理士など高度な専門的知識を要する職種においても、専門業務型裁量労働制を適用可能です。

企画業務型裁量労働制

企画業務型裁量労働制とは、企業内で、企画立案・市場調査・分析などの業務を担当する労働者を対象とした制度です。このような職種は成果が重要であり、あらかじめ労働時間を定めることが難しいため、裁量労働制を適用しても問題ないとされています。

裁量労働制の対象外となる者

裁量労働制は、上記の通り、特定の職種でしか適用できません。また、業務内容だけでなく、労働者側の事情で適用できないケースもあります。労働基準法では「年少者・妊娠中の女性および産後1年を経過しない女性は、時間外労働をさせてはいけない」(労働基準法第60条)とあります。みなし労働時間制を適用してしまうと、実際に働いた時間に関わらず事前に定めた労働時間働いたとみなされるため、時間外労働の可能性がつきまといます。年少者や妊娠中の女性・産後1年を経過しない女性に対して裁量労働制を適用してしまうと、時間外労働の禁止という労働基準法上の規制が破られることになるため、このような者に関しては裁量労働制の対象外です。

裁量労働制におけるみなし労働時間の決め方

みなし労働時間は使用者側が一方的に決めてはいけません。もし、そういったことを許すと、企業が賃金を抑えたいという理由で、本来なら命じた業務が終わらないレベルの短いみなし労働時間を設定する恐れがあるためです。具体的には、どのようにみなし労働時間を決定するのか、プロセスをチェックしましょう。

専門型業務労働制の場合

専門型業務労働制の場合、労使協定を締結し、その内容を所轄の労働基準監督署長へ届け出ることで、みなし労働時間を適用できます。

企画業務型裁量労働制の場合

企画業務型裁量労働制の場合、労使委員会を結成・招集し、決定した内容を、所轄の労働基準監督署長に届け出ることで、みなし労働時間を適用できます。

事業場外みなし労働時間制度の場合

事業場外みなし労働時間制度の場合についても、触れておきましょう。事業場外みなし労働時間制度では「所定時間働いたとみなす場合」と「その業務遂行にかかる時間をみなし労働時間として設定する場合」とで、決め方が異なります。所定時間働いたと見なす場合、労使協定は必要なく、就業規則で定めておけばOKです。一方、通常その業務遂行にかかる時間を働いたと見なす場合、労使協定の締結が必要です。

裁量労働制の企業で働く際に注意するポイント

裁量労働制は実際の労働時間が見えないため、サービス残業が発生する恐れが高いです。また、みなし労働時間内では到底終わらない量の業務を押し付けられ、過酷な労働環境を強いられる場合があります。このような事態に陥らないために労働者がすべきことをご紹介します。

実際に働いている人の口コミをチェックする

ブラックな労働環境を防ぐためには、みなし労働時間と実際の労働時間が乖離しすぎないか確認が必須です。そのためには、企業で実際に働いている人の声を聞くことが有効です。ネット上には多くの企業口コミサイトが存在します。無料・登録無しで見れるサイトもあるので、企業名を検索し、リアルな評判を確認しましょう。

仕事内容を明確化する

みなし労働時間内で担当業務が終わるか確認するために、仕事内容を明確にするのがポイントです。求人票・企業説明会・面接などを通じて、入社後に担当する業務内容の詳細情報を入手しましょう。できるならば、評価基準としてどれほどの成果が求められるかも分かると、より良い判断材料となります。

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